髙橋優斗、15歳からのアイドル活動で学んだ社長としての姿勢 ファンだけに頼らない商品開発も

横浜バニラ代表取締役社長CEO 髙橋優斗が『新商品発表会2025』に登壇。倍率10倍を超える応募の中から選ばれた来場者に新商品である「塩バニラクリーミーサブレ」をお披露目した。第一弾商品として「塩バニラフィナンシェ」を今年2月に販売すると、12時間で販売されたフィナンシェの最多個数でギネス世界記録を達成し、9月には横浜高島屋での常設店がオープン。会社としては合計約3.7億円の資金調達に成功と、この1年で大きな飛躍を遂げた。リアルサウンドでは、発表会を終えた直後の髙橋を直撃。もともと芸能界で活躍していた彼だからこその視点で見つめる会社の今、そしてこれからの展望について語ってもらった。(編集部)
髙橋優斗、アイドル活動から学んだ“仕事”との向き合い方


――会社設立から現在まで、かなり早いスピード感の中でさまざまな展開をしているように感じます。このスピード感は会社設立時に想定していたのでしょうか。
髙橋優斗(以下、髙橋):これくらいのスピードじゃないといけないと思っていました。何もわからない状態の中で始めたので、なんとか向き合いながらここまでこれたと思います。まだまだですけどね。課題ばかりです。スピード感も足りないし、中長期的な目標を達成するためにどれだけ無駄なことを省けるかが課題だと思っています。日々小さな失敗がありますし、それを反省しながらPDCAを回して、進めていければと考えてます。僕たちの目指す像としてはまだまだ足りないというのが正直なところです。
――会社設立前、髙橋さんはアイドルとして活動していて、現在のお仕事とは大きく離れた分野での挑戦だったと思いますが、アイドルとしての活動が活きる場面もあるのでしょうか。
髙橋:何かを常に考える姿勢ですね。コンサートやパフォーマンスもそうですが、自分のセンスというか、自分の考えを自己プロデュースする必要があって。しかも、それはかなり重要なものだったんです。そこに15歳の頃からしっかり向き合える環境にいたということは、すごく幸運なことだったと思います。例えば、クリエイティブな面――どういう風にデザインするかとか、どういう商品を出すかとか、そういった感性を磨いてきたという実感があります。

――今回の発表会では社員さんも登壇していましたし、想像以上に多くのスタッフが携わっているのだなと感じる場面も多かったです。
髙橋:前職では人を巻き込んで、人と触れ合うような場面も多かったので、そういった部分では活きてきたと思います。僕がいた環境では超一流のベテランの先輩たちが支えてくれていて、そういった方々とご一緒することも多かったので。それに、先輩だけではなく、事務所のスタッフさんたちにも基本的なことを教わりましたし。“仕事”というものへの向き合い方を丁寧に教えていただいた記憶が鮮明に残っています。そういう礼儀は、人とお話する際には前職の活動が活きているなと思いますね。時々丁寧すぎるというか、商談慣れしていない部分もあるんですけど(笑)。

――発表会は社長として堂々とした姿だったと思いますよ。
髙橋:本当ですか。でも、たしかに人前で話すことには慣れているので(笑)。
前職時代のファンに依存しない商品開発を

――(笑)。「塩バニラフィナンシェ」の販売も始まりましたが、やはり最初は髙橋さん自身をきっかけに商品を知る方も少なくなかったはずです。“横浜土産の新定番”を目指す上では、髙橋さんを知らないような方にも届ける必要があるかと思いますが、現時点ではどのような方に商品が届いていると分析していますか?
髙橋:お菓子業界全体が落ち込んでいるタイミングでは僕たちの会社の売り上げも当然落ちますし、では、そういう時にどういう仕組みを作れるか、どういう施策が当てはまるかということを日々考えています。私の前職時代を見てくださっていた方々が今も愛情を注いでくださって、熱心に応援していただいていることにはしっかり感謝しながらも、目指すべきは“横浜土産の新定番”なので、私のことを知らない方、横浜に初めて来たという方にも手にとってもらえるような商品開発に励んでいます。以前からファンでいてくださる方々だけに依存していたら、一過性のものにしかならないですよね。実際にデータをとってみると、新規顧客の流入は増えていたりもするんです。この1年間走り抜けた証として、今後の我々の計画なども形になっていくと思います。

――ここまで“爆進”してきた髙橋さんですが、そのエネルギーの根底には髙橋さんの地元である「横浜が好き」という気持ちがあると思います。横浜のどういった部分に魅力を感じるのでしょうか。
髙橋:横浜は私の生まれ故郷なんですよね。15歳の時に芸能活動を始めるまでは、横浜市民として東京への謎の対抗心みたいなものがあって(笑)。横浜で全てが完結しているんですよね。家族、友達、学校の先生……街のどこに行っても思い出が詰まっているし、港町のオシャレな感じとか、そういうところが好きですね。東京で働くようになってから「俺、横浜好きだったんだ」って気づいたんです。この街の空気が好きで、疲れてる時にふとベンチに座ると、いろいろな思い出がある場所だからほっとできる。僕は横浜のそういうところが好きで、この地で挑戦しているのかもしれません。何より、大好きな横浜DeNAベイスターズもありますし。次の世代として音楽もスポーツもあるこの街を引っ張っていける会社を作りたいと思っています。

――最後に、社長として次の1年の目標を教えてください。
髙橋:社員全員が自分の居場所を見つけられるようになるといいなと思います。毎日ワクワクしている状態を作れたら、社員も大きな挑戦がしたいと思えると思うんですよね。だから、全員が目標に向かってワクワクできる状態を作れるような社長になりたいです。




















