藤井 風、King Gnu、aespa、HANA、なにわ男子、キタニタツヤ……注目新譜6作をレビュー
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は藤井 風「Prema」、King Gnu「SO BAD」、aespa「Rich Man」、HANA「BAD LOVE」、キタニタツヤ「カルチャー」、なにわ男子「アシンメトリー」の6作品をピックアップした。(編集部)
藤井 風「Prema」
80年代のソウル、R&Bの現代的解釈における最高の答え、または高い精神性と美しい神秘性を日常とつなげるリリックなど、リリース直後から過去に例を見ないほどの圧倒的な絶賛を浴び続け、すでにありとあらゆる評論が飛び交っているニューアルバム『Prema』。その中で軸を担っている曲の一つが、サンスクリット語で“無条件の愛”を示す言葉をタイトルに冠した表題曲「Prema」だ。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演時も言及していた“ハイヤーセルフ”は藤井のメッセージ性の核にあるものだが、「あなたは愛そのもの」「神そのもの」と歌われるこの楽曲において、その概念は誰もが共有できるポップミュージックへと昇華されている。まさに向かうところ敵なし。今後カバーすべきは、彼自身が『EIGHT-JAM』(テレビ朝日系)で課題として挙げていた、ライブにおける声のスタミナくらいか。(森)
King Gnu「SO BAD」
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ゾンビ・デ・ダンス』のテーマソングとなる新曲。いきなり始まるは〈最悪で最高<3〉のリフレイン、常田大希(Gt/Vo)の歌唱というか咆哮なのだが、これが悪夢を地で行く中毒性。そこから井口理(Vo/Key)の歌唱に移り変わり、甘い白昼夢の中を彷徨うようなトーンになるのだが、再び常田パートに切り替わり、聴き手は悪夢へと引き戻されていく。繰り返される〈最悪で最高<3〉が今度はオペラ風の混声合唱になっているのが恐ろしい。さらに後半は英語詞がメインとなるが、今度はさながら舞台はオペラからミュージカルに切り変わっているようで、演者全員が床を打ち鳴らす靴の音までが聴こえてきそうな大迫力。スケールの大きさとかっこよさに痺れる。(石井)
aespa「Rich Man」
快進撃が続くaespa、6thミニアルバム『Rich Man』のタイトル曲。前作「Dirty Work」はドープに攻めるHIPHOPだったが、今回はMVにエレキギターが登場、aespaのロゴもMetallica風にアレンジされているように、歪んだメタル風サウンドが全面的にフィーチャーされている。一部で復活しているロック+ラップのリバイバルに拍車をかけそうな一曲だが、不穏さと明るさ、力強い煽り方と愛らしいメロディの同居など、全体のバランスはとても現代的だ。なお、タイトルから「リッチな男しか私を口説けないわ」と嘯くような悪女ソングを想像したけれど、実際は「今のままの自分で十分」「私がリッチマン」と歌う自己肯定の歌だった。こういう視座も実にクール。(石井)






















