“生き様界隈”ミーマイナーが綴る本物の感情 美咲×さすけが語る『あくまで生活』、失恋や孤独を歌う理由

ミーマイナーが綴る“本物の感情”に迫る

 シンガーソングライターの美咲と、ボカロP・さすけを中心に結成されたバンド・ミーマイナーが、3rd EP『あくまで生活』をリリースした。リアルサウンド初登場となる本インタビューでは、ふたりの出会いから創作の裏側、「自分にしかできない音楽」への覚悟を語ってもらった。(編集部)

悩みや葛藤ーー自分の中の思いを曲にしたのが始まり(美咲)

ミーマイナー(撮影=堀内彩香)

──まずは、お二人が音楽を始めたきっかけから教えてください。

美咲:高校時代、学校に馴染めなくて、やることもなくて「どうしようかな」と思っていた時にアコギに出会ったんです。あまり誰かに何かを相談するタイプじゃなかったので、悩みや葛藤など自分の中の思いを曲にしたのが始まりです。

──ギターを始めたのは何がきっかけだったんですか?

美咲:家にアコギがあって。

──ご家族がギターをやられていた?

美咲:えっと、そういうわけでもなくて……。

さすけ:おじいちゃんが弾けるんだよね?

美咲:うん、ちょっとだけ。だけど、それくらいで。ピアノは3歳から習っていたので、ピアノは弾けるし、何か新しいことをやりたいなと思って手に取ったのがアコギだったという感じです。

──その頃、たとえば弾き語りをしているアーティストやシンガーソングライターの曲を聴いていたりは?

美咲:それもあまりなくて。誰かのカバーをしたくて始めたわけではなかったので、ギターを弾き始めた時からいきなり曲を書いていました。

──何かに憧れて始めたということではなく、吐き出したい思いがあって、家にアコギがあって、手に取ったと。

美咲:はい。有名になりたいとか、「この曲を誰かに聴いてほしい」という気持ちもなく。本当に、友達もいないし、暇だからギターで遊んでいたという感じですね。

ミーマイナー(撮影=堀内彩香)
美咲

──さすけさんの音楽遍歴も教えていただけますか?

さすけ:僕は、母がピアノの先生をやっていて、兄もバンドをやっていて、真似するように高校でバンドをやって、学祭に出て……みたいな、一番よくある形です(笑)。

──どういう音楽を好んで聴いていたのでしょう?

さすけ:ゴールデンボンバーさんです。高校生からコピーバンドもオリジナルバンドもやっていたんですけど、「まぁこんなもんか」と思ってしまって。そんな時にゴールデンボンバーさんにハマって「バンドでこんなことやってもいいんだ!」ってすごく可能性を感じたんです。それから、音楽をもっとやりたいと思うようになりました。

──その後、さすけさんは「もの憂げ」というボカロPを始めますが、そこではどのような音楽を?

さすけ:クリープハイプさんとかヨルシカさんに憧れて、そういう文学的な、歌詞に比重を置いた音楽を制作するようになりました。

──ゴールデンボンバーからはかなり離れましたね。

さすけ:はい。というのも、ゴールデンボンバーさんに憧れていた時に、コミックバンドをやっていたんです。そこで“音楽 × お笑い”はやり尽くしてしまって。そのバンドは2022年に解散してしまったんですが、そこで自分に残ったものが音楽スキルだけだった。じゃあそれを突き詰めてみようと思った時にハマったのがクリープハイプさんとかヨルシカさんだったので、その路線でボカロPを始めました。そこからは音楽性は変わっていないです。

ミーマイナー(撮影=堀内彩香)
さすけ

──もの憂げのボーカリストとして美咲さんがフィーチャリング参加したことをきっかけにミーマイナーが始まりました。ただ、美咲さんがバンドを組みたいと提案した際、さすけさんは一度反対したそうですね。実際にミーマイナーとして1年やってみていかがですか?

さすけ:僕はバンドをやっていた経験があるので、バンドの難しさを知っていたから……。バンドで売れるって本当に難しい時代だし、複数人が集まった時の人間関係の難しさも知っていたので「難しいよ」と言っていたんですけど……(美咲に向かって)どうだった?

美咲:私は音楽で何かを表現したいし、バンド以外にやりたいことがないし、どうしてもやりたいですって頼み続けました。

──そう言われたら、さすけさんとしてはもうバンドを組むしかないですよね(笑)。

さすけ:そうなんです。「2、3人のお客さんの前で、ノルマを払ってバイトしながらやるんだぜ?」とか言って。

美咲:「人間関係も大変だし」とかいろいろ言われたんですけど、「それでもやる!」って言って。そしたらありがたいことに1年続きました!

さすけ:はじめは反対していたんですけど、蓋を開けてみたら、僕の知っているバンドとは違って。

美咲:そうなんだ。

さすけ:うん、最初から反響がものすごく良かった。だからもうこの流れに乗っからせてもらおうと思ってここまでやってきました(笑)。

美咲:私は誰でもいいからバンドがやりたかったわけじゃなくて、さすけさんの音楽性に惹かれて、さすけさんと一緒にバンドがやりたかったので、自分の好きなことができて嬉しくて。それこそ、ミーマイナーではもの憂げの曲もやっているので、リスナーとして好きだった曲を自分がボーカルとして歌えるのもすごく嬉しいし、コミックバンド時代のバズらせ力も見ていたので、「それをミーマイナーでも使って!」と思いながら(笑)。さすけさんと2人だったから、ここまでこられたんだろうなとは思います。

ミーマイナー(撮影=堀内彩香)

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