Aぇ! group、映像作品『D.N.A』から見えるグループの真髄 5人が示した“今の到達点”、圧巻のライブ力を徹底解説

関西発の5人組グループ・Aぇ! groupが、『Aぇ! group LIVE TOUR 2025 D.N.A』のBlu-ray/DVDを9月24日にリリースした。本作は今年2月から5月にかけて全国7都市30公演を行い、36万人を動員したアリーナツアーから、横浜アリーナ公演の模様を収録したライブ版。アンコールを含む全27曲が、初めてAぇ! groupの楽曲のみで構成されたステージとなっており、メンバーの末澤誠也が演出を担当した。圧巻のダンスパフォーマンスだけでなく、歌唱力や表現力の高さを存分に発揮した楽曲や華やかなアイドルソング、エネルギッシュなバンドサウンド、そして関西をホームとする彼ららしいコミカルなやりとりなど、文字通りAぇ! groupの魅力を全て詰め込んだような作品となっている。
発売に先駆け、9月7日のYouTubeの生配信では、「#あなたが1番見せたいAぇLIVE」と題して行ったファン投票のTOP10を発表。1位となった「常夜灯」は現在フルサイズで公開されているが、本作にはほかにも注目すべき楽曲が目白押し。そこで、筆者が特に心惹かれたパフォーマンスを以下で徹底解説する。いずれもライブならではの臨場感にあふれた名シーンばかり。ぜひ鑑賞の参考にしてほしい。
「Colorful Days」
キラキラの紙吹雪の舞う中、カラフルな衣装に身を包んだ5人が登場。イントロから心が浮き立つようなホーンセクションのサウンドにのせ、華麗なステップを披露する。楽曲自体は明るく多幸感に満ちた王道のアイドルソング。付き合いたての恋人へのあふれる愛情や幸せな時間を思い描いてひとりキュンキュンするような歌詞に合わせ、振り付けもエレガントでキュート。時折、ウィンクしたり、くしゃっと笑ってみたりと表情の豊かさも見どころのひとつだろう。歌唱では、さまざまな組み合わせで聴かせるハモリや、サビのユニゾンがポイント。メンバーそれぞれに声質が違うにもかかわらず、ぴたりと合わせる勘の良さや相性の良さを感じることができる。
「常夜灯」
前述のYouTubeの生配信企画「#あなたが1番見せたいAぇLIVE」で1位に輝いた楽曲「常夜灯」。冒頭、ムーディーなサックスの音色にのせ、それまでのキャッチーで親しみやすい楽曲群から一転、大人の色気が漂う1曲となっている。ステージ上にはタイトルになぞらえ、5本の街灯風ランプが登場。ジャジーでゆったりとした曲調に合わせ、歌唱でもどこか気だるげな表情を徹底しているあたり、曲への深いシンパシーが感じられる。〈あぁ面倒〉と繰り返しつつ、〈あなたのモノ〉になることを願わずにはいられない狂おしいほどの熱と、夜の闇の中で静かに灯る灯り。その対比が視覚的にも表現されているのはライブならではと言えるだろう。中盤では立ち位置を変え、それぞれアドリブの振りも披露。切なげな表情を見せたり、自嘲気味の笑いを浮かべたり、それぞれの解釈がわかる表情の切り取り方も見どころ。
「Never End」
「常夜灯」に引き続き、しっとりムードで聴かせるバラード。そしてそれゆえ、Aぇ! groupの高い歌唱力を堪能できる曲でもある。Aメロからサビまでは、メンバーそれぞれがひとりずつ歌い継いでいくスタイルで進行。ブレスさえも丁寧に柔らかく歌う佐野晶哉、ハスキーさの中に武骨さ優しさをにじませる正門良規、R&B的なエモーショナルさで聴かせる草間リチャード敬太に、等身大の自分を曝け出すようなストレートさが胸を打つ小島健、そしてのびやかで透明感のある歌声で聴衆を魅了する末澤。サビではそんな5人が見事に調和し、力強いユニゾンを披露する。間奏時、昇降機の上から客席を見下ろしながら見せる感極まった表情や、ラストの佐野の圧巻のロングトーンまでじっくり堪能してほしい。(そして「Say Aぇ!」の歌い出しの佐野の豹変ぶりにもご注目!)






















