Number_iは、なぜ“ロングヒット”を連発できるのか 平野紫耀&神宮寺勇太&岸優太が実現した長く楽しめる作品づくり
Number_iの2ndフルアルバム『No.Ⅱ』がロングヒットを記録している。9月22日にリリースされた本作は、発売初週にあたる10月1日公開のBillboard JAPAN総合アルバム・チャート「Hot Albums」で首位を獲得(※1)。翌週も1位をキープ(※2)し、本稿執筆時点(11月14日現在)で同チャートへの7週連続トップ5入りを果たした(※3)。
『No.Ⅱ』に限らず、Number_iの作品はこれまでにもロングヒットを重ねてきた。
たとえば、1stフルアルバム『No.I』は昨年9月のリリースながらも、2025年上半期のBillboard JAPAN総合アルバムチャート「Hot Albums」で5位を記録(※4)。また、ミニアルバム『No.O -ring-』のリードトラック「BON」は、1年以上にわたってSpotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」にランクインし続けるなど、異例の快挙を達成した。
音楽トレンドも移り変わりが激しい現代で、このようにロングヒットを連発させることは決して容易ではない。なぜ、Number_iの作品はどれも長く愛され続けるのだろうか。
理由のひとつに、繰り返し聴いても飽きのこない楽曲作りが挙げられるだろう。Number_iの作品の多くは、メンバーの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太と、MONJOE、Pecori、SHUNのタッグによって生まれてきた。先述の「BON」でいえば、プロデュースを担当した平野による「世界でも有名な盆栽を成長していく自分たちに喩える」というアイデアから広がっていき、“盆栽”にちなんだ和のテイストと、デビュー曲の「GOAT」から貫かれているHIPHOPサウンドが融合した楽曲が完成した。和楽器の音色を響かせながら、次々とシーンが切り替わるように進んでいく独創的なサウンドは、何度聴いても面白みがある。
個人的に、Number_iの楽曲は毎回初めて聴いたときの衝撃も大きいが、聴けば聴くほど味わいが深まっていく印象がある。展開の妙や緻密な音の配置、歌詞の一つひとつも、リピートするたびに新しい発見があるのだ。付け加えれば、毎回ほかの作品との関連要素が散りばめられているなど、考察性の高いMVも同様である。3人の「自分たちにしか作れないものを作りたい」という趣旨の発言をよく耳にするが、そうした彼らのこだわりが、何回聴いても楽しめる作品の誕生に繋がっているのだろう。
また、ライブや音楽番組でのパフォーマンスの影響も大きいと思う。ダンスや演出などの視覚的な表現が加わることで、楽曲の持つイメージがより鮮明に浮かび上がるためだ。11月1日に放送された『Venue101 Presents Number_i THE LiVE』(NHK総合)でも『No.Ⅱ』の収録曲が多く披露されたが、「GOD_i」では複数人のダンサーも交えて壮大さを高めていたり、「2OMBIE」でも歌詞に合ったダンスと照明の変化で怪しげな空気を色濃くさせたりと、楽曲の世界観を拡張するための工夫が見られた。彼らのステージングに魅了され、あらためてアルバムを聴き返した人も多かったはず。楽曲単体だけでなく、こうしたパフォーマンスによって作品の魅力を2倍、3倍にも膨らませられるのも、Number_iの強みだと思う。
自分たちの感性を信じ、スキルも磨きながら、音楽と向き合ってきたNumber_i。その姿勢がリスナーにもしっかりと伝わっていることの証明が、この数々のロングヒットであり、『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出場決定だろう。今の音楽シーンにおいて特別な輝きを放つ彼らの活躍から、目が離せない。
※1:https://www.billboard-japan.com/chart_insight/
※2:https://www.billboard-japan.com/chart_insight/
※3:https://www.billboard-japan.com/chart_insight/
※4:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/150113
























