WOLF HOWL HARMONYがファンに寄せる信頼感 4人が最近“目覚めたもの”、初の単独ツアーへの想い

WOLF HOWL HARMONYが「Bossa Bosa」を6月25日にリリース。「“ボサボサ”な朝をぶち上げる、ユーモア全開のアッパーチューン」として公開された同曲は、1stアルバムのリード曲「爆音 -BAKUON-」から連想されたものだと言う。前作アルバムと「爆音 -BAKUON-」で感じた手応えをどのように「Bossa Bosa」に活かしていくのか、アッパーチューンならではのパフォーマンスのこだわりから、初の単独ツアー『LIVE & FAN MEETING TOUR』への意気込み、最近“目覚めたもの”まで語ってもらった。(編集部)
記念日を大切にするファンに感じる“頼もしさ”

ーーSNSでの匂わせ投稿が始まっていますが(※取材は6月中旬に実施)、SNSなどでの反応をどのように見ていますか?
SUZUKI:最初に上げたのがアラーム設定の画面録画だったんですが、皆さんすでに謎解きをしてくだっていて。その時点ですでに解けている人も結構いたので「いいじゃん、いいじゃん」と思いながら見ていました。
HIROTO:Xを見ていたら、LOVERED(ファンネーム)の方で「6:25に起きたらいいってこと?」って考察している人がいて。
RYOJI:違う、違う!
HIROTO:早起きさせてしまってちょっとかわいそうだったんですけど……(笑)。
SUZUKI:いや、その早起きは無駄にはならないよ!
HIROTO:確かに。でも「ごめん」と思いました(笑)。
RYOJI:でも、こっちからネタバレしたくなっちゃうよね。
SUZUKI:うんうん。でも普通に解禁するときよはまた違うワクワク感があって面白いなと思いました。
GHEE:でもちょっと匂わせすぎちゃって臭いくらいかも(笑)。でも楽しんでもらえていたらうれしいです。自分たちも、それを見てワクワクできますし。何よりも「Bossa Bosa」が盛り上がってくれたらうれしいです。
— WOLF HOWL HARMONY【公式】 (@WOLFHOWLHARMONY) June 17, 2025
ーー匂わせのアラーム画面は、時刻がこれまでの作品のリリース日になっているという粋なものでしたが、ファンの方はすぐに気づいていましたね。
RYOJI:そうなんです。すごいなぁと思いました。LOVEREDのみんなは、そういう一つ一つの記念日を大事にしてくれているし、楽曲でも僕たちが表現したいものをしっかりキャッチしてくれているので、すごく頼もしくて。ここから「Bossa Bosa」も一緒に盛り上げていけたらと思っています。
HIROTOがSUZUKIを起こすーー製作陣がWOLF HOWL HARMONYから得た着想

ーーそんな「Bossa Bosa」は、1stアルバムリリース後1発目のシングルです。どのような姿を見せたいと思ってこの曲の制作に取り掛かりましたのでしょうか?
RYOJI:1stアルバムのリード曲として3月にリリースした「爆音 -BAKUON-」という曲があるんですが、そこから連想されたイメージが、この曲の着想点なんですよ。サウンドとしても、ビートチェンジは「爆音 -BAKUON-」から通ずるものだし、逆にリリックは「WOLF HOWL HARMONYが通るから道を開けろ」という挑戦を綴ったものだったのに対して、「Bossa Bosa」はふざけためざましソングで。まぁ“ふざけるっていうのは、スキルがないとできないことだよね”という皮肉でもあるんですけど。だから、1st Albumの次に出す曲というよりは、「爆音 -BAKUON-」の次に出す曲として、「爆音 -BAKUON-」と合わせてチェックしてもらえたらと思います。
ーーつまり、「爆音 -BAKUON-」の手応えが、皆さんの中にあった?
RYOJI:そうですね。プロデューサーであるDJ DARUMAからも「爆音 -BAKUON-」がクリエイターから評判がすごく良いと聞いて。もちろんLOVEREDの皆さんをはじめ、いろんな方がMVやTikTokの動画をたくさん見てくださったのもうれしいんですけど、作る側の方々からも評判が良かったというのはすごくうれしかったです。
ーー実際、MVの再生回数もかなりな数字だったそうですね。
RYOJI:はい。あと「いいね」がいい感じで。「いいね」は1回しか押せないじゃないですか。だから結構リアルな数字(笑)。それもやっぱりLOVEREDがすごく盛り上げてくれたおかげだと思うので、今回の「Bossa Bosa」も盛り上げてもらえたらと思います。

ーー「いいね」も押してもらって。
RYOJI:はい、見たら「いいね」してください(笑)!
ーー先ほど、「Bossa Bosa」はイメージから生まれた曲だとおっしゃっていましたが、それはどういうことなのでしょうか?
RYOJI:DJ DARUMAさんや、作曲をしてくださったChaki Zuluさん、T.Kuraさん、Kenya Fujitaさんの制作陣のイメージなんですけど……SUZUKIって普段から時間にちょっとルーズなんですね。そんなSUZUKIに対して末っ子のHIROTOが「スー君、ちゃんとしなさい! 起きなさい!」って頭を叩く絵が浮かんだらしいんです。それを聞いて、僕らも面白いなと思って、曲作りを進めてもらいました。

ーーHIROTOさん、SUZUKIさん、そのイメージを聞いたときはどう思いました?
HIROTO:一番年下の僕が年上をイジるって面白いし、実際に笑いが生まれる瞬間でもあるので、全力で表現したいなと思いました。
SUZUKI:実際、配信をしているときとかにそういう場面があると、ファンの方が喜んでくださるんですよ。僕らとしても面白いし。だから「こういう部分は増やしていきたいね」と話をしていたので、それが曲になるのは面白いなと思いました。
RYOJI:ミュージックビデオでは、HIROTOがSUZUKIの頭を叩いているシーンもあるんです。その映像が、この曲の元になっているので、マストで見てもらいたいです!
試行錯誤しながらレコーディングした「Bossa Bosa」
ーー「Bossa Bosa」を初めて聴いたときの印象を教えてください。
SUZUKI:やっぱり一番大きかったのは「面白い曲だな」ということ。それに、ライブ会場で盛り上がっている様子もイメージできました。みんなで「イエーイ!」って飛び跳ねている様子だったり。それと、浮遊感があるので、夢と現実の境目みたいなイメージもあって。絵からイメージしてできた曲というだけあって、すごく具体的な絵が思い浮かぶ曲だなと思いました。
RYOJI:僕も“みんなでイエーイ!”みたいなイメージがありました。あとは、このビートチェンジからのサウンド感。僕自身クラブカルチャーが好きなので、すごくブッ刺さりました。あとはニワトリの声だったり、目覚まし時計の音だったり、いろんな音を使っているのが面白くて。わかりやすくて、すごくノれて。新しいWOLF HOWL HARMONYの形だなとワクワクしました。
HIROTO:今回はすごく音で遊んでいるイメージがあって。最後にクラシックで終わるっていう想定外の音遊びにすごく惹かれましたし、聴いてくださる方もびっくりするんじゃないかな。歌詞も、聴いただけだと読み取れないと思うんですけど、〈電流走る Pika〉とか耳に残るようなキャッチーな歌詞が混じっているので、楽しんで聞いてもらいたいなと思いました。
GHEE:みんなと同じく、率直にブチ上がりました。特に音サビのサウンド感はみんなアガるんじゃないかな。その音サビで踊れるのもすごく気持ちがいいです。あとは、ファンの皆さんがどんな反応をしてくれるのかが楽しみで。例えば『BATTLE OF TOKYO』みたいないろんなグループが出るイベントでパフォーマンスしたらどういう反応が返ってくるんだろうって、想像しちゃいました。

ーーそれこそ、WOLF HOWL HARMONYはボーカルの印象が強かったので、最近のWOLF HOWL HARMONYを知らない人はびっくりしそうですよね。
RYOJI:確かに。
ーー先ほど、RYOJIさんが「ふざけるのはスキルがないとできないこと」とおっしゃっていましたが、実際この曲のレコーディングで苦労したことはありますか?
RYOJI:僕は「爆音 -BAKUON-」に続いてド頭のパートを担当させてもらっているんですが、すごく苦労しましたね。何回も録り直しました。なんでこんなに苦労したのか、今はわかるんですけど、今回は抜いて歌わないといけなかったんです。声を張ったり強気な歌声を聴かせることは得意だったんですけど、眠そうだけど芯がある、みたいなラップのニュアンスがどうしても掴めなくて。で、最後の最後にChakiさん(Chaki Zulu)に「一旦、もうちょっと気を抜いてやってみようか」と言われてやってみたら「それそれ!」って。そこでようやく掴めました。頭のパートは6声をパンで振っていろんなところから聴こえるようにしているので、じっくり聴いてみてもらえたらうれしいです。
SUZUKI:僕は今回、“眠たい担当”。3人が「起きろ」と言う中、僕はずっと眠がってるんです。だから、今RYOJIが言っていたように、僕もバイブスで歌うんじゃなくて。ほぼあくびくらいの感じで歌わせていただきました。でも、あくびの「ううーん」みたいなニュアンスは欲しいけど、しっかりフロウも見えてほしいと思ったんですが、 “あくびニュアンス”というのはやったことがなかったので、とにかくそのニュアンスをつかむのが大変でした。レコーディングでは、バキバキくるGHEEの声と、抜けた俺の声というコントラストも意識しました。
GHEE:今回、ラップのリファレンスとして「こんな感じで」ってレゲトンっぽい仮歌をもらったんですよ。まずはその宇宙語のような仮歌を、真似して歌ってから、同じニュアンスになるように日本語にしていくという形でレコーディングしていきました。僕も今までにやったことのないニュアンスだったので勉強になりました。あと〈Bossa Bosa〉と歌うところも苦労しました。〈Bossa Bosa〉は形が決まっていなくて「なんか良いの出そうよ」みたいな感じだったんです。だから20〜30テイクくらいかな、いろんな〈Bossa Bosa〉を録りました。人生初めてのデスボイスにも挑戦しました。
HIROTO:僕はこの曲の中で唯一の歌らしい部分を担当しているんですけど、そこで一気に雰囲気を変えるという役割があるということは意識して歌いました。僕のパートはR&Bっぽいニュアンスだったんですが、僕はどうしてもポップな感じで歌っちゃうタイプなので、ニュアンスを出すに苦戦しました。

ーーパフォーマンスも気になるのですが、どんな振り付けに?
RYOJI:今までで一番踊ったり、移動したり……。
SUZUKI:疲れます笑 過去イチ疲れる振り付けかもしれない。
ーー「眠たい」ということを歌って、ボーカルも力を抜くことに苦戦したというくらいの曲なのに、振り付けは疲れるくらい激しいんですね。
SUZUKI:そうなんですよ。パフォーマンスするときには、眠たげな表情をしたほうがいいと思うんですけど……。これから余裕を持って表現できるように練習していかないといけないなと思っています。今回の振り付けもアルトリさん(LIFULL ALT-RHYTHM)なんですが、アルトリさんならではの世界観や奇妙さ、キャッチーさもあって。見てくださった方がすぐに真似できるところもあると思うので、ぜひみんなにも踊ってほしいです。「爆音 -BAKUON-」は韓国のTikTokチャートでランクインしたので、今回も、まだあまり僕たちの音楽が届いていなかったところにも届いていくとうれしいなと思っています。
RYOJI:振り入れをした当初は歌えないくらい息も荒れていたんですけど、だんだん仕上がってきたので、楽しみにしていてもらいたいです。


















