乃木坂46『全ツ2025』ファイナル直前 神宮4DAYS公演、3期生は活動10年目へ……挑戦と試練の夏を振り返る

 乃木坂46の夏の恒例行事である『真夏の全国ツアー2025』が、いよいよ“聖地”・明治神宮野球場でファイナルを迎える。

 9月4日から7日にかけての4日間、2年ぶりとなる4DAYS公演であり、その舞台はツアーの締めくくりという意味合いだけではなく、グループの現在地と未来を示す節目となることが約束されている。2013年にスタートした全国ツアーの歴史の中でも、この神宮という会場は特別な意味を持ち続けてきた。2016年に開催された大雨のライブや、2023年の4日間快晴での公演は伝説として語り継がれているが、そうした過去を背負いながら、新体制となった乃木坂46がどのような物語を描くのか、期待が高まっている。

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 今回のツアーを語る上で欠かせないのが、今年春に加入した6期生の存在だ。彼女たちにとっては、全国をまわる大規模なライブは今回が初めて。4月の『乃木坂46 初披露の会 「はじめまして、6期生です」』で初めてファンの前に立ち、その後の『13th YEAR BIRTHDAY LIVE』で先輩たちとの共演を経て、この夏はいよいよ本格的に乃木坂46の一員としてステージに立つことになった。大阪城ホール公演では早くも6期生楽曲「なぜ 僕たちは走るのか?」が披露され、新メンバーの存在感が鮮やかに示された。観客にとっても、新たな顔ぶれがどのようにしてグループに溶け込み、そしてどのような風を吹き込むのかを目撃する機会となった。

乃木坂46『なぜ 僕たちは走るのか?』MUSIC VIDEO

 また、この夏を象徴する楽曲として、乃木坂46には39thシングル表題曲としてリリースされた「Same numbers」の存在がある。ツアー開幕の地、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで初披露されたこの楽曲は、賀喜遥香がセンターを務め、従来の乃木坂46の“夏曲”とは大きく趣を異にした。これまでの「裸足でSummer」や「ガールズルール」といった爽やかで弾けるような楽曲とは違い、「Same numbers」は内省的で儚さを湛え、強いメッセージ性を持っている。そこには、かつての“乃木坂46らしい夏”という定型と季節を飛び超え、今の乃木坂46が“乃木坂46らしさ”そのものをあらためて問い直す姿が映し出されていたように思う。絶対的なエースがグループを引っ張る時代から、メンバーそれぞれの表現が絡み合うことでひとつの世界観を生み出す時代へ。その転換点を、この楽曲は象徴していると言える。

乃木坂46『Same numbers』MUSIC VIDEO

 地方公演では、新体制ならではの景色が生まれた。たとえば、香川ではグループとして初めての全体ライブを行い、JR四国グループとのコラボレーション企画を行うなど、地域との連携を深める新たな試みが行われた。地方ごとにファンとの距離を縮める工夫を取り入れ、乃木坂46が全国に根を張る存在であることを示したツアーでもあった。

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