SixTONES、コントのクオリティが高すぎる 『ワロタ!』を成功に導いたメンバー&スタッフ陣の本気
7月18日から隔週金曜に配信されているSixTONESのコント番組『ワロタ!』(Prime Video)。毎回、SixTONESのメンバーが本格的なコントに挑戦する番組だ。俳優、お笑い芸人、作家らをゲストに迎え、一緒に彼らのコントを見ながらトークを交わすなど、“SixTONES×コント”をとことん楽しめる番組だ。これまでに5回配信され、9月26日配信の6回目でシーズン1の最終回を迎えた。
初回のゲストに俳優の渡辺いっけいを迎えたのを皮切りに、TEAM NACS・戸次重幸、ハナコ・秋山寛貴、南果歩、スペシャルゲストライターには上田誠、黒谷友香、上田航平と豪華な面々が登場。スタジオコントで共演したり、作家として制作側に徹したりとスタンスはさまざまながら、お笑いの一線で活躍する制作陣が名を連ねるなど、SixTONESのコントにどっぷりと浸る機会となった。
『ワロタ!』が持つ没入感
本番組の面白さとして、まず配信番組特有の没入感が挙げられる。番組冒頭は6人だけがスタジオでトークを交わしていたこともあり、ファンとしてもメンバー全員が揃ってトークを交わし、ファンが見たい場面を見せてくれたことも大きいだろう。そして、通常のテレビ番組の構成とは異なり、一つのコントを一気に視聴できることも独自の没入感をもたらした。1作ごとに感想を言い合ったり、ゲスト陣らから裏話が飛び出したりと、1作をじっくりと噛みしめて味わう、“浸れる余韻”があったのも大きいだろう。
演技力がコントをより濃く
そしてなんと言っても、SixTONESの6人の個性と演技力がコントをより濃いものにしていた。SixTONESのYouTubeチャンネルの動画も伝わるように、彼らの個性際立つ面白さはジュニア時代からよく知られてきたが、そこへメンバー全員が舞台やドラマ、映画などで磨き上げてきた演技力が重なり、見ごたえのあるコントにつながった。
SixTONESのコント番組が始まると聞いて、面白さは約束されたも同然ではあったが、ファンの想像をも超えるメンバーの奮闘ぶりには驚かされた。#1の予告の時点から注目を集めたのが、ギャルとギャル男に扮したジェシーと京本大我。派手なビジュアルに加え、すっかり板についたギャルのノリで笑いをもたらした。同じく初回で渡辺とコントを繰り広げた田中樹の姿もまた新鮮そのものだった。#1から続き、ついに#5で意外な結末を迎えたコント「桃太郎」では、見るからにまっすぐな松村北斗の桃太郎としての存在感と京本の対比、髙地優吾の飄々とした様子も笑いを誘った。最後に参加した森本慎太郎のあきらかな違和感など、何層にも面白さを重ねていったのもメンバーがいるからこそ。
「まさかこんな姿が見られるとは!」という大きな驚きをもたらしたコントが多かったが、#3で披露した「孫みたいなもん」もその一つではないだろうか。髙地が駆け出しの芸人役で、5人のメンバーが扮したのはそんな彼を孫のように可愛がる年配男性役。まさか5人の“おじいちゃん”の姿が見られるとは思ってもいなかった上に、普段のキャラクターを踏襲したおじいちゃんを演じる、その振り切りっぷりには感心させられた。
SixTONESの実力は演技にとどまらず、ラジオ番組で展開されるような軽快なトークでも発揮されていた。そんなトーク力と演技を掛け合わせたリズミカルなコントも見られ、松村と森本の掛け合いで引き込んだ「マツピン」では、メンバーだからこその暴露的なネタを盛り込み、内輪ウケにとどまらない笑いのネタへと昇華。また、ゲーム要素が盛り込まれた「SAT」では、メンバーも語っていたように、時間が迫る中、目が泳ぐリアルな姿までもを面白さに変えた。
俳優としての仕事で鍛えてきた発声や細やかな表情の動き、アーティストとしてのパフォーマンスで鍛えられたリズミカルな動きというさまざまな武器をベースに、“コント仕立て”ではない、まさに“ザ・コント”と呼べるものが完成していったのだ。配信番組という形でお笑い芸人とはまた一味違ったSixTONES流のコントを見せてくれた。また、メンバーのコントを受けて「自分もやってみたい」という声が聞こえてきたことも印象的で、コントの面白さを体感したのか、俳優魂がうずいたのか、彼らの声に「この番組の未来は明るい!」と感じずにはいられなかった。
さて、シーズン1の最終回を迎えた『ワロタ!』。ラストを飾るのは三木聡監督が撮影するコメディ作品だった。三木監督といえば映画作品はもちろんのこと、これまでにさまざまな有名バラエティ番組に携わってきた名手としても知られている。番組公式X(旧Twitter)では、コントにしては珍しく先に相関図が公開になるなど、新作映画やドラマさながらの雰囲気が漂っていた。そんなクリエイティブの端々からも伝わるメンバーやスタッフ陣の“本気”の取り組みが、SixTONESだからこそ実現した本格コントを作り上げている。
この番組が続くことを願うのはもちろん、毎度いろいろなキャラクターに扮するメンバーの姿に、新たな映画やドラマ、舞台などにつながったり、6人全員による映像作品が誕生したりする未来を想像してしまうのは、きっと筆者だけではないだろう。





















