BLACKPINKの完全体カムバックから、異色コラボまで――韓国トレンドレポート 2025年8月号
K-POPや韓国ドラマにとどまらず、2025年の韓国カルチャーはアート、ファッション、フード、ストリートまで多彩な分野を横断し、グローバルでの存在感をさらに強めている。この連載では音楽・ファッション・食が交差する“今”の韓国を毎月スナップしていく。
7月の動きを追う今月号では、約2年8カ月ぶりに4人揃ったBLACKPINKの完全体カムバック、ADERERRORとConverseによる「Significant Chuck 70」のリリース、老舗ブランドPORTERの釜山初上陸と限定「Grocery Bag」、CHANEL×Friezeによる韓国アーティスト支援プログラム「Now & Next」第4期の発表、そしてaespaと『PUBG: BATTLEGROUNDS』の異色コラボまで、注目の5トピックを通して2025年7月の韓国カルチャー最前線を読み解く。
BLACKPINK、約2年8カ月ぶりに“スーパーグループ”として完全体カムバック
BLACKPINKが7月11日に「JUMP」をリリース。約2年8カ月ぶりに4人揃っての完全体でのカムバックを果たした。各メンバーがソロ活動を通じてグローバルで成果を積み重ね、個々の存在感を一層拡大させたうえでの再集結だけに、今回のカムバックは単なる“復帰”以上の意味を持つ。ソロでの活動があまりにも爆発的人気なこともあり、「完全体での再始動は難しいのでは?」と危ぶむ声も一部にはあったが、その不安を打ち消すように、4人は同じステージに立ったのだ。
リリースに先立ってカムバックの口火を切ったのは、7月5〜6日に高陽総合運動場メインスタジアムで行われたワールドツアー『BLACKPINK WORLD TOUR 』の初日公演。世界的評価を確立した4人が再びBLACKPINKとして同じステージに立った瞬間――その光景は、グループが持つ唯一無二の存在感を改めて証明した。このステージでは、「JUMP」を初披露。1997年のトラック「Meet Her at the Love Parade」をサンプリングしたグループ初のハードテクノ路線で、プロデュースにはDiploとTEDDYが参加。MV演出はDave Meyers、振付は1MILLIONのLia Kimが担当し、楽曲と映像とパフォーマンスの三位一体でBLACKPINKの“今”を描き出した。
今回の「DEADLINE」はグループ初の本格スタジアムツアーとして、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、パリ、バンコクなど世界16都市で計33公演を予定。日本でも2026年1月16日から東京ドームで3日間の公演が決定しており、BLACKPINKの新章を告げる象徴的な瞬間として、グローバルな注目を一層集めている。
「ADERERROR」×「Converse」とのコラボ「Significant Chuck 70」リリース
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「Converse」と韓国発のブランド「ADERERROR」による4度目のコラボレーションで、新作『Converse × ADERERROR Significant Chuck 70』が登場した。同ブランドのコンテンポラリーライン『Significant』のミニマルな美学を軸に、クラシックな『Chuck 70』を現代的に再構築した意欲的な一足だ。スニーカーに加え、アパレルやアクセサリーも含むカプセルコレクションとしてにローンチされた。
ディテールにも独自性が光る。アッパーには切り取ったようなカッティングキャンバスのオーバーレイと三重ステッチを採用し、立体感ある仕上がりに。サイドの刺繍グラフィックはアクセントを添え、カスタムのソックライナーやツートーンのシューレースピンなど細部までこだわり抜かれている。象徴的な“ADERブルー”の差し色と、控えめなヴィンテージ加工が、単なるコラボにとどまらない完成度を示している。
「ADERERROR」はこれまでにも「ZARA」や「Bang & Olufsen」とのコラボで評価を高め、グローバルブランドとしての地位を築いてきた。日本市場にも進出を加速しており、阪急うめだ本店や神戸店での展開に続き、8月には東京のストアをオープン。今回のChuck 70も日本国内の店舗でリリースされ、韓国のみならず日本のファッションシーンにおいても存在感を一層強めている。























