Number_iは〈君〉を乗せて旅を続ける 新曲「LAVALAVA」で表明する“先に進んでいく”という覚悟

Number_i、新曲「LAVALAVA」レビュー

 Number_iが、12月1日に『No.Ⅱ (Deluxe)』を配信リリースした。

『No.Ⅱ (Deluxe)』ジャケット写真(ⒸTOBE Co., Ltd.)
『No.Ⅱ (Deluxe)』ジャケット写真(ⒸTOBE Co., Ltd.)

 本作品は、9月22日にリリースされた2ndフルアルバム『No.Ⅱ』に新曲の「LAVALAVA」を追加したデラックス盤。『No.Ⅱ』は、10月1日公開のBillboard JAPAN総合アルバムチャート「Hot Albums」で初週1位を獲得(※1)し、本稿執筆(12月1日)時点で9週連続TOP5入りを果たすなど、ロングヒットを記録している。

 デラックス盤で新たに追加された「LAVALAVA」は、『No.Ⅱ』に収録された既存の16曲とはまたひと味違う、アルバムに新たな解釈を与え、作品を爽やかに彩ってくれるようなナンバーだ。作詞はPecori(ODD Foot Works)、作編曲はメンバーとMONJOE(DATS)、SHUN(FIVE NEW OLD)による共作で、『No.Ⅱ』の収録曲を含むNumber_iの楽曲ではもはやお馴染みの布陣によるもの。2ステップの小気味よいリズム、浮遊感のあるシンセが加わったトラック上で、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太のマイクリレーが繰り広げられる。Number_iの楽曲といえば複雑な展開を見せるものも多いが、今回は比較的シンプルだ。洗練されたサウンドからは、軽やかに進み続けているようでいて、それと同時にどこかを漂っているような感覚も覚える。

Number_i - LAVALAVA (Official Visualizer)

 グループの公式YouTubeで公開されたビジュアライザーは、海沿いや夜道などを1台の車が走っていくものだ。映像とあわせて曲を聴くと、果てしなく続く道を期待と不安をともに抱えながら車で駆け抜けていくようで、そんな“旅”を思わせるようなコンセプトがアルバム『No.Ⅱ』の世界観とも繋がってくる。また、平野が歌う〈あの日の後悔/すべてが青ZONE〉も、同アルバム収録の「ATAMI」に登場するフレーズだ。

 歌詞を掘り下げていくと、〈これはレースらしい/よそ見運転なし〉〈笑えたり笑えなかったり/うざいほど周る/愛したり愛されなかったり/を繰り返してる〉と、現実を車の運転に喩えているような節が見られる。助手席に〈君〉を乗せ、主人公は〈やっぱ興味がないレーシング/なら横目で見つめるベイビー〉と唱える。勝ち負けよりも大切なものがあると、彼らに教えられているようである。

 Number_iが歌ってきたことは、デビューから一貫している。自分たちを見ていてほしいという願い。そして、そばにいてくれるのなら自分たちからは絶対に手を離さないという覚悟。定められた道を走るのではなく、どこに続くか予想もつかない道を手探りでドライブするように進んできたのがNumber_iだ。活動を通して、さまざまな景色を見せながら私たちを楽しませてくれた。こうした関係性への切実な想いが、彼らの歌にはたびたび滲んでいる。

 「LAVALAVA」もまた、グループの今後とファンとの繋がりを歌った楽曲なのではないかと思う。1stフルアルバム『No.Ⅰ』リリース後にも、新曲「HIRAKEGOMA」を追加収録した『No.Ⅰ (Deluxe)』をちょうど昨年の今頃に発表したNumber_i。1年目から2年目へ新しく扉を開いたあと、「LAVALAVA」は2年目から3年目へと、さらに遠くへ向かっていくための歌なのだ。

 先の景色がまだ見えないからこそ、面白いものに出会えるかもしれないという期待が生まれる。まもなくデビュー3年目を迎えるNumber_iの旅路。この先も彼らは、私たちに“i=愛”を届け続けてくれるだろう。

※1:https://www.billboard-japan.com/chart_insight/

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