藤原ヒロシの韓国レーベル加入から、IUの特別パフォーマンス映像まで――韓国トレンドレポート 2025年11月号
K-POPや韓国ドラマにとどまらず、2025年の韓国カルチャーはアート、ファッション、フード、ストリートまで多彩な分野を横断し、グローバルでの存在感をさらに強めている。この連載では音楽・ファッション・食が交差する“今”の韓国を毎月スナップしていく。
10月の動きを追う今月号では、日本のストリートファッションシーンのレジェンド、藤原ヒロシの韓国レーベル「Beasts And Natives Alike」加入、Stray Kidsと「A BATHING APE®」によるコラボコレクションのリリース、JYP Entertainmentの総括プロデューサーであるパク・ジニョンの大衆文化交流委員会共同委員長就任、BLACKPINKのJENNIEによるハングルの日記念フォント「ZEN SERIF」の発表、そしてIUが楽曲「스물셋」のリリース10周年を記念して公開した特別パフォーマンス映像まで、注目の5トピックを通して韓国カルチャーの最前線を読み解く。
藤原ヒロシ、韓国のレーベル「BANA」に加入
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日本のストリートカルチャーの先駆者であり音楽プロデューサーの藤原ヒロシが、新たな音楽活動の拠点として韓国のインディーズレーベル兼クリエイティブ集団・Beasts And Natives Alike(BANA)に加入。BANAへの加入とともに自身のSoundCloudにて新曲デモ「kotoba」を公開し、新たなソロアルバムの制作に取り掛かると伝えた。
BANAは韓国の音楽、映像、ファッションなど多分野にまたがるクリエイター集団で、HIPHOPアーティストのBeenzinoをはじめ、歌手兼俳優として活動する元f(x)のKrystalのほか、「アカデミー賞」にノミネートされたピクサー出身アニメーターのエリック・オー、250(イオゴン)やFRNKといった気鋭のプロデューサー陣など、国内外で活躍する才能が多数所属している。特に、250は最近藤井 風のアルバム『Prema』を全曲プロデュースしたばかり。BANAは日韓をまたいだ注目のプロジェクトを生み出して、国際的なクリエイティブ拠点として台頭している背景が読み取れる。
藤原は、1980年代から東京・原宿を拠点にファッションと音楽を融合させ、世界的ブランドとのコラボレーションも数多く行うなど、その名はストリートカルチャーにおいて存在感を発揮してきた。彼が、2020年代のアジアを代表する韓国発の文化ハブであるBANAとタッグを組むことで、どのような化学反応を生み出すのか注目が集まっている。長年グローバルシーンをリードしてきた藤原が新天地で見せる一歩は、日韓の音楽カルチャー交流における新章の幕開けとも言えるだろう。
Stray Kidsと「A BATHING APE®︎」のコラボレーション
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Stray Kidsと東京発のストリートブランド「A BATHING APE®」がコラボレーションを発表した。限定カプセルコレクション「BAPE × Stray Kids」は、Stray Kidsの4thアルバム『KARMA』のリリースおよびワールドツアー『Stray Kids World Tour <dominATE:celebrATE>』のアンコール公演の成功を記念してローンチされた。
今回のコレクションは、両者の世界観を遊び心たっぷりに融合させたデザインが特徴だ。Stray Kidsのメンバーをモチーフにした可愛いキャラクター・SKZOOが、「A BATHING APE®」のアイコンであるBABY MILO®風に新たに描き起こされている。「A BATHING APE®」を象徴するシャークフーディは、各メンバーの個性を表すカラー迷彩とイニシャル刺繍が施され、サメの口元からキュートなSKZOOが覗く、遊び心満載の特別版だ。『BAPE STA™』スニーカーも、8人のメンバーカラーから着想を得た大胆なマルチカラーの配色に、SKZOOとBABY MILO®のキャラクターが描かれたシューレース用チャームが付属し、ファンが自分だけのアイテムをカスタマイズできる仕様となっている。
「BAPE × Stray Kids」は、10月29日からBAPE STORE®原宿をはじめ、日本各地の店舗および公式オンラインストアにて発売された。シャークフーディと『BAPE STA™』スニーカーは12月に別リリースする予定だ。
JYP Entertainmentのパク・ジニョン、大衆文化交流委員会の共同委員長に任命
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韓国音楽業界の重鎮とも言え、自身もアーティストとして活躍しながらJYP Entertainmentの創意性総括責任者(CCO)および社内取締役であり、代表プロデューサーであるパク・ジニョンが、韓国政府の新設機関・大衆文化交流委員会の共同委員長に任命された。現役のプロデューサー/アーティストが国の文化政策のトップに立つのは極めて異例である。ソウルで行われた発足式では、Stray KidsやLE SSERAFIMといったグループがステージを披露し、フェスティバルさながらの華やかな幕開けとなったことも話題を集めた。
パク・ジニョンは民間代表として文化体育観光部長官のチェ・フィヨンとともに共同委員長として委員会を率いる。委員会は、大衆音楽、ゲーム、ウェブ漫画&アニメーション、映画&映像、ライフスタイル、投資、政策という7つの分科で構成され、26人の民間委員が参加する。大衆音楽分科にはSM ENTERTAINMENT、HYBE、YG ENTERTAINMENT、JYP Entertainmentの代表が名を連ね、K-POPを代表する4大事務所の人物が揃う。ゲーム分科にはNEXON、NC SOFT、KRAFTONの代表、ウェブ漫画&アニメーション分科にはNAVER、Kakaoなどが参加した。
パク・ジニョンは、1990年代から第一線で活躍してきたアーティスト兼プロデューサーである。自らが歌手デビューした後、JYP Entertainmentを設立し、godやRain、Wonder Girls、2PM、GOT7、TWICE、Stray Kids、NiziUなど世代を代表するグループを次々と送り出してきた。さらに、53歳の今でも現役歌手として活躍中であり、11月5日にも新曲をリリースし、12月にはコンサートを開催予定。音楽制作からステージ、テレビ、政務まで、マルチに活躍している。






















