50年以上のキャリアの中で、音楽番組でも意外性のあるコラボレーションを重ねてきたTHE ALFEE。たとえば、6月14日放送の『with MUSIC』（日本テレビ系）では坂本昌行、長野博、井ノ原快彦ら20th Centuryと「星空のディスタンス」でコラボレーションが実現。体を揺らしながらユニゾンで歌唱する20th Centuryが加わることでより重厚さが増したパフォーマンスは、コラボレーションならではの歓びや楽しみに溢れていた。

　THE ALFEEは、音楽という枠を超えたコラボレーションも数多く取り入れてきた。今年4月から6月にかけて開催された全国ツアー『THE ALFEE 51st Anniversary Spring Celebration』と、東海道新幹線を運営するJR東海によるキャンペーン「推し旅」のコラボ企画が実現。そんな「推し旅」とのコラボは第2弾（2025年4月3日～6月30日）の開催となった。先日6月30日まで東海道新幹線車内限定コンテンツとして高見沢俊彦（Vo/Gt）のスペシャルトークを聞くことができた。昨年11月には同じく東海道新幹線とのコラボレーションで、廃車となった東海道新幹線の車体をリサイクルしたアルミ素材からエレキギターを制作。新幹線ファンである高見沢にとっても念願の企画となった。

　昨年12月の日本武道館公演では人気キャラクター・モンチッチとのコラボ商品としてぬいぐるみを発売。THE ALFEEの3人をモチーフにデザインされたモンチッチは、それぞれサクチッチ、サカチッチ、タカチッチという名前がつけられている。モンチッチらしいキュートさにメンバーの特徴が注ぎ込まれた“アルフィーモンチッチ”は、ともに50周年というTHE ALFEEとモンチッチならではのコラボレーションとなった。

　世代やジャンルを超えたコラボレーションを実現し続けるTHE ALFEE。彼らがこれほどまでにさまざまなコラボレーションを重ねられるのは、バンドが50年をかけて多様な切り口から“国民性”を獲得し続けてきたからだろう。「星空のディスタンス」をはじめとした楽曲でも限定的な時代性を感じさせないスタイリッシュさを確立するとともに、三者三様のルックスはそれぞれのキャラクター性をわかりやすく表出。ライブのMCやテレビ番組で垣間見える軽妙なトークも、彼らが広く支持を獲得する理由のひとつだ。そのTHE ALFEEの持つ国民性が、世代やジャンルを超えたコラボレーションを引き寄せているのではないだろうか。この先もTHE ALFEEが活動を続ける中で、彼らならではの斬新なコラボレーションが生まれるのが楽しみだ。