KID PHENOMENON、7人で磨き上げた“カオス×J-POP”の表現 『音楽の日2025』ダンス企画で得た学び

KID PHENOMENONが磨き上げた表現

『音楽の日2025』ダンス企画で他グループから得た学び

——7月19日に放送された『音楽の日2025』(TBS系)で、ダンス企画「ハーフタイムショー・次世代ダンスパフォーマンス」の枠にもグループとして出演されました。これまで他のグループとの交流はそこまで多くなかったように思うのですが、実際に他の事務所の方々と踊ってみてどうでしたか?

岡尾:「バチバチ」というテーマはありつつも、それぞれのグループで見せ方が全然違うなと思いました。僕らは闘争心がすごくて、「かますぞ」って感じだったんですけど、自分たちの表情がよく見えるようなパフォーマンスをしているグループがあったり、ダンスのことをよく分からない人でもうまく見えるような表現の仕方をしているグループがあったり、事務所によって見せ方のカラーがありましたね。僕らも僕らで見せ方の軸はあるんですけど、「そういう見せ方もあるのか」と勉強になったなと思います。

夫松:僕らはリハで100とか120の力で踊って、本番では150を出すという感じで、かなりバチバチの状態で出演させていただきました。今回はテーマが「バチバチ」だったので、リハーサルの時から他のグループの方々も“ちょいバチ”なんですよ。振りを教え合ったりとか、仲はいいんですけど、雰囲気はバチバチしていたので、すごく楽しみつつも、リハーサルではカメラワークをチェックして、自分たちがどう映るのかを各々理解した上で、自分の良さを最大限引き出せるように工夫しましたね。各々が引き立つところを意識して振付の割り振りをメンバー会議で決めたので、それぞれの魅力が引き出せていたんじゃないかと思います。

——当日のパフォーマンス、やはり自分たちが一番なんだという気持ちで臨んだのでしょうか。

夫松:そうですね。それくらいの気持ちで踊ったので、出演後は「やってやったぞ」と思いました(笑)。

全国ツアーは距離が近いからこそ熱量がよく伝わるものに

——7月4日から、全国ツアー『KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~』を開催しています。今回のツアーのコンセプトを教えてください。

佐藤:今回のツアーは、初めてのFC会員限定コンサートとして開催しています。ツアータイトルには「D7SCOVER(ディスカバー)」という名前を付けたのですが、実際にライブを観ていただきながら、ファンの皆さんはもちろん、自分たち自身もグループの可能性や魅力、新しい側面を見つけることを1つのテーマに掲げています。追加公演も含めて全部で22公演を12月まで続けるのですが、この期間に来年の自分たちに向けて、新しい可能性や魅力、武器となるものを見つけていけたらと思っていて、内容としてもすごく挑戦的なことをしているライブになっていますね。クリエイティブな部分を出しながらも、ファンの皆さんに楽しんでいただけるようなパッケージになっているので、毎回の公演が勉強になっています。

——ツアーの中で、具体的にどんなことに挑戦しているのでしょう?

佐藤:コンサート全体に一人ひとりの魅力を散りばめているんです。それぞれソロパートがあって、僕のソロもあるんですけど、僕の場合はダンストラックの制作に挑戦しました。

夫松:見どころを全体に散りばめて、ずっと「おお!」「あれ?!」「うわー!」っていうリアクションが続くライブづくりを意識しているんですよ。音楽的に途切れない、ずっと楽しめるライブというか。

佐藤:ライブってパフォーマンスする曲の雰囲気によってブロックができて、各ブロックの間にはMCがあったり、音やパフォーマンスが何もない時間が少しあったりしますが、僕らの場合は全体で展開を作りながらも、一つひとつのブロックが終わるたびに流れが途切れないようにしています。

夫松:それぞれの展開を、各々の新たな魅力で繋ぐ、みたいなね。各ブロックの間にある繋ぎ目も見どころにして、ライブ全体が1つの作品として見どころになっています。

——すでに6公演を終えられていますが(取材時点)、手応えはいかがですか?

岡尾:いい手応えがあります。今回のようなライブは初めてですが、ちゃんと僕らが考えたテーマに沿ってライブを作れていますし、クオリティも少しずつ高まってきていて、僕らが伝えたいことはお客さんにしっかりと伝わっているように思います。細かい部分では、まだ修正が必要なところもあるんですけど。

夫松:もうちょっとブラッシュアップしていきたいよね。でも、ファンの方からも「熱くなるところもあったし、笑えるところも、涙するところもあった」といった感想を受け取っていて、自分たちが描いているもの、伝えたいものをライブを通じて感じ取っていただけているなと、皆さんのリアクションから本当に感じますね。

川口:今回の会場はファンの皆さんとの距離がすごく近くて、それこそ僕らの汗が飛んでくるくらいの距離感なので、気迫の伝わり方も段違いだと思います。距離が近いからこそ見せられるパフォーマンスの仕方も考えていて、毎回その会場に合った見せ方をするように各々が意識したり、話し合ったりしているので、本当に学ぶことがたくさんあるツアーです。さっきリーダーが言っていたみたいに、お客さんとの距離が近い分、皆さんの反応もダイレクトに感じ取れるので、それが『D7SCOVER』のいいところだなと思います。これから自分たちが目指しているのは、もちろん大きいステージではあるんですけど、今この大きさ、距離感でパフォーマンスするからこそ自分たちの感じるものや、受け取れる言葉がすごくたくさんあるので、今回のツアーで成長できる部分は大きい気がしています。

夫松:ライブ終了後に来てくださった方を全員お見送りする「お見送り会」のとき、まだ涙が流れている方がいらっしゃったのは印象的でした。泣きすぎて顔を見られるのが恥ずかしいと話していた方もいらっしゃって。リリースイベントや特典会のときとは、皆さんのテンションが全然違うんですよ。自分たちはとんとん拍子にオーディションに受かったわけではなく、紆余曲折あってここまで来たので、僕らのパフォーマンスでお客さんの心を動かせたことが本当に嬉しいなと思いますし、涙するほどに熱く応援してくださっていることが本当にありがたいです。

——非常に学びの多いツアーとなっているようですが、今回のツアーを通じて達成したい目標などは決めているのですか? 可能であればお一人ずつ伺いたいです。

鈴木:僕は歌ですね。歌に挑戦しています。

山本:僕は逆にラップに挑戦しています。歌だけでなく、ラップもできる姿を見せたい。意地というか。ボーカルだけじゃないところも見せたいなと思っています。

遠藤:表現力ですね。これに関してはゴールはないと思うので、自分で突き詰めて、どういう表現がどういう人に刺さるのかを研究していきたいと思っています。そもそも表現って、自分が経験したことを踏まえないとうまくできないものだと思うので、いろいろな経験を自分の中に取り込んで、それを歌やダンス、パフォーマンスに落とし込めたらいいなと考えています。

岡尾:僕はファンの方へのアプローチの仕方を磨きたいです。昔からHIPHOPジャンルのダンスをやってきたので、自分の中でも踊るときの世界観が強く出るほうだなと思っているんです。それが良い方向に出せるときもあれば、逆にそうではない場面もあるなと最近感じています。特にマイクを持ってパフォーマンスする上で、ちゃんと顔が見えるようにするとか、場面によってアプローチの仕方が違うのをライブで学んだので、今回のツアーでは自分のいろんな良さをもっと見せられるようになりたいなと思っています。

川口:僕も、踊っているときにもっとうまい見せ方ができるようになりたいです。ただダンスをうまく踊るだけではなくて、さっき翼空が言ったみたいに、見てくださった方に何かを感じてもらえるようなパフォーマンスができるようになりたいんです。KID PHENOMENONは7人全員が踊れるグループですし、自分にしかできない表現の仕方やキャラクターを確立していけたらなと思います。

佐藤:グループのクリエイティブ力を高めていけたら。D7SCOVERでは、照明や音、構成など自分たち発信で動かしていることがたくさんあるので、自分たちの表現したいものをファンの皆さんに伝える力を伸ばしていきたいです。22公演を通じて、たくさん成長できればいいなと思っています。

夫松:僕はリーダーとして、いろいろな物事を客観視する力を伸ばしたいと思っています。例えば、普段のメンバーとの接し方もそうなんですけど、パフォーマンス中のメンバーのテンションを見たり、ファンの方のリアクションを見たりとか。リハーサルでも、お客さんから照明がどう見えるかを気にしながら、構成をどう調整するかを常に俯瞰的に見れるようになりたいですし、ライブにはアクシデントもつきものなので、そういう時の対応も考えたりできるようになれたらいいなと思っています。特にライブは主観的になってしまうと自己満足で終わってしまうので、客観的に見てファンの皆さんにどう伝わるのかということをたくさん考えられるようにしたいです。

——皆さんそれぞれでしっかりと目標を持っていらっしゃるのですね。今回のツアーは来年につながるようなライブにしたいというお話もありましたが、グループとして今年はどのように成長していきたいのか、考えを聞かせてください。

夫松:これはライブ中のMCでも話していることなんですけど、ボーイズグループが多い中で、KID PHENOMENONにしか表現できない音楽や世界観を突き詰めていきたいと思っています。ただ音楽性や世界観を追求するだけでは、僕らの少し尖った楽曲やビジュアルに説得力を持たせられないと思っているので、スキルや人間性ももっと磨いていきたいです。やっぱり一人ひとりのメンバーにパワーがあるグループのほうが強いと思うので、KID PHENOMENONとして独自の世界観を表現できるように、ライブやイベント、日頃の過ごし方でスキルと人間性を磨いていきたいなと思います。来年までに、今の自分たちよりも何倍にもレベルアップして、KID PHENOMENONの世界観をお茶の間に伝えていけたら。まだ来年のことは全然分かりませんが、来年のライブではKID PHENOMENONの世界観を全部出しきれるようになりたいですたくさんの方に僕らのライブを楽しんでいただけるように成長していきたいです。

■リリース情報

5thシングル『Sparkle Summer』
2025年8月20日リリース
<CD収録内容>
1. Sparkle Summer
2. Snakebite
3. Lemonade
<DVD収録内容>(初回生産限定盤のみ)
1. Sparkle Summer Music Video
2. Sparkle Summer MV Behind the Scenes
<封入内容>
※全形態共通封入特典
フォトカード全8種中ランダム1種(通常盤は初回仕様のみ)

■公演情報
『LIVE & FAN MEETING TOUR 2025~D7SCOVER~』
11月1日 長野 NAGANO CLUB JUNK BOX
11月3日 京都 京都FANJ
11月14日 神奈川 SUPERNOVA KAWASAKI
11月17日 大阪 BIGCAT
11月20日 愛知 ダイアモンドホール
11月22日 岡山 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12月1日 東京 ステラボール
12月6日 静岡 LIVE ROXY SHIZUOKA
12月9日 宮城 仙台 darwin
12月12日 青森 青森Quarter
12月15日 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
12月19日 福岡 DRUM LOGOS
チケット料金: 全自由 7,150円 (税込)
※整理番号付き・入場時ドリンク代別途
※東京公演のみドリンク代無し
年齢制限: 6歳以上有料 / 5歳以下入場不可
※6歳以上有料、5歳以下入場不可
公演詳細はオフィシャルファンクラブをご確認ください。
KID PHENOMENON OFFICIAL FAN CLUB:https://kid.exfamily.jp/

■関連リンク
Official site:https://www.kidphenomenon.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/@KID_PHENOMENON_
X(旧Twitter):https://x.com/_KID_PHENOMENON
Instagram:https://www.instagram.com/kid_phenomenon/
TikTok:https://www.tiktok.com/@kid_phenomenon

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