フィリピン発 SB19、日本でブレイク寸前? &TEAM・SKY-HI・ONE N' ONLYらとの交流から見える“要注目の理由”

2023年、「GENTO」のダンスチャレンジで一世を風靡したフィリピンのボーイズグループ・SB19。その名前を耳にしたことがある日本のリスナーも増えてきたことだろう。
2024年には『THE FIRST TAKE』にも登場し、瞬く間に480万回再生、17万いいねを突破。ダンスナンバーでありながら歌唱の安定感は揺るがず、カメラ一発撮りの緊張感の中で余裕を見せつけた。この反響は単なるバズではなく、“生歌でも魅せられる”という彼らの確かな実力の証だ。3万6千件を超えるコメント欄には、現地のファンから初見の視聴者までが集い、その中にはJ-POPやK-POPのボーイズグループファンの姿も多く見られる。実はSB19は、すでに日本で人気のボーイズグループとも深い縁を持ち始めているのだ。
そもそもSB19は、ジョシュ、パブロ、ステル、ケン、ジャスティンの5人で構成されるフィリピン出身のボーイズグループだ。2018年にデビューし、翌年に公開した「Go Up」がSNSを中心にバイラルヒット。以降、“P-POP”と呼ばれるフィリピンのポップスシーンでスターダムを駆け上がっている。
SB19の音楽性はポップを軸にしつつ、R&Bやヒップホップ、ラテン、ダンス、エレクトロなどを自在に取り込み、楽曲ごとに多彩な表情を見せるのが特徴だ。また、歌詞には自己肯定や努力、家族への想い、さらには彼ら自身のアイデンティティも盛り込まれ、彼らの経験とリンクしていることも多い。そのため聴き手にとっても共感しやすく、胸を打つのだ。
そんな彼らのファンダム名は“A'TIN”(エイティン/タガログ語で「わたしたちのもの」という意味)。世界中に広がるファンコミュニティは非常に熱量が高く、SNSを通じてSB19の活躍を日常的にサポートする姿勢は、日本で人気のボーイズグループファンにも通じるものがあるように思う。
SB19は、すでに日本のアーティストとのコラボレーションも果たしている。ケン(ソロ活動名:FELIP)は2024年、SKY-HIの楽曲「ID」に客演参加し、横浜で開催された『D.U.N.K. Showcase in K-Arena Yokohama』にもサプライズで登場。英語とタガログ語を織り交ぜた圧巻のフロウを披露する姿は、観客に鮮烈な印象を残している。
さらに、ステージ裏のトークでは、「今回このような場でパフォーマンスをするのは初めてで、ファンだけでなく新しい観客の前でパフォーマンスをする環境で(中略)本当に緊張してしまって」「でも“今日は全力を尽くそう”と自分に言い聞かせていました」とコメント。ともにステージに立ったSKY-HIやRYUKI(MAZZEL)、田中樹(SixTONES)からも、FELIPのキリングヴァースは称賛を受けていた。
また、SB19は2023年に『Asia Artist Awards』にて、&TEAMと「GENTO」で共演している。『THE FIRST TAKE』のコメント欄に&TEAMファンの声が多く寄せられていたのは、その繋がりゆえだろう。国を超えたコラボパフォーマンスは熱狂を生み、両チームの化学反応で同楽曲への注目を一層集めるきっかけとなった。このように、SB19は日本やアジアの人気グループとステージを分かち合い、ファン同士が交差する場を生んでいる。
FELIP×ONE N' ONLY特別対談 音楽と自分、そして夢について――シーンの最先端を歩む意味を語り合う
フィリピンのトップアーティストでもある5人組ボーイズグループ・SB19としても活動するFELIPと、6人組ダンス&ボーカルグルー…そんなFELIPとして、ケンは過去にリアルサウンドで、ONE N' ONLYと対談を果たしている。「GENTO」が国内でトレンドを生む前に、次に来るトレンドをリサーチするアーリーアダプターとしても定評があるHAYATOがいち早くTikTokで踊っていたことから、「みなさんが日本で『GENTO』を広めてくれたんですね。ありがとう!」と感謝を伝える場面もあった。
まだ日本国内では浸透しきっていないように見えるP-POPではあるが、このような活動もあり、SB19の存在は日本のボーイズグループファンコミュニティの間で耳早なリスナーの間ではよく知られた存在になっている。ただ知られているだけではなく、ここまで認知を得るに至った要因になったのは、ボーイズグループ市場が拡大する日本のコミュニティと、彼らの相性がいいからであるように感じる。
























