島爺×ろん、“神話 VS 神話”のせめぎ合い! 「革命デュアリズム」コラボで共振する歌い手の矜持

島爺×ろん「革命デュアリズム」

 歌い手としてニコニコ動画の黎明期から長きにわたって活動を続け、現在同じ事務所・Butai Entertainmentに所属する島爺とろんが、初のコラボカバー曲を完成させた。11月28日にデジタルリリースされたのは、水樹奈々×T.M.Revolutionによる革命的コラボ曲「革命デュアリズム」のカバーだ。

「革命デュアリズム」- 島爺×ろん(Cover)

 アグレッシブなロックサウンドとストリングスが鳴り響くなかで、妥協をしない島爺の叫びと、ろんの祈りがせめぎ合う。島爺の歌声に負けないため、レコーディングは普段の数倍の時間をかけて収録したと語るろん。そんな彼女が、とんでもない歌声を出してきた島爺に一言文句を言いたい(!)というところから端を発した今回の対談では、二人の出会いから「革命デュアリズム」の制作エピソード、そして今の歌い手シーンに対する印象まで、じっくりと語ってもらった。(小町碧音)

存在しているのかどうかも正直、疑わしくて(笑)。(島爺)

ーー島爺さんとろんさんが直接お話しされるのは、今回が初めてなんですよね。

島爺:初めてですね。

ろん:初めまして、島爺さん。

ーー活動時期で言うと、ろんさんが2008年、島爺さんがその後のスタートですよね。

島爺:僕は2011年ですね。

ろん:えっ、そうなんですか?

島爺:そう。だから僕はずっと、ろんさんのことを先輩やと思っていて。

ろん:やだ。そうなんですね。同じくらいかと思ってました。ろん、島爺より爺ってこと(笑)?

島爺:そうです(笑)。ニコニコ動画は、みなさんが替え歌だったり、まだボカロ曲を歌っていなかった頃から見ていて。そのなかで、ろんさんを知ったのは、「おちゃめ機能」の歌ってみた動画からでした。それこそ、化け物のような数字を叩き出していたのが印象的で。ただただすごい人やなと思って遠くから眺めていただけですけど。声がめっちゃ可愛くて、いい声やなと思っていました。

ろん:照れる(笑)。島爺さんが出てきた頃の歌い手ってジャンルがあったんですよ。ガチウマ界隈、ネタ界隈、可愛い界隈、イケボ界隈みたいに細分化されていて。その中で言うと、島爺さんは完全に“歌うま界”なんですよ。同じ歌い手だけど、アーティストに見えていたというか。当時はろんを含めて「どれだけネタに走れるか」路線の曲も多かったんですよね。でもそこに、島爺さんが出てきたことで、歌が上手い人達がその後に続いていった気がします。

おちゃめ機能 歌った

ーーろんさんが最初に触れた島爺さんの曲は何だったか覚えていますか?

ろん:もちろん「ブリキノダンス」は知っていたのですが、ニコニコ動画のランキングによく出てきた島爺さんの曲って何でしたっけ?

島爺:P.I.N.A.さんの「ラットが死んだ」か、Neruさんの「少年少女カメレオンシンプトム」か。それまでの活動と比べたら急に数字が増えた曲ですね。

ろん:多分、その辺から聴いていたと思います。

ブリキノダンス (New Vocal ver.) うたった【SymaG/島爺】

ーー島爺さんと同じ事務所に、ろんさんが所属されたのは今年になってからですよね。

ろん:そうです。事務所の社長さんには1stアルバムの制作時からずっとお世話になっていたんですよ。信頼していたので、誘われた時は、二つ返事でOKしました。

ーー歌い手としてのキャリアも長いお二人ですが、同じ事務所に所属していて、似通っていると感じるところはありますか?

島爺:僕はマイペースで、人の言うことを聞かなくて。無理だって思ったことは無理なタイプなんですけど(笑)。なんとなく、ろんさんもマイペースっぽいところがありそうだなと。ただ、ろんさんとは一度もお会いしたことがないので、いまだにちゃんと存在しているのかどうかも正直、疑わしくて(笑)。

ろん:ポリシー上、誰とも会ったことがないので交友関係も広くなくて。歌い手界隈のこともあんまり分からないです。でも確かにろんも全然やりたいことしかできないですね。

ーー今回のコラボは、どういう流れで決まったんでしょうか。

島爺:事務所社長の発案ですね。初コラボだったので、掛け合いが激しい曲を歌ってほしかったみたいで。

ろん:その結果、ズタズタにされたんです……(笑)。

ーーその話は後でじっくり聞かせてください(笑)。

島爺:僕、この曲は前から歌ってみたい曲の1つやったんですよ。

ーー島爺さんは、西川貴教さんに強く影響を受けていると伺っていました。

島爺:そうです。もともとバンドでボーカルをやりたいなと思ったきっかけが、西川さんの曲でした。かっこいいロックな歌い方は、西川さん経由で知りましたから。

ろん:ビブラートの仕方が西川さんに似ているなと思っていました。今回、かなり寄せていましたか?

島爺:ビブラートは寄せましたね。ただ、「革命デュアリズム」は女声とコラボしない限りは歌えない曲なので、歌う機会はないだろうなと諦めていたんですよ。

ろん:島婆ちゃんっていないんですか? 昔よく、一人何役みたいなのが流行ったじゃないですか。

島爺:僕、女声ができないので。

ろん:聴いてみたいですけどね。島爺さんと島婆さん。

島爺:少し無理があるかなー(笑)。なので、今回、ろんさんと一緒に歌えて良かったです。

水樹奈々×T.M.Revolution「革命デュアリズム」MUSIC VIDEO(Full ver.)

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