AiScReam ソロインタビュー Vol.3:降幡 愛 今一番愛を叫びたいのは『ラブライブ!』ーー世間の反響への驚き、“原点”への愛

「ルビィちゃん」が世界で呼ばれているのが嬉しかった
――楽曲が広がっていく過程でさまざまな声が届いていたと思うのですが、印象に残った言葉や出来事はありますか?
降幡:個人としては、「降幡さんがルビィでよかった」と言っていただけたのが、本当に嬉しかったです。演じていてよかったな、と思える瞬間ですし、何より世界中の人たちが「ルビィちゃん」って言っているのを見ると、演じる側としては胸が熱くなります。普段はキャラクターとして生きる時間が長いので、そのキャラクターが作品の外でも愛されている感覚は、やっぱり特別ですね。
――作品を越えてルビィの名前が飛び交う光景は、声優としても貴重ですよね。
降幡:そうですね。だからこそ、すごくありがたい反面、「どこまで広がっていくんだろう」みたいな怖さも少しあります。良い意味でですけど、予想の外にある感じがずっと続いているので(笑)。

――今回のAiScReamもそうだと思うのですが、降幡さんがルビィと長く丁寧に歩んできたからこそ、今回の広がりに繋がった面もあるのではと感じました。そうした経験も含めて、改めて『ラブライブ!シリーズ』の中でルビィの存在をどう捉えていますか?
降幡:いえ、本当にただただ長くやっているだけで……! 私はAqoursのひとりとして黒澤ルビィを演じているだけなので、そんなふうに言っていただくのは不思議ですし、ありがたいです。主人公でもない身としては、なおさら驚きます。どちらかというと、縁の下の力持ちみたいに、影にひっそりいたいタイプなので(笑)。でも、ルビィちゃんが『ラブライブ!シリーズ』を知るきっかけになっていると言っていただけるのは、本当に嬉しいことだなと思います。
――ここまで広がった要因を、降幡さんご自身はどう分析していますか?
降幡:やっぱり、キャラクターの声色がそれぞれ全然違うことが大きいと思います。性格も声も違う女の子たちが掛け合いをするから、真似しやすいんですよね。しかも、真似して遊べる余白がある。そこが入口になったのかなと思います。
――フレーズの汎用性も高いですよね。
降幡:そうなんです。「チョコミントよりもビール」みたいに使っている子がいて、「あ、こうやって使うんだ!」って思いました(笑)。日常会話のテンポに乗るというか、いろんな場所で自分の言葉に置き換えられるのは強いなと思いました。
――降幡さんご自身は、拡散していく動画をかなりチェックされていたそうですね。
降幡:していました(笑)。当時は「もう全部観たんじゃないか」っていうくらい観ていたと思います。最初に印象に残ったのは、小さい子たちの動画でした。そこから、皆さんが自撮りでやり始めて、芸能人の方もやってくださって……広がり方のグラデーションが面白かったです。

――海外のアーティストが真似してくれたことについては、どう受け止めていましたか?
降幡:正直、「世界のおもちゃになってる」と思いながら見ていました(笑)。でも、面白がってくれるならそれでいい、という気持ちもあって。アニメが好きな方が多いのもあると思いますし、フレーズだけ切り取られていることもあるんですけど、結局、曲そのものがシンプルにいいと思ってもらえたのが大きいのかなと思います。
――改めて、楽曲そのものの“強さ”についてはどう感じていますか?
降幡:短い尺の中で、キャラクターの個性がはっきり出るところが強いと思います。質問があって、即答が返ってきて、さらに〈あなた〉で落ちる。構造がシンプルだから、初見でも引っかかるし、繰り返し見たくなるのかなと。あと、3人の声が交互に入るので、耳が飽きないんですよね。ルビィとして歌っていても、「ここはルビィの見せ場」「ここは別の子の色が立つ」みたいに、曲の中で役割がはっきりしているのも大きいですよね。
――海外でもそういうところがウケているんでしょうね。
降幡:海外に行く機会があると、フレーズが共通言語みたいになっているのを感じることがあって。別現場で、中国で英語教師をしている方にお会いした時に、「このフレーズ、世界平和に繋がってるんじゃないですか」みたいな、すごく大きなことを言われたこともありました(笑)。でも、言語の壁を越えてみんなが同じテンポで楽しめるって、すごいことだなと思いましたね。「アニメってすごい」と、改めて感じました。
――ダンス面でも、真似しやすいというのは大きな要素ですよね。
降幡:そうですね。振り付けがキャッチーで、子供から大人までやりやすいんだと思います。その振れ幅が、動画での広がりに繋がったんじゃないかなと。
――一方で、作品の外側でこれだけ広がっていくと、ファンの側には戸惑いも起きそうです。そのあたりは感じましたか?
降幡:感じましたね。長年『ラブライブ!シリーズ』を応援してくださっている方はもちろんですが、シリーズを知らない方への広がりはすごい影響力があるなと思いました。楽しく使ってくださるのは嬉しいんですけど、情報量が少ないままイメージだけが先に広がってしまうこともあるじゃないですか。だから、私たちとしては、なるべく『ラブライブ!シリーズ』の文脈に戻ってこられるようにしたいなと思っています。「この曲、面白いね」で終わるのではなくて、「じゃあAiScReamって何?」「『ラブライブ!』って何?」と、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
――そのために、3人の中で共有しているスタンスはありますか?
降幡:わたしはAqoursとして10年間活動してきて、スタンスは10年前と何も変わらないです。黒澤ルビィ役として、ルビィに寄り添って歩んできたことを大切にしています。『ラブライブ!シリーズ』の魅力は、キャストとメンバーが共に成長していく姿だと思っているので。AiScReamをきっかけに『ラブライブ!』を知ってくださった方にはぜひ、その魅力に触れてもらいたいです。




















