チーム・ハンサム! 20年の感謝と不変の愛が詰まった宝箱に鍵をかけて――『ULTRA HANDSOME LIVE “ZERO”』を振り返る

『ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』レポ

 アミューズ所属俳優によるユニット“チーム・ハンサム!”が、歌やダンスなどのパフォーマンスを通してファンに感謝を伝える『SUPER HANDSOME LIVE』(以下、『ハンサムライブ』)。2005年からスタートした同公演は、今年20周年を迎え、同時にその歴史に一度幕を下ろすことが発表された。20周年記念公演であり、長年の歴史を締めくくるライブとなったのが、12月27日、28日に行われた『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』である。

 今回の公演には、青柳塁斗、猪塚健太、岩崎友泰、植原卓也、太田将熙、甲斐翔真、小関裕太、徳永智加来、新原泰佑、林優大、東島京、兵頭功海、平間壮一、福崎那由他、細田佳央太、松岡広大、松島庄汰、水田航生、溝口琢矢、本島純政、山﨑光、渡邊圭祐の22名が出演。27日の初回公演前にはゲネプロと取材会が行われ、猪塚、小関、細田が代表して本番前の心境を語った。

 細田は「20周年という場所に立たせていただけることが本当に恵まれているなと、あらためて感じています」と感慨深く語り、「リハーサルの段階から、いかに先輩方が背中で引っ張ってきたのかという歴史の重みみたいなものを感じながら今舞台に立っているので、それをちゃんと最後までやりきれるように頑張りたいなと思います」と意気込んだ。

 会場は、これまでに2011年、2012年、2014年と公演が行われてきた“聖地”のパシフィコ横浜 国立大ホール。自身が『ハンサムライブ』に初出演したのも2011年だったと振り返った猪塚は、「10年ぶりに『ハンサムライブ』として帰ってこられて嬉しいですし、オリジナル曲で初めて一公演丸々やったのもこのパシフィコ横浜だったので、今風で言うと、とてもエモい感情になっておりまして」と説明。「昔の楽曲から今の楽曲まで詰め込んでエモエモな公演になる予定でございますので、そのあたりをみんなで噛み締めながら、一生懸命皆さんを楽しませられたらいいなと思っております!」と言葉に力を込めた。


 「今回、1曲だけオリジナル曲をチーム・ハンサム!で出しました」と、20周年記念プロジェクトとして制作されたオムニバス恋愛ドラマ『君としたキスはいつまでも』の主題歌であり、12月19日に発売した新曲「Here Today」に触れたのは、小関。「歌詞のなかにも、歌声にもそれぞれの奇跡と歴史と想いが詰まっているので、その“Here Today”のような公演になるんじゃないかと思います」と語り、「気合の入った、歴史を感じる公演になると思うので、ぜひ楽しんでほしいです!」と呼びかけた。

 ライブタイトルの『ZERO』には“ピリオド”としての0の意味と、「支えていただいたお客さまにとっての0番(=主演/センター)であり続けたい」という願いが込められているという。直後に行われたゲネプロは、「最終調整をしながら臨みます」と話しつつも、全員が全力のパフォーマンスを見せていた。“いつでも目の前の人を楽しませる”というハンサムたちが共通して持つ信念があふれ出る光景は、本番のステージへの期待を大きく膨らませた。

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 迎えた本番。12月28日の最終公演、時計の針が時を刻む映像が流れ、ステージに水田が登場した。スクリーンに浮かぶカードが1枚ずつめくられ、22名のハンサムたちが次々と登場していく演出は、今回と同じくパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された2012年公演を想起させる。そんな2012年公演でもオープニングを飾った「THIS IS THE TIME」で始まりを告げると、過去公演ではユニット曲として場を盛り上げてきた「THRILL」を全員で披露。大人数でのパフォーマンスは炎の演出も相まって迫力満点だ。そこから、平間の伸びやかな歌声からスタートした「ベストスマイル」は、一転して爽やかな雰囲気に。全員が“ベストスマイル”を浮かべ、呼応するように客席も笑顔で満たされていった。

 3曲を詰め込んだ「ハンサム History メドレー」に続き、「Actions Over Words」は『HANDSOME FILM FESTIVAL 2017』以来の披露。今回はオリジナルメンバーである太田、小関、松岡、溝口に福崎を加えた編成で届けられた。メドレーもあわせて、新旧ハンサムたちが入り混じりながらパフォーマンスする光景は、先輩から後輩へと20年間のバトンが受け継がれていったことを感じさせた。

『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』
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 本公演のテーマは“タイムトラベル”。幕間映像も、新原、東島、福崎、細田が過去にタイムスリップしながら、公演ポスターから欠けてしまった文字を取り戻しに行くという内容だ。映像内で2012年に初のユニット曲が誕生したことを振り返ると、ステージでは甲斐(Vo)、細田(Dr)、渡邊(Ba)によるバンド編成での「SEIZE THE DAY(2021Ver.)」が熱くパフォーマンスされる。「White Serenade」では甲斐と小関が感情のこもった歌声を響かせ、青柳、新原、平間、水田がダンスで切ない曲の世界観を演出。太田、東島、兵頭、松岡、本島による「ALICE」、植原、平間、水田による「Butterfly」と、『ハンサムライブ』を彩ってきた名曲たちが次々と届けられた。


 20周年ということで、本公演には歴代ハンサムメンバーたちも駆けつけた。映像内で4人の案内役として声の出演を果たした桜田通のほか、「君だけのHERO」は猪塚と松島に風間由次郎、栁澤貴フィコ、吉村卓也が加わったオリジナルメンバーでの披露。「振り向いて…トゥナイト」では石賀和輝が、「sHi-tai!」では渡部秀が登場し、20周年ならではの特別なステージが実現した。「振り向いて…トゥナイト」の前には過去公演で大きく話題を集めた猪塚扮する「猪ティーハニー」も13年ぶりに復活を遂げ、待望の瞬間に胸を躍らせたファンも少なくなかったはず。会場が笑いに包まれる光景が、それを物語っていた。

『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』

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 そして、最終公演にはさらなるサプライズが待っていた。ファンからのリクエストで1位を獲得した「キミノリズム」は公演ごとに異なるメンバーで届けられており、今回は小関、松岡、松島、水田によるパフォーマンス……と思いきや、ステージには5人目のメンバーが登場。後ろ向きに立っていた彼が振り返ると、割れんばかりの歓声が響いた。歴代ハンサムメンバーの神木隆之介だ。嬉しさから抱き合った5人は、神木をセンターに据えてステージ前面へと移動し、〈君の手をそっと握った〉で小関と神木が手を繋ぐなど、笑顔を弾けさせる。歌い終えた神木は、自身も過去に『ハンサムライブ』のステージに立った時のことを思い出したと語り、最後はファンからの大歓声を受けて「幸せだよ!」と笑みを見せた。

『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』

 伝統企画「キュンファイDEATHマッチ」を経たライブ後半戦も、ハイライトの連続だった。メンバーのみで曲前半の演奏と歌唱を手掛けた「君がいれば」では、東島がピアノ、本島がギターを弾き、山崎が涙を流す一幕も。繊細な歌声が紡がれた「春の花」を経て、コロナ禍の葛藤と孤独を思わせる芝居パートから、メンバーが当時の想いを綴って制作した「GET IT BACK!」へ。歴代ハンサムメンバーも含めた全員がステージに集結して始まった「Feel The Same」は、歌い出しのスポットライトが照らす先は空白だったが、きっと“全員”によるパフォーマンスだったはず。メンバーは客席に降りて、ファンに笑顔を振りまいていった。

 「無礼講!!!」でにぎやかに本編ラストを締めくくると、アンコールで彼らは「Here Today」を心を込めて歌い上げた。「With You」で「応援してくれる皆さんと一緒にこれからも自身の道を歩んで行く」という決意を表したのち、ラストに贈られたのは「DEAR MY GIRL」。〈ありがとう 大好きだよ!/ココロから感謝してる1/これからもずっとその笑顔で/僕のそばにいて 君だけを見てる〉――20年分の感謝の気持ちと今後も変わらぬ愛を歌に乗せて届け、『ハンサムライブ』は幕を下ろしたのだった。

 スクリーンの映像内で、20年の歴史が詰まった宝箱が小関の手によって閉じられ、鍵がかけられる。『ハンサムライブ』の思い出たちは、今回の『ZERO』をもって色鮮やかなままで保存されるのだ。いつかまた、箱が開くかもしれないその日まで――。チーム・ハンサム!が届けてきたエンターテイメントたちは、私たちの記憶のなかで輝き続ける。

小関裕太&渡邊圭祐&兵頭功海&本島純政――4人で語り合う、『ハンサムライブ』とチーム・ハンサム!の絆

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