『TAGRIGHT』合宿が映した未完成の強さ、YUMEKIが見た可能性――メンバー発表直前 第3、4話を振り返る

『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)に参加したことで話題のトモキ(西山智樹)とダイスケ(前田大輔)によるボーイズグループ結成プロジェクト・TAG SEARCHから、新グループ・TAGRIGHTが始動。2人とともに活動するメンバーを探すドキュメンタリー番組が、『シューイチ』(日本テレビ)内にて『TAGRIGHT 挫折を重ねた男達の最後の挑戦』として放送中だ。また、Huluでは完全版が配信されている。
西山智樹&前田大輔による『TAGRIGHT』、デビューメンバーは5人――3日間の合宿の成果、候補者たちの挑戦
『timelesz project -AUDITION-』に参加したことで話題の西山智樹と前田大輔がともに活動するメンバーを選ぶ…『TAGRIGHT 挫折を重ねた男達の最後の挑戦』記事内のすべての画像を見る
トモキとダイスケの覚悟、“自分をさらけ出す勇気”と向き合った夜、
第3話(12月14日放送回)は、新たな壁に直面した1回目の合宿を振り返る場面から始まる。「目標達成に何一つ追いついていない」と話すトモキ、不安を感じているのは「2人に足りてないものが多すぎる」と語るダイスケも同じだ。「俺たちが指標にならないといけない」「自分の限界値を定めずにもっと突出する」――2人はそれぞれの言葉で、覚悟を口にした。
そんな中、始まった2回目の合宿。
今回の合宿では、トモキが作詞作曲を手掛けたプレデビュー曲「FOREVER BLUE」のダンスを前半で仕上げていく前半3日間、その後ダンスに加えて歌も完成させていく後半2日間を経て、最終日の“最終発表会”にデビューメンバー5人が決定するという流れになっている。
「FOREVER BLUE」の振り付けを担当したのは、ダンサー/振付師のYUMEKIだ。彼が合宿にも参加し、早速動きの早い最高難度の振り付けを披露。7人は、YUMEKIからサビ冒頭12秒の振り付けのダンスレッスンを15分間受け、その後10分間の自主練を挟んで、YUMEKIの前で1人ずつ発表していくことに。

「自分が成長したものを背中で見せる」と語っていたトモキは、振りが飛んでしまう場面もあったものの、経験者ならではの理解力でYUMEKIが振り付けで伝えたいニュアンスや思いを即座に汲み取っている点に、YUMEKIは目を留める。だが、続くダイスケは途中で振りが飛んでしまい、動きが止まってしまう。間違えたからと踊ることを止めた姿を見て、YUMEKIは「振りは完璧じゃなくていい」と言い、プロとしての“ステージの立ち方”を指摘。「最後の機会」ということを前提に、「成長するのを見たい」と言葉を投げかけた。
それに続く候補者たち。シオン、ダイゴ、カイリ、セイマはノーミスで踊りきるも、「上手ですけど、それ以上のものがない」「自分が出せるところを抑えちゃっている感じ」と指摘される。ダンス未経験のジェイには、「何十倍、何百倍も練習しないと間に合わない。危機感はメンバーの誰よりも必要」と厳しい言葉が向けられた。


その夜からは、3日間共同生活を送る“TAG ROOM”が公開された。寝室はダイスケとセイマ、シオンとトモキとダイゴ、ジェイとカイリの3部屋に分かれた夕食の席では、ジェイの第一印象や、カイリの“アメリカンスタイル”な接し方が話題に挙がり、リビングは自然と笑いに包まれていく。夕食後は近くのダンススタジオで自主練習へ。ジェイ、セイマ、カイリは年齢が近いこともあり、レッスン中や休憩中も行動をともにしている仲でもある。気づけば時計の針は深夜2時を回っていた。
翌日午前中は自主練習、撮影した動画を見ながらスマホで振りをチェックしていく。昼食時間にカメラの前で「一緒にデビューしてサウナとか行こうな」と話すセイマに対し、ジェイから「みんなでいきたいです。7人で……」と思わず本音が漏れる。ジェイの言葉に、セイマも「悲しいけど2人落ちる」「それを考えると練習に集中できない」と寄り添いながらも言葉を呑み込む。
ミスなく踊りたいと語っていたジェイだったが、苦戦していたパートはまだぎこちない。それを見たYUMEKIは、「動きが音を意識していない」「みんなの何十倍も練習してください」と厳しい言葉を投げかけた。その後の全体練習でもYUMEKIは「普段の練習室の感覚で踊ったら絶対にダメ。ポイント1個1個に集中して」「2回同じことを言わせないで」と喝を入れる。
YUMEKIが何度も口にしたのは、「殻を破ってほしい」という言葉だった。オーディションに何度も落ちて自分を出すことを恐れていた候補者にとって“最大の壁”を乗り越えてほしい――そんな言葉を彼は伝えていた。

中間発表の前日、トモキが全員をTAG ROOMのリビングに集めた。
彼は「俺はあんまり人を信じられない。人に対して開放するのが苦手。けど、チームをやっている以上、100%みんなを信じるしかない」と話し始める。自分はみんなを信じることしかできないから、その上で「わがままでいいから、自分ベースで話してほしい」「もっと自分に自信を持ってほしい」と涙ながらに本音を語り、そこにいる全員が自身の想いを打ち明けていく。
カイリは言葉を詰まらせながら不安な気持ちを語るも、最後に「僕はここでデビューしたいです」と告げた。ジェイは、スキル面への不安を感じ、「自分に居場所があるのか、グループにいていいのか思っていた」と吐露。そして「明日のパフォーマンスでは全部出せるように全力を尽くしたい」と語り、セイマも涙ながらに「僕は(本当は)7人でデビューしたいです」と力強く伝えた。
ダイスケは、自分が候補者たちから頼ることのできる存在になれていないことに「めちゃくちゃ劣等感を感じている」とこぼしながら、自分の弱い部分を知ることができたのはみんなのおかげだと感謝の言葉を続け、「ここにいるメンバーに命預けられる。強い意志を持って信頼し合ってぶちかますのがチームだと思っている」と熱く想いを伝えた。
シオンも、メンバーになって「5年、10年、15年先もやっていきたい」とデビュー後のビジョンを語り、ダイゴも「必ずここで夢掴んで本当の意味での最後の場所にしたい」と覚悟を話す。深夜から出発前まで練習を重ねた7人は、ここから中間発表に臨むことになる。
練習を経て、顔つきも変わった7人。ソロパートでは、それぞれが今持てる力を出し切ろうとする姿が見えた。ダンス初心者のジェイも、苦手なパートを克服していく姿勢を崩さない。表情がほぐれ、笑顔で踊るようになった変化が印象的だった。技術的な完成度以上に、荒削りであることさえ、彼らがこのパフォーマンスに全力を注いでいる証のように映った。
そんな7人を見て、YUMEKIは「1日でこんなに人って変われるって今のパフォーマンスで証明できた」と一人ひとりが課題に向き合った結果だと高く評価。ジェイについては、完璧じゃない部分もあるが「認めてあげたい」と思うパフォーマンスだったと語り、次のステップではそれぞれを“プロ”としての目線で見ていくと告げる。「気を引き締めてこないとまじでやられる」というその一言が、最終パフォーマンスの重みをはっきりと示していた。






























