高嶺のなでしこが刻んだ“誇り高きアイドル” としての矜持 新章へと向かうデビュー3周年記念ライブを観て

高嶺のなでしこ、アイドルの矜持

「美しく生きろ」「誇り高きアイドル」……心震えるパフォーマンスの数々

 「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」のリリース企画のラストを飾った「この世界は嘘でできている」は、アイドルに抱かれる期待や葛藤、その先で見つけた答えを、胸を打つサウンドに乗せたドラマチックな楽曲だ。〈僕が好きな僕でいられるように〉と歌う橋本桃呼の姿は、ラストアイドル時代から彼女を見てきたファンにとっては特に心に響くものがあるだろう。続けて、東山恵里沙が〈生きてる“アイドル”〉と叫ぶ「誇り高きアイドル」、キャプテンの籾山ひめりがフラッグを掲げ旗手となる「革命の女王」、〈勝利掲げ僕は生きたい/敗北を知り花は咲く〉と高らかに歌い上げる「決戦スピリット」と怒涛のメッセージソングに「ファンサ」、さらにメジャーデビューシングル曲の「美しく生きろ」と畳み掛けるセットリストは見る者すべての心を熱く奮い立たせる。

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』(撮影=林晋介/原田圭介)

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』(撮影=林晋介/原田圭介)

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』(撮影=林晋介/原田圭介)

 籾山がライブの終わりに代表して「誇り高いアイドルグループを目指していきます」と宣言していたように、高嶺のなでしこが持つアイドルとしてのプライドを改めて感じたのが今回のライブだった。

 そのプライドを体現していたのが、メンバー一人ひとりによるパフォーマンスのさらなるスキルアップ。特に歌唱力では多くの歌割りを担っている東山が目覚ましく、たとえば「恋を知った世界」の落ちサビの伸びやラストの息遣いなど、グループの未来を楽しみにさせてくれるメンバーの一人である。

 そして、3周年の先にある新章の幕開けとして、12月17日に1stアルバム『見上げるたびに、恋をする。』のリリース、2026年2月からスタートするアジア各地も含めたライブツアーが発表された。ツアーファイナルは、東京国際フォーラム ホールA。

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』(撮影=林晋介/原田圭介)

 また、ライブでは新曲「花は誓いを忘れない」が初披露された。メンバーが3年間突き進んできたからこそ歌える歌詞であり、これから先も歴史を重ねてより素敵な楽曲になっていくと籾山が誓ったこの楽曲もまた、高嶺のなでしこの気高さを表現している。

 今回の3周年記念ライブに付けられた『A Wonderful Encounter』は、「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」をテーマに企画された5曲連続配信リリースやライブを通して好きになった新たなファン、さらにはこの夏を通じて発見した新たな自分との“素晴らしい出会い”を謳っているのかもしれない。ファンとの絆を深め、新たな一歩を踏み出す高嶺のなでしこには、まだまだ未知なる素晴らしい出会いが待っている。

『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』(撮影=林晋介/原田圭介)

■セットリスト
デビュー3周年記念ライブ『高嶺のなでしこ 3rd ANNIVERSARY CONCERT 「A Wonderful Encounter」』
2025年9月7日 千葉・幕張イベントホール

M01.初恋のこたえ。
M02.恋を知った世界
M03.病名恋ワズライ
M04.メランコリックハニー
M05.可愛くてごめん
M06.Cute for life
M07.僕は君になれない
M08.女の子は強い
M09.乙女どもよ。
M10.ライフクエスト
M11.ユメムスビ
M12.アイドル衣装
M13.I'M YOUR IDOL
M14.この世界は嘘でできている
M15.誇り高きアイドル
M16.革命の女王
M17.決戦スピリット
M18.ファンサ
M19.美しく生きろ
EN1.花は誓いを忘れない
EN2.推しの魔法
EN3.初恋のひと。

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