&TEAM、韓国デビュー前夜に日本のLUNÉとドームライブを約束 アジアツアー最終公演を観て

&TEAMが5月より開催した、自身初のアジアツアー『2025 &TEAM CONCERT TOUR 'AWAKEN THE BLOODLINE'』。日本各地とバンコク、ソウル、ジャカルタ、台北、香港を巡った後、10月25日、26日に再び彼らが日本に帰ってきた。2日間にわたり、埼玉・さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)で行われたアンコール公演。約16万人を動員したツアーの正真正銘のフィナーレであり、10月28日に控えた韓国デビュー前夜の意味を持つ公演でもあった。
&TEAM、ツアーでの成長を見せる熱いステージに

場内が暗くなると、LUNÉ(ファンの呼称)が掲げるペンライトが順に赤く光り出す。赤い波が会場の前から後ろへと大きく広がっていった後、満月を模した巨大なセットから9人が姿を現した。1曲目の「Go in Blind (月狼)」は、グループ初のミリオン認定を達成した3rdシングルのタイトル曲。話題となった目隠しをして踊るサビも含めて、&TEAMの魅力のひとつである一糸乱れぬダンスパフォーマンスで序盤から会場を盛り上げた。
今回のさいたまスーパーアリーナは、彼らにとって自身最大規模の会場。「Beat the odds」では旗を掲げたダンサーが左右にズラリと並び、広いステージを活かした迫力のある演出に圧倒させられた。



その一方で、どんなに会場が広くなっても“LUNÉと一緒にライブを作ること”を大切にするメンバーの想いも、公演中には何度も感じられた。たとえば、制服風の衣装に着替えて届けられた「青嵐 (Aoarashi)」。メンバーは次々に客席へとマイクを向けてシンガロングを煽っていく。そこから続いた「Dropkick」では、曲の冒頭で飛んでくるナイトボールをMAKIが見事にキャッチ……とはならず、悔しさを滲ませる。「(ツアーを通して)初めてミスりました」と嘆くMAKIは、MCで再チャレンジをするものの、プレッシャーからかまたしても失敗。3度目の正直で成功を果たし、会場は大きな歓声に包まれた。
「Magic Hour」からはトロッコに乗り、アリーナを周りながらセンターステージへ。「バズ恋 (BUZZ LOVE)」でLUNÉへの愛を届けると、ゲームのような画面がスクリーンに表示された「チンチャおかしい」では、途中で「GAME OVER」という文字が表示されたのを合図に、メンバーに指名されたLUNÉが〈チンチャおかしい!〉のパートを歌うコーナーがスタートする。「最後はみんなで!」と、会場いっぱいに〈チンチャおかしい!〉の歌声が響きわたっていた。



「Blind Love」、「五月雨(Samidare)」で切ない歌声を聴かせた9人は、「Deer Hunter」でブラックのシックな衣装にチェンジ。YUMAが弓を射る演出が取り入れられていたほか、9人のクールかつ美しいダンスパフォーマンスがLUNÉたちを惹きつけていた。ステッキを用いてダンスを繰り広げた「Big好き(suki)」の後、「Run Wild」では楽曲の後半がEDM調のアレンジに。力強いビートに乗せてメンバーもLUNÉも大きく跳びはね、たちまちダンスフロアのような光景が広がる。加えて、「もっと熱くしますよ?」というNICHOLASの言葉から、メンバーもアリーナに降りてLUNÉと自由に踊るダンスチャレンジコーナーへと突入していった。



大盛り上がりの本編を締めくくったのは「FIREWORK」。LUNÉの掛け声が加わり、大勢のダンサーも一緒にパフォーマンスを繰り広げるなか、スクリーンには大量の花火が打ちあがる。そして、その花火のひとつのように金テープが発射。華やかなムードに包まれたところで、9人は再び巨大な満月へと姿を消していった。
暗闇に包まれたステージに、「今からLUNÉの声で満月にしてください」というメッセージが浮かび、会場に再び「FIREWORK」の音源が流れ出す。LUNÉのシンガロングが響きわたると、その声に反応するようにスクリーン上の月が次第に満ちていく。満月になった瞬間、「オオカミ系男子」が流れるとともに9人が再びトロッコに乗って登場した。
ツアーが終わってしまうことの名残惜しさと、まもなく迎える韓国デビューへの決意を語ったMCから、「LUNÉの皆さんに届けたい曲」と歌われたのは「三日月の願い」だった。気づくとペンライトが青く染まり、時折、金色の光が流れ星のように上から下へと流れていく。会場一帯が夜空に変わっていた。スクリーンにも無数の星が輝き、〈君は三日月 僕を照らす光/離れていても 輝いていられる〉と、これからも変わらない&TEAMとLUNÉの関係性を約束するように、優しい歌声が紡がれていく。
そこから軽快に届けられた「雪明かり (Yukiakari)」でツアーは大団円。と思いきや、LUNÉの歓声は止まらない。メンバーにもその声が届いたようで、「何かアンコールの声聞こえる?」「アイシング中なんだけど」というやり取りが聞こえてくる。会場が再び明るくなり、ステージに舞い戻った9人は「Magic Hour」「Big好き (suki)」「FIREWORK」を立て続けに披露。大歓声に包まれるなかで、Kがさらに「監督さん! もう1曲やりましょう!」と「Run Wild」のおかわりを提案。メンバーも客席に降りたり、ステージを縦横無尽に駆け回ったりしながら、どこまでも続いていくようなLUNÉとの楽しい時間を過ごしていった。
自身最大規模となったさいたまスーパーアリーナでのアンコール公演を含め、初のアジアツアーを完走した&TEAM。10月28日には韓国1stミニアルバム『Back to Life』をリリースし、韓国デビューを果たした。来年2月には、フロントマンのライアン・テダーが「Dropkick」のプロデュースに携わったことから、OneRepublicの来日公演にスペシャルゲストとして出演することも決まっている。
&TEAMはここからさらに、広い世界へと羽ばたいていくだろう。公演中に、「有言実行の星を持っている」というKが宣言した来年の目標は「ドームで会いましょう!」。今の彼らなら叶えられるはずだと、そう感じさせる一夜だった。

























