スカパラ×稲葉浩志、ILLIT、SIRUP、堂本光一、花譜×Mori Calliope、NCT WISH……注目新譜6作をレビュー

堂本光一「The beginning of the world」

KOICHI DOMOTO -The beginning of the world- from「RAISE」[Official Music Video (Short Ver.)]

 来週発売となる4年ぶりのアルバム『RAISE』からのリード曲。舞台やミュージカルを主軸に多忙を極めている堂本だが、ハセガワダイスケが手がけたこの曲は、まさに堂本のための、堂本にしか歌えない壮大なオペラである。生身の自分の心象を歌うのではない。大舞台に降臨し、真っ白なライトを浴びながら、無比の王子として全身全霊で演じきる。誰にでもできるものじゃないし、似合う人もそうはいない。オーケストラと混声合唱で成り立つ大仰な展開も、〈宇宙(そら)の星のように 永遠(とわ)に輝くまで〉といった決めゼリフも、すべて堂本のプロフェッショナル精神によって燦然と輝いている。(石井)

花譜×Mori Calliope「光」

【組曲2】花譜×Mori Calliope #153 「光」【オリジナルMV】

 花譜がリアルアーティストやコンポーザーとコラボする企画「組曲2」の第7弾はMori Calliopeをフィーチャーした「光」。作詞はDiosのたなか、作曲はたなかとボカロPの椎乃味醂、初披露されたのが『大阪・関西万博』で行われたバーチャルライブ『ARK -或ル世界-』……と現在の日本のポップカルチャーの粋を集めたこの曲は、美しいプリズムを連想させる音色、〈約束の場所へ/ただ螺旋を描いて/進め 進め〉というフレーズから始まる。ドラムンベース的な要素を取り入れたトラックの中で花譜とMori Calliopeは繊細なメロディ、鋭利なラップを交差させながら、どこかにあるはずの光を指し示しながら、〈この先に広がる景色を/愛せますように〉という祈りのようなラインへとたどり着く。4人の才能が見事に結集した、2025年の気分を象徴するポップソングだと思う。(森)

NCT WISH「COLOR」

NCT WISH 엔시티 위시 'COLOR' MV

 ボーイズグループ・NCTが掲げてきた“無限拡張”の最後のグループである6人組、3rdミニアルバムからのタイトル曲。多彩な色で世の中を染めるという意思を込めたそうで、確かにこの一曲だけでも簡単には言い表せない色彩の豊かさに圧倒される。MVがそうであるように基本はパステル調。どぎつい極彩色ではなく、メンバーの若ささやキュートさを押し出した甘いトーンなのだが、数小節ごとに変化していくトラックは単調な繰り返しを避けながら次々と背景を変えていく。また重要なのはサビのボーカル処理。ユニゾンで歌ったテイクをさらに多重録音にしてモジュレーションをかけているのだと思うが、光のシャワーのように降り注ぐコーラスがなんとも気持ちいい。(石井)

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