推しの“バズ”はファンが作る時代に? ライブ撮可による写真・動画のSNS発信が一般化した背景
ライブ撮影OK文化やSNSでのシェア、なぜここまで一般化した?
では、そんなライブでの撮影OKという文化はなぜここまで一般化してきたのだろうか。そこには、“推し活”という言葉の定着やSNSの進化が大きく影響していると思われる。昔のいわゆる“オタク”という言葉には少しネガティブなニュアンスも含まれていたが、今や、日本の推し活人口は推定1300万人以上(※1)とも言われており、推し活という言葉を聞いてネガに捉える人は少ないだろう。
SNSでも推し活は立派な自己表現の1つであり、アイドルを推していることを堂々と発信することは何ら恥ずかしいことではなくなってきた。アルゴリズムもあり、TikTokやInstagramのタイムラインには自分の好きなものがどんどん流れてくることで、推しへの思いはさらに加速していく。そして、自分だけの推しの特別な写真や映像を手にしたファンが次に取る行動として、推しの魅力を世の中に広めたい、さらに多くの人に知ってほしいという心理が働くのも頷けよう。
当然ながら、推しのすべてのライブやイベントに参加することは難しい。ほんの一部かもしれないが、現在のSNSでは、行けなかったライブの臨場感や一体感、さらには没入感をも味わうことが可能となってきた。同じアイドルを応援するファン同士、思いや情報のみならず、画像や映像もシェアすることで共感が生まれる。推し活において、“共感”は大きなモチベーションだ。SNSはまさに共感の役割を果たし、新たな交流を生み出していると言ってもいいだろう。
このように、“ライブ撮影OK”というエンタメ界の新たな動きは、アイドルファンの心理を絶妙にくすぐり、推し活のモチベーションをさらに高める役割も果たしている。冒頭で触れた“奇跡の一枚”のように、誰もがSNSのインフルエンサーとなって、推しのブレイクのきっかけを作れるかもしれない時代――。ブレイクまでいかなくとも、推しの新規ファン獲得の一助に繋がっていくことは間違いないだろう。そう考えてみると、推し活がますます楽しくなってくるのではないだろうか。これからもルールとマナーを守って、ライブやイベントでの撮影を楽しんでほしい。
※1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000025413.html

























