都市型フェス『CENTRAL』内「Echoes Baa」徹底解剖 音楽フェスの新基準、カルチャーが交差する“秘密基地”に迫る

『CENTRAL』内「Echoes Baa」徹底解剖

 昨年新たに誕生した都市型音楽フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL』(以下、『CENTRAL』)。今年も横浜の街全体を巻き込む『CENTRAL 2026』が、2026年4月3日~5日に開催される。本イベントの特徴のひとつが、Kアリーナ横浜やKT Zepp Yokohamaなどの複数施設で、それぞれにまったく異なるムードのライブが同時開催される点だ。従来の音楽フェスと比較してもかなり広範囲に会場が点在し、横浜の各地で多彩な音楽が鳴り響く3日間は、これまでの都市型フェスと比べてもより特別感ある体験となることだろう。

フェスを超えた“アミューズメントパーク”、シーンが溶け合う遊び心溢れる空間

 そんな『CENTRAL』内でも特に異彩を放つ会場、それが横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場の「Echoes Baa」である。名前の通り、ここは2024年にソニー・ミュージックエンタテインメントが設立したマネジメント&レーベル・Echoesによってプロデュースされる会場だ。もっとも、レーベルが監修するのは出演ラインナップに留まらない。アーティストが立つステージはもちろん、フードエリアや物販、フォトスポットやモニュメントなどの場内レイアウト、さらにワークショップの実施からガチャガチャ、セルフフォトブースの筐体、ゲームブースの設置まで。“音楽フェスと呼ぶにはあまりに多様で、さながら“アミューズメントパーク”のような会場全体の空間プロデュースを本レーベルが手掛ける点も、強烈なユニークポイントとなる。

「Echoes Baa 2025」の様子
「Echoes Baa 2025」
「Echoes Baa 2025」の様子
「Echoes Baa 2025」

 大元の音楽フェス『CENTRAL 2026』も、横浜という街での開催やそのコンセプト、アーティストラインナップから、音楽というカルチャーの“今”を敏感にキャッチアップした、斬新かつダイバーシティなイベントという印象を受ける。さらにその中でも「Echoes Baa」では、音楽と隣り合うファッション・アート・グルメなどの他カルチャーへの越境、さらにカルチャー同士のカオティックな交差から生まれる“遊び心”を、五感すべてを使って満喫できる空間造りがなされていると言えるだろう。

「Echoes Baa 2025」の様子
「Echoes Baa 2025」
「Echoes Baa 2025」の様子
「Echoes Baa 2025」
「Echoes Baa 2026」マップ
「Echoes Baa 2026」マップ
「Echoes Baa 2026」コンテンツ
「Echoes Baa 2026」コンテンツ

YOASOBI、MAISONdes、キタニタツヤ…レーベル・Echoesの特色とは?

 さて、そんな挑戦的かつキャッチーなイベント制作を行うレーベル・Echoesについて。おそらく世間一般の認知としては、YOASOBIやキタニタツヤ、MAISONdes、Aoooなど、今をときめくインターネット由来の音楽を強みとする人気アーティストが集うレーベル、といったイメージだろうか。錚々たるビッグネームについ目が行きがちだが、それだけではこのレーベルが標榜する本質を掴むには至らない。所属メンバー以上に、このEchoesの持つコンセプトがより表面化するのは、今回のような「Echoes Baa」の空間プロデュースや、同レーベルによるクリエイタープラットフォーム・MECREの運営といった側面のようにも思える。

YOASOBI
YOASOBI
キタニタツヤ
キタニタツヤ

 「大勢がワクワクするクリエイションがしたい」ーーその中で音楽を軸としつつも、用いる手法は音楽だけに留まらない。端的に表せば、それが創設時から変わらないEchoesの主題だ。特にレーベルの二枚看板とも呼べるYOASOBI、MAISONdesはそのコンセプトを象徴するアーティストでもある。楽曲制作において“小説の二次創作”という手法を取り続けるYOASOBI、かたやMAISONdesも都度さまざまなシンガーとコンポーザーのタッグを試みつつも、アイキャッチとなる楽曲MVは一貫してイラストレーター・NAKAKI PANTZのコンセプティングなイラストを用いている。

 また同時に、多くの人々をワクワクさせる斬新さは、時に商業的・権威的でない場所から生まれることも多い。だからこそレーベルにとって、インディーかつストリートな文化・カルチャーも欠かせないピースなのだろう。Ayaseやキタニ、ツミキやすりぃといったレーベル内のVOCALOIDジャンルをルーツとするクリエイターたちが、これだけ名の売れた今なお時折ボカロカルチャーへと密接に回帰する動きを見せるのも、ある種そんなレーベルの色が如実に反映された一側面ではないだろうか。

Echoes
Echoes

 そのようなEchoesの特色を知ることで、今回音楽フェス内に展開される「Echoes Baa」の空間が、いかにレーベルコンセプトを巧みに具現化した場であるかがより伝わるはずだ。開催にあたり、「ジャンルも表現の形も関係なく、いろんなシーン・文化が溶け合う場所にしたい。この日に出会うすべての体験が、何かのきっかけになってくれたら」とイベント制作担当者は話す。足を運ぶリスナーにとっても、ここで過ごす時間は非常に真新しい音楽フェス体験となるはずだ。

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