Oasis、16年ぶりの地元凱旋が刻んだ“ロックの帰還” マンチェスター公演の歩み、歴史的瞬間の更新

Oasis、マンチェスター公演の歩み

 Oasisが、16年ぶりに地元・マンチェスターで凱旋公演を開催している。7月11日(現地時間)から始まったヒートン・パークでの5公演はすべてソールドアウトとなり、本日7月20日に最終日を迎える。2009年の解散以来となる今回の再結成ワールドツアーは発表時から凄まじい反響を呼び、イギリス公演では用意されたチケット約140万枚に対し、1,000万人を超える応募が殺到したとも報じられた(※1)。マンチェスター市内は連日熱狂的な祝祭ムードに包まれ、街のバスやトラムにはギャラガー兄弟の巨大写真が掲出されるほどの盛り上がりを見せている。開場前から世界各地のファンが詰めかけ、朝から行列を作る様子はまさに“Oasisフィーバー”と呼ぶに相応しい光景である。

 今回のヒートン・パーク公演は、Oasisにとって実に16年ぶりとなる地元でのステージ。オープニングを飾った7月11日の公演では、炎天下にもかかわらず何万人もの観客が詰めかけ、歌い踊る群衆でカーニバルのような熱気に包まれたという。サポートアクトの演奏が終わり、メンバーが登場すると、リアムとノエルのギャラガー兄弟は手を取り合ってステージに現れたとのこと。初期の代表曲を中心に構成されたセットリストは大合唱の連続となり、最後は「Rock 'N Roll Star」」から「Don't Look Back in Anger」「Wonderwall」「Champagne Supernova」といったアンセムで締めくくられたそうだ。観客の興奮と幸福感は桁違いで、文字通り伝説的な夜が連日繰り広げられている。

 Oasisの地元・マンチェスター凱旋公演と言えば、真っ先に語られるのが1996年4月のメインロード・スタジアムでの2DAYS公演だろう。当時、2ndアルバム『(What's the Story) Morning Glory?』が空前の大ヒットを記録し、人気が頂点に達していた中で行われたこの公演は同年に開催されたネブワース公演と並んでOasis史上もっとも重要なコンサートのひとつに数えられている。メインロードは、マンチェスター・シティFCの本拠地スタジアム(ギャラガー兄弟が幼少期からの熱烈なサポーターだった)で開催された初のスタジアム野外ライブでもあり、2日間合計で約8万人の観客を動員した。また両日の前座にはOcean Colour SceneとManic Street Preachersといった同世代の人気バンドが名を連ね、この公演自体が当時の若者文化を象徴する一大イベントとなったのだ。

リアム・ギャラガー(写真=REX/アフロ)
LIAM GALLAGHER, 1996 : OASIS AT MAINE ROAD IN MANCHESTER, BRITAIN - 1996 (Photo by Rex Features / AFLO)
ノエル・ギャラガー(写真=REX/アフロ)
NOEL GALLAGHER, 1996 : OASIS AT MAINE ROAD IN MANCHESTER, BRITAIN - 1996 (Photo by Rex Features / AFLO)

 リアムは後年この時を振り返り「子供の頃から応援してきたクラブの聖地でやれるなんて最高だ。あれ以上のことはない。あのネブワースでさえ敵わない」と語っている(※2)。地元のサッカースタジアムで若者たちが何万人も熱狂する様は、当時のブリットポップ旋風を象徴する歴史的光景であり、現在でも伝説として語り草だ。

Oasis - Live Forever (Live At Knebworth) Taken from the cinematic documentary 'Oasis Knebworth 1996'

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