JO1のカバーステージはなぜ国内外で評価される? 適材適所な才能が揃うグループとしてのバランス
JO1が『KCON LA 2025』で披露したSEVENTEEN「Fear」のカバーステージの映像が、8月26日に公開された。
「Fear」は、2019年にリリースされたSEVENTEENの3rdアルバム『An Ode』のタイトル曲。恐怖の感情を“毒”として捉えた、緩急が際立つダークコンセプトの楽曲だ。JO1は、全員赤で統一された艶やかなシャツを着用してイベントに登場し、ステージを広く使いながら、セクシーでしなやかな振り付けを全身でパフォーマンスした。YouTubeのコメント欄では、JAM(JO1のファンの呼称)はもちろんのこと、SEVENTEENのファンからも絶賛の声が多数寄せられている。会場の盛り上がりも含め、JO1のパフォーマンス能力の高さを示すカバーステージだった。
JO1は、これまでも『KCON』を通してカバーステージを披露し、そのたびに話題になっている。様々なアーティストのファンが大勢集まる『KCON』の舞台で、ほかのグループの楽曲を披露するのはとてもプレッシャーがかかるはず。しかしJO1は、自分たちの持つ実力を遺憾なく発揮しているように見える。その理由はどこにあるのだろうか。
まず挙げられるのは、メンバーの声質に合ったパート割り。JO1の強みと言えばシンクロダンスを思い浮かべる人が多いかもしれないが、ボーカルの実力も折り紙付き。與那城奨、河野純喜、金城碧海を中心に、それぞれ個性豊かな歌声を持っている。今回『KCON』で披露したSEVENTEEN「Fear」では、「パート割りが完璧」「適材適所」といった感想が目立っていた。突き抜けるような高音が強みの河野や川尻蓮、それと対比するような落ち着いた声で歌う白岩瑠姫や大平祥生、アクセントとなるラップパートを担当する木全翔也、そしてどんなパートでも存在感を発揮する佐藤景瑚、川西拓実、豆原一成、鶴房汐恩など、大人数グループだからこそ生み出せる楽曲の厚みは魅力的だ。
さらに、原曲の迫力をそのまま再現している点も挙げたい。『KCON LA 2023』でカバーしたSEVENTEEN「Super」と『KCON GERMANY 2024』でカバーしたStray Kids「LALALALA」は、バックダンサーなしで披露。編成が大きく変わるとパワーが弱くなるのではと心配してしまうが、JO1はメンバーのみで楽曲の迫力をそのまま伝えていた。特にSEVENTEEN「Super」には、楽曲の途中でメンバーを抱え、そのまま空中で前へ移動させる振り付けがある。レベルの高いパフォーマンスに加え、全編韓国語詞の楽曲を歌って踊るだけでも大変なはずなのに、表情を崩さずパフォーマンスしていたのが印象的だった。彼らの途切れないエネルギーとスタミナもカバーステージで実力を発揮できる理由であろう。
原曲の良さを活かしつつ、自分たちの実力を発揮するJO1の歌声。これらをステージ上で発揮できるのは、常にリスペクトの気持ちを忘れていないからだろう。原曲を理解し、それを生み出したアーティストへの敬意を込めてパフォーマンスをしているからこそ、多くの人々の心に残るのだ。

























