乃木坂46、6期生加入後初の『紅白』で試される現在地 世代交代が形になった2025年の歩みを振り返る
6期生の本格始動、立て続く卒業を経ても崩れないグループの強度
そして2025年最大のトピックは、6期生の本格始動だろう。春組と夏組に分けて段階的に公開され、4月にはぴあアリーナMMで行われた初お披露目イベント『はじめまして、6期生です』でファンの前に立った。加入直後の緊張感と、前へ出ようとするまっすぐさ。6期生は夏の全国ツアーにも参加し、場数を踏みながら着実に存在感を増していった。
その流れを決定づけたのが、40thシングル表題曲「ビリヤニ」での瀬戸口心月と矢田萌華のWセンター起用だ。加入から間もない段階で表題曲のセンターを6期生に任せたことは、早期から新メンバーをグループの中心に置く方針をはっきり示したと言えるだろう。ここで重要だったのは、4期生、5期生のメンバーが前に立つ2人を支えるフォーメーションが組まれ、グループ全体で楽曲を成立させた点だ。
今年は卒業が続いたことで、メンバーの入れ替わりが一層目立った。与田祐希、佐藤楓、中村麗乃、久保史緒里に加え、松尾美佑と矢久保美緒もグループを離れる。寂しさはあるが、それでも活動の勢いが大きく落ちなかったのは、後輩たちが早い段階からツアーや歌番組などの大きな現場を経験し、次の役割を担える状態になっていたからだ。卒業で空いたポジションには新しいメンバーが入り、残ったメンバーも立ち位置を変えながらグループを支える。2025年の乃木坂46は、そうした入れ替わりを経ても形が崩れない強度を見せたように思う。
音楽以外でも、2025年の乃木坂46は存在感を広げた。特に目立ったのが、メンバーの俳優活動だ。5期生を中心にドラマ出演が続き、小川彩は『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)で主要キャストとして出演。五百城茉央は『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(カンテレ/フジテレビ系)で主演を務め、お茶の間にも名前を届けた。井上和や菅原咲月も、それぞれドラマで重要な役どころに挑戦。夏には梅澤美波が映画『九龍ジェネリックロマンス』に出演し、秋には岩本蓮加と冨里奈央が『ふたりエスケープ』(テレビ大阪)でW主演を務めるなど、音楽番組以外のフィールドでも乃木坂46の名前を見かける機会が増え、グループの広がりを実感させた。
変わり続けることで、変わらずにいられる。2025年の乃木坂46は、その難しいバランスを、数々の具体的な出来事を通してで示してきた。『紅白』はその集大成であり、同時に次の1年へのスタートラインでもある。新体制のあり方が鮮明になった今、乃木坂46の物語はむしろ、ここからさらに加速していくだろう。
※1:https://www.nogizaka46.com/s/n46/diary/detail/104102
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2377144/full/
※3:https://www.oricon.co.jp/news/2399366/full/
※4:https://www.oricon.co.jp/news/2422093/full/