INI、DXTEEN、MAZZEL、M!LKらボーイズグループがバイラルチャート席巻 個性豊かなヒット曲の存在が示すもの
一方、5位のM!LK「好きすぎて滅!」は、笑いと中毒性で広がったタイプのヒットである。「あなたが好きすぎて、存在ごと消えちゃいそう」という極端な恋心をポップでファニーな歌謡曲風ラブソングに落とし込んだナンバーだ。〈好きすぎて滅!〉という強烈なフレーズとキャッチーなサビがSNSで爆発的に拡散し、MVはすでに850万回再生を突破。メンバー自らがレクチャーする振り付け動画や“滅ネタ”をSNSで発信することでユーザー参加型のムーブメントを生み出し、キャリア10年の柔軟さを証明してみせた。
4位のMAZZEL「Only You」は、他の上位曲とは対照的に、静かな余韻で聴かせるミディアムバラード。BMSG所属の8人組として2023年にデビューした彼らが届けたこの曲は、会えない時間の不安や切なさをテーマにしたR&B調のJ-POPバラードで、メンバーのNAOYA出演のドラマ『セラピーゲーム』(日本テレビ系)のエンディングテーマでもある。ビートを抑えた繊細なアレンジがボーカルのハーモニーとメロディの線を際立たせ、これまでの力強いダンスチューンとは違う、柔らかな歌唱の魅力を引き出している。NOPPO(s**t kingz)が振り付けを手がけ、MVも含めパフォーマンス全体で楽曲の物語性を丁寧に描き出した一曲である。
このように、一週間のチャートの中で、同じボーイズグループでありながら、冬のR&Bポップ、青春ラブソング、ファニーなSNS発のヒット、エモーショナルなバラードというまったく異なる4曲が並んでいる構図は、いまの日本のボーイズグループシーンの多様性を象徴している。彼らのようなコンセプトも背景も異なるグループが、同じバイラルチャートで同時に存在感を放っていること自体が、その証左と言えるだろう。ジャンルや文脈の境界がゆるやかになった現在、こうした多彩なボーイズグループの楽曲がどのように受け取られ、これからどんな形でチャートを賑わせていくのか。来週以降の動きも含めて、引き続き注視していきたい。
※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2025-11-26
























