ISSEI×SKRYU、濃厚濃密なコラボレーション「Perfect」誕生! これからのHIPHOP、自分が愛するHIPHOPを語り合う

ISSEI×SKRYU、HIPHOPを語り合う

マティーニ、XYZ――お酒のコミュケーションが生んだパンチライン

SKRYU:思春期で何かミスをすると、そのミスが人生のすべてを変えてしまうように錯覚をしてしまうことが多いと思うんです。今の時期だったら受験とかもそうですし。どこそこの学校に落ちたら、この先の60年の人生がどん底になってしまう、みたいな。でも、これは身を持って経験したから言えるけど、マジでそんなことはない。大事なのは、ミスしたあとに自分がどうするかだから。もちろんたくさん傷つくと思うし、飲み込めないと思うけど、その感情もなんらかの糧になるものなんだと思います。

ISSEI:ある人にとっては努力の糧になるだろうし、ある人にとっては感情の幅が広がるだろうし。

――〈飲み込むのは到底無理/って日々がオリジナルカクテルに/頭ナイーブでも空いてる語尾/沈むオリーブにはちょっとマティーニ〉というラインですね。

SKRYU:ISSEIの親戚の子の話じゃないけど、正直、そんな事実って呑み込めないじゃないですか。でも、その経験はその人だけのもので。〈頭ナイーブでも空いてる語尾〉というのは、「あなたが歩み出さないと日々は進んでいかないよ」ってニュアンスがあるんですよ。ラップ的に語尾っていうのは韻を踏むための大事な場所だから。あなただけの大事な韻を踏むためにやってこうぜ、みたいな。ちなみに、最後のラインでマティーニをチョイスしたのは、初めてISSEIと飲みに行った時のエピソードから取りました(笑)。

ISSEI:最初にご一緒した食事会がすごく盛り上がって、何軒か飲み歩いて、最終的にバーにたどり着いたんです。すごく雰囲気がある大人っぽいお店で、そこでSKRYUさんがカマしたんです(笑)。

SKRYU:ふざけて「俺、毎日マティーニ飲んでるんだ」みたいなことを言って(笑)。

ISSEI:その前のお店で、僕はビールとかを飲んでいたんです。まだ21歳だし、そんなにお酒も詳しくないから、SKRYUさんに「こういうお店ではどういうお酒を飲めばいいんですか?」って質問したんです。そしたら、さっきの答えが返ってきて。

SKRYU:ISSEIは俺よりも全然お酒が強いんです。で、俺がちょっとトイレ行くじゃないですか。そうすると、戻ってきた時には2杯目のマティーニが頼まれているわけです。でも、マティーニってそういう飲み方をするお酒じゃないじゃないですか(笑)!

――会話しながら少しずつ飲んでいくお酒ですよね(笑)。

SKRYU:そうそう。俺もISSEIも酔っ払って悪ノリみたくなっていたから、テキーラのショットみたいなノリでクイクイ飲んじゃって。その時に俺は「ISSEI、ちょっと待って!」と内心思って、「ちょっとマティーニ!」と(笑)。

ISSEI:あははははは!

SKRYU:それで生まれたラインです(笑)。でも、ISSEIがすごいのは、このラインを読んでから自分の歌詞を書き換えたたことで。


ISSEI:〈XYZ〉のラインですよね。飲み明かしていたら結構いい時間になってしまったので、「SKRYU先輩、最後に何かいいお酒ありますか?」と質問したら「知ってる、XYZっていうのが締めのカクテルなんだよ」と教えてくださって。そのエピソードを〈フライトの時刻はXYZ〉に落とし込みました。

SKRYU:今回はお互いに何回か歌詞を調整していて、さっきも言ったとおり、それは全然簡単な作業じゃないんですね。たしか、レコーディングの直前のやりとりで〈XYZ〉が入ってきたんだよね。

ISSEI:SKRYUさんの〈マティーニ〉のヴァースを読んで、僕は夢のフライトのチケットを片手に乾杯したいと思ったんです。「その時に飲むお酒ってなんだろう?」と考えたら、もう〈XYZ〉しかないだろ、と。

SKRYU:本当に感心しましたよ。お酒の話題と、時間の概念も入ってきて、どんどん立体的になっているんです。正直、〈沈むオリーブにはちょっとマティーニ〉はふざけすぎかなとも思ったんです。でも、ISSEIの寛大な心で俺の歌詞も尊重してもらえました(笑)。

自分が助かって、結果誰かも救われるってすごいことだと思う(SKRYU)

――最後にちょっと真面目な質問を。ラップという歌唱法はHIPHOPカルチャーに依拠しています。ただ時代の流れのなかで、インディペンデントから生まれたアイデアがいつのまにかトレンドとなり、世界的なポップミュージックのフォーマットに取り入れられることが当たり前になりました。こうした現状をそれぞれ違う立場の当事者としてどのように捉えているか教えてください。

SKRYU:リスペクトの話ですよね。実際、HIPHOPカルチャーのなかには、常に「これどうなんだ?」という論争がある。俺は、HIPHOPの素晴らしいところは、たいへんな家庭環境で育った人、お金がなかった人、人生の選択肢に悪い道しかなかった人たちが、その過去を切り売りして幸せになれることだと思ってます。俺なんかはいわゆる普通の家庭で育った、普通の子どもだった。でも、心には弱さがあった。厳しい環境で生まれ育った人からするとぬくぬく育っているように見えても、やっぱり人それぞれ、その環境なりの弱さや傷がある。そこは誰も否定すべきじゃないし、優劣を決めるものでもない。俺のHIPHOPは、自分のなかの肯定しがたい自分を曝け出して、自分を肯定し、結果として誰かが救われてくれたらいいなと思うんです。

――実際、僕は最近めちゃくちゃヘコんでいたので「Perfect」でかなり救われました。

SKRYU:ああ、嬉しいです。自分が助かって、結果誰かも救われるってすごいことだと思うんですよ。マイナスをプラスに変えているわけですから。この曲を「HIPHOPじゃない」と言う人もいると思う。でも、こっちとしてはリスペクトを踏まえて、すごい覚悟と確固たる意思でやっている、というのはあります。今回の「Perfect」の歌詞をISSEIとふたりでまじまじと読み返して、しっかりと話し合ったわけではないけど、実際この歌詞は完璧だと思う。お互いがこれまで経験した肯定しがたい、忘れてしまいたい、汚れちまって隠していたい過去をそれぞれ見つめて、かっこいい音楽のなかで肯定しているわけだから。

ISSEI:……兄貴って呼んでいいですか。

SKRYU:(笑)。

ISSEI:僕からすると難しい質問ですね。だけど、僕は本当にHIPHOPが大好きなんです。めちゃくちゃリスペクトしているし。だから、僕はまわりからなんと言われてもいいんです。僕がHIPHOPを好きでリスペクトしている事実は変わらないから。休みの日にはいろんなラッパーさんたちのライブに自分でチケットを買って、たくさんプライベートで観に行っているんです。すごくリスペクトしているからこそ、いつか自分が作った曲をHIPHOPシーンの人たちに認知してもらいたいとも思っています。「こいつ結構ちゃんとやってんじゃん」みたいに、ヘッズの方たちにも自分の本気が伝わるような活動をこれからもしていきたいです。本気でそう思ってますね。

■配信情報
3rd Digital Single『Perfect feat. SKRYU』
配信中

配信URL:https://tobe-music.lnk.to/Perfect

■リリース情報
3rd Single「Perfect feat. SKRYU』
2026年5月4日(月)発売

販売URL:https://tobe-store.jp/pages/perfect

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