『ONE PIECE』新ED「PUNKS」が描き出す物語の真髄――カメレオン・ライム・ウーピーパイ、“主題歌”としての強さの証明

 膨大な量の知識を蓄えながら巨大化を続ける脳。身体で支えきれなくなったため、脳の大部分を切り取ってクラウド化。ゆえに、彼の頭頂部の赤い林檎状の装置はアンテナの一種なのだ。それに、天才的なアイディアのひらめきを余すことなく具現化するために生み出した6人の分身体=猫(サテライト)の存在も。そんな規格外のキャラクターを音楽で表現しているのが、まさしく「PUNKS」だ。

 ベガパンクのキャラクター像を踏まえたうえで「PUNKS」と向き合うと、個性派揃いの『ONE PIECE』のなかでも一際アクの強いこの登場人物を、カメレオン・ライム・ウーピーパイは的確に表現しているのだとよくわかると思う。

8月10日(日)より放送/TVアニメ「ONE PIECE」エンディング主題歌「PUNKS」カメレオン・ライム・ウーピーパイ

 シンセサイザーの多彩な音色や打ち込みビートに乗せて繰り返される〈ピーパピー パピポ〉は妖しい呪文に等しい。聴いていると高まり続けるトランス状態は、ベガパンクの無限の探求心、宇宙規模で拡張していく知識をイメージさせる。そして、6人の分身=猫(サテライト)の心の声や対話を彷彿とさせる終盤の熱量もものすごい。ぶっ飛んだ人物とも言えるベガパンクは、「PUNKS」のなかに紛れもなく存在しているのだ。笑い声を含むさまざまな音声のコラージュを立体的に配置したサウンドが誘う昂揚感は格別。頭のなかで不思議な何かが飛び跳ねているかのような感覚を味わえるはずだ。ベガパンクの巨大な頭脳の保管庫・パンクレコーズに我々が接続されたら、この曲を聴いている時のような感覚になるのかもしれない。

 この先、『エッグヘッド編』が怒涛の展開を重ねるなかで、「PUNKS」はますますストーリーと密接に結びついていくのだろう。そしてベガパンク同様、唯一無二の存在感を放っているカメレオン・ライム・ウーピーパイへの注目をさらに後押しすることにも繋がりそうだ。キャラクターだけでなく、『エッグヘッド編』の世界観を忠実に描き出した「PUNKS」。アニメとともに、ぜひ繰り返し聴いてほしい。

■リリース情報
デジタルシングル『PUNKS』
配信中

配信URL:https://clwprecords.lnk.to/PUNKS

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