乃木坂46、『真夏の全国ツアー』は地域創生のモデルに 6期生の凱旋公演が生み出す経済効果
今回の『真夏の全国ツアー』では、“凱旋”というテーマがある一方で、6期生の出身地とは別に、3期生、4期生の出身地も公演開催場所として設定されている。宮城公演はその代表例だ。東北楽天ゴールデンイーグルスのファンとしても知られる久保史緒里が築いてきた、地元・宮城での地域密着モデルは、6期生にとっても大きな指標になるだろう。JR東日本とのキャンペーン展開などを含めて、ツアーが地域経済と連動する仕組みはすでに形になっており、これが6期生の“凱旋モデル”と呼べる形で全国に拡張されていく可能性は高いと思う。
また、香川公演はグループ全体ライブとして初めての開催地として注目されている。全国に新しいファンを獲得しながら、既存の地域との絆を強化する多層的な狙いが、『真夏の全国ツアー』には込められていると言えるだろう。
北海道では長嶋、静岡では大越、大阪では増田……と、それぞれの地域で6期生が“主役”としてスポットライトを浴びる構造は面白い。複数の焦点があることで、ファンは複数の“物語”を同時に追いながら新世代を押し出す理にかなった形と言えそうだ。
ミュージックツーリズムの観点からも、メンバーの“凱旋”は地域経済に与えるインパクトが大きいだろう。コンサートだけでなく、ロケ地やそのメンバーゆかりの地へ足を運ぶ“聖地巡礼”の動きをはじめ、地元グルメに触れる機会などが生まれれば、ファン/来場者の地域滞在時間は必然的に伸びる。『真夏の全国ツアー』を単なる音楽イベントから地域創生のモデルへと変えていく。
ツアーで、6期生がどんな姿を見せてくれるのか。北海道の小さな“おかえり”から始まる物語が、聖地・神宮のステージでどんな結末を迎えるのか。世代交代の夏を走る乃木坂46の挑戦から、目が離せない。