乃木坂46 賀喜遥香、3年ぶりに“夏曲センター”に立つ意味 「好きロック」から「Same numbers」への軌跡

 センターとしての存在感だけでなく、その力をほかのメンバーに分け与えるように立つ。これまで多くの先輩たちがそうしてきたように、今の賀喜もまた、自分を見て育つ後輩の背中を押す立場になった。そして、それを自然に背負えるだけの強さを、この3年で確かに手に入れたと言っていいだろう。自分を支えてくれた人たちの思いを、次の世代へと繋いでいく。その役割を引き受けた時に、人はまたひとつ大きくなる。賀喜にとって今回のセンターは、ただ「また夏に戻ってきた」というだけではなく、「好きというのはロックだぜ!」の頃の自分を超えていくための場所でもあるのだ。

 MVの最後にメンバーが描く「∞(インフィニティ)」の形は、横にすれば「8」にも見える。その数字は賀喜自身の誕生日であり、何度でも始まりに戻れることを示す符号のようだ。時間は繰り返されるように見えても、同じ夏は二度とこない。だからこそ賀喜は、与えられた場所に立つたびに新しい自分を差し出し、繰り返す数字の中に自分を更新し続ける意思を込めるのだ。そして、その後ろ姿を後輩たちが追いかけていく――。「Same numbers」は、そんな彼女の覚悟を静かに映し出しているようにも見える。

 「Same numbers」で賀喜が示しているのは、同じ数字を繰り返すだけでは終わらない、自分をも超えていくという意志なのではないだろうか。無限を意味する“∞”と“8”が重なるたびに、彼女が立つセンターの意味も、そこに続く後輩たちの景色も変わっていく。終わりのない数字の向こうに、乃木坂46が重ねてきた時間があり、これからも新しい物語が紡がれていく。

※1:https://www.excite.co.jp/news/article/Crankin_116891/
※2:https://www.nogizaka46.com/s/n46/diary/detail/103581

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