Oasis、16年ぶりの地元凱旋が刻んだ“ロックの帰還” マンチェスター公演の歩み、歴史的瞬間の更新

それから13年後の2009年、Oasisは再びマンチェスターで大型野外公演を行った。ギャラガー兄弟は当時「ネブワース以上のものにする」とこの凱旋公演に意気込んでいたが、初日6月4日のヒートン・パーク公演は皮肉にも大きなトラブルに見舞われる。開演直後に発電機の故障で音響が途切れ、演奏を二度も中断したのだ。一度ステージを降りた彼らにブーイングが飛ぶ中、復旧後に演奏を再開したノエルは観客に向かって「今日はタダだ。チケット代は全額払い戻す」と宣言。「この公演はフリー」とリアムも叫び、7万人分のチケット代を返金すると観客に約束したのである。

その後、ライブを最後までやり遂げ、The Beatlesのカバー「I Am the Walrus」を含む全24曲を演奏して初日を締めくくった。残り2公演も大きな支障もなく成功を収めている。しかし、この公演の約2カ月後、ノエルがツアー中にバンドを脱退し、Oasisは事実上の解散。2009年の本公演は、長らく「最後の地元ライブ」として語られることになった。
それだけに、今回16年ぶりのマンチェスター凱旋が持つ意味は計り知れない。長年反目していたギャラガー兄弟が和解し、再び故郷のステージに立つ光景は多くの音楽ファンにとって感慨深いものだ。会場にはギャラガー兄弟の家族や関係者も多数駆けつけており、マンチェスター・シティFCのペップ・グアルディオラ監督まで姿を見せたという。
リアムは終演間際、「俺たちについてきてくれてありがとう。扱いづらい連中だってのは自覚してるだろ?」と冗談めかしてファンに感謝を述べたそう。16年の時を経て実現した凱旋公演は、多くの人々の想いを乗せて幕を下ろす。ヒートン・パーク最終公演は、Oasisにとって、そして音楽史にとっても新たな歴史的瞬間となるに違いない。
※1:https://www.musicman.co.jp/business/642078
※2:https://www.theguardian.com/music/2017/jun/04/liam-gallagher-interview-rock-n-roll-saved-my-life-oasis-beady-eye

























