『Boosty ファンまつり2025』は“デジタルとリアルの交差点” HKT48、NGT48ら大集結――祝祭の2日間を振り返る

『Boosty ファンまつり2025』レポ

 2日目も、特設ステージでは「HKT48 vs NGT48 ミニ運動会」や各期生トークステージが行われ、笑いと発見にあふれた時間となった。ライブは、Bellemule from 電音部の完成度の高いパフォーマンスから幕を開けた。バーチャルとリアルを横断する彼女たちの世界観は、緻密に構築されたサウンドとダンスで具現化され、オープニングにふさわしい華やかさを放っていた。デジタルカルチャー発のユニットながら、生身のステージで観客を引き込む説得力は強く、会場全体が瞬時に彼女たちの空気に染まっていくのを感じた。

©Boosty

 続いて登場したSUPER☆GiRLSは、結成15年を迎えるアイドルグループとしてのキャリアを堂々と示す。「女子力←パラダイス」や「ラブサマ!!!」といったキラーチューンが並ぶセットリストは、まさに夏フェスの華。キラキラと弾ける笑顔や振り付けは王道アイドルの魅力を余すことなく伝え、開演直後から観客の熱を一気に引き上げていった。筆者の近くでも、サビごとに声を合わせるファンの姿が目に入り、世代を超えて共有される楽曲の力を実感した。

 そんな多彩な幕開けを経て、HKT48とNGT48の合同ステージへとバトンが繋がれていく。「ぶっ倒れるまで」「春はどこから来るのか?」を皮切りに、チームごとの代表曲が次々と披露された。チームHは「控えめ I love you!」、チームKIVは「ビーサンはなぜなくなるのか?」、NGT48研究生は「Awesome」、HKT48の7期生は「Chain of love」。各世代がリレーのようにステージを繋いでいく構成が、グループの歴史と未来を一望させてくれる時間だった。

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 特に大きな話題を呼んだのが、撮影可能タイムで披露された「君のことが好きだから」。メンバーが客席に降りて至近距離で交流し、ファンは一斉にカメラやスマホを構えた。NGT48の清司麗菜は「この『Boosty ファンまつり』を通してライブを観て、私のパフォーマンスを見つけてくれて、そこから新潟に通い始めてくださった方がいたり、そうやってグループの垣根を越えて新潟に足を運んでくださるってことが本当に『Boosty ファンまつり』ならではだなと思った」と語り、ファンの新しい動きを実感していた。

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 ライブ後半では、HKT48とNGT48が互いの代表曲を交換するという粋な演出が行われた。HKT48が「青春時計」、NGT48が「メロンジュース」をパフォーマンスし、会場から大きな歓声が上がる。さらに「思い出をゼロにして」「大人列車」「君とどこかへ行きたい」と続き、アンコールでは「シャーベットピンク」「早送りカレンダー」「MAXとき315号」を全員で歌い上げた。ラストの「最高かよ」では、HKT48とNGT48が完全にひとつとなり、観客を巻き込んだクライマックスに到達。藤崎未夢は「このライブが昨年に引き続き、HKT48さんと一緒に出させていただいて、去年よりも距離感が縮まってすごく一体感が生まれたステージになったのではないかなと思います」と振り返り、2日間の祭典を締めくくった。

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 『Boosty ファンまつり2025』は、アイドルとファンの新しい関係性を示した2日間だった。横浜BUNTAIから有明GYM-EXへと会場を拡大して迎えた今回の開催は、プラットフォームを通じて積み重ねられた時間がリアルな場で結実した証でもある。特に「ソロステージ争奪戦」や撮影可能タイム、客席に降りてのパフォーマンスは、ファンをただの観客ではなく、一緒に物語をつくる仲間として位置づける仕掛けだったように思う。さらに、HKT48とNGT48が互いの代表曲を交換して披露する姿は、グループや地域を越えてつながる歓びを体現するものだった。

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 デジタルとリアルを往復しながら、ファンとアイドルがともに未来を描く場所。『Boosty ファンまつり2025』が映し出したのは、そのたしかな手応えだ。次の一歩へと続いていくこの風景こそが、最大の成果であり、新しいエンターテインメントのかたちを予感させるものだった。

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