倖田來未、前代未聞のベスト盤に詰まったエンターテイナーとしての矜持 先駆者が語る『No No Girls』への共感も

MAKIDAI、DJ KOO、AI……人との繋がりで広がる音楽
ーーそして、mu-mo shop盤、ファンクラブ限定盤には「Driving Hit's」シリーズ最新作「Driving Hit's 10」が収録されています。MAKIDAIさんが「WON'T BE LONG」をリミックスするのがアツいというファンの声も拝見しましたが、倖田さんから見て仕上がりはいかがでしょうか。
倖田:MAKIDAIさんは『山フェス2025』で会った時に、「リミックスやってよ」と言ったら「いいよ! え、やっていいの?」と言ってくれて決まったんです。
ーーフランクな決まり方ですね(笑)。
倖田:「でも納期ギリギリなんだけど、1週間でイケる?」と伝えたら、「やる、やる。そうしたら、EXILEでコラボしたから『WON'T BE LONG』やろうか」という感じで(笑)。DJ KOOさんも仕事で会った時に「今度Driving Hit'sを作るんですけど、よかったらやってくれません?」とお願いしました。KOOさんも「全然やるよ」とすぐに言ってくれて、誰よりも早くリミックスした音源を送ってくれて。ちょうど渡されたときに車に乗っていたので、Bluetoothでつなげて聴いてみたら90年代にタイムトリップしましたね。「ここはヴェルファーレですか!?」って思うくらい(笑)。DJ KOOだというのがイントロだけでわかるんですよ。それってすごくないですか? DJ KOOという人が時代を作ったんだとめちゃくちゃ感じたというか。
ーーたしかに。
倖田:もうね、持つべきものは友だちですよね。最近、本当にいろんなフェスにお声がけいただくようになったんです。倖田來未って、あまりアーティストの友だちや、横のつながりがなくて。でもフェスに呼んでいただけるようになって、横の繋がりがすごく増えました。MAKIDAIさんやDJ KOOちゃんに関しても、繋がりが増えたから実現できたと思っています。本来、今回みたいな楽しいコラボがもっとできてたんだなと痛感しましたね。人見知りな性格というのも相まって、今まで殻に閉じこもりすぎていたのかな、と。
ーーそれが意外すぎますよね。そんなイメージがあまりないです。
倖田:やろ? 「GOOD TIME」でコラボしたAIちゃんもそう。昔AIちゃんと一緒にライブハウスを回っていたけど、当時はむちゃくちゃライバル心を剥き出しにしていたんです。それに、AIちゃんはみんなと仲が良いタイプでしたが、私は群れることを一切しないタイプ。プライドが高くて、仲良くすることができなかったんですよね。もちろん今はAIちゃんと全然仲良いですよ。でも、当時から強すぎるライバル意識やプライドがなければ、もっと広がりがあったのかなと、今回のDriving Hit'sを通して感じました。
ーー今回そう思われた倖田さんの今後の広がりも楽しみです。そして、『LIVE IN METAVERSE ~THE BEST~』はライブをイメージしたベストアルバムという繋がりでお聞きしてみたいことがあって。倖田さんはライブにこだわりをお持ちですが、音楽活動におけるライブの重要性をどう考えていらっしゃるのでしょうか。
倖田:そのうち、VRでライブを見るという選択肢が当たり前の時代がやって来ると思うんですね。でも、私はリアルが一番いいと思っていて。リアルなライブは毎公演お客さんとのバイブスによって声色が変わったりもすると思うんです。時にはアクシデントで歌詞を間違えたりしますが、そういうことがあるからこそリアルに勝るものはないんじゃないかなと思うんです。私、MCがめちゃくちゃ長いのですが、毎公演ネタが被らないようにしていますし、時にはピー音を入れなきゃいけないようなことばっかりを話したりもするんです(笑)。そうすることで、何度も来てくれたお客さんも飽きずにライブの“生感”を楽しんでくれるのかなと考えていて。
ーーなるほど。
倖田:それと、お客さんのバイブスとバチッとハマった時が気持ちいい。ステージに立っていると、その日によってお客さんの盛り上がり方がまったく違うんですよ。私に引っ張られて盛り上がっていく時もあれば、お客さんが自発的に「もっと盛り上げていかないと」と盛り上がってくれる時もあって。そういうものって生じゃないとわからないんですよね。Blu-rayやVRでは伝わらないたくさんのものを感じられるのが生のライブの良さなのかなと思っています。
それに、ファンの方々がいい人ばかり。学校と一緒。ギャルほどいい奴っていう(笑)。「1人でライブに行ったら組員(倖田來未のファンクラブ会員の名称)さんに仲良くしてもらいました」、「一緒にご飯に行きました」というコメントがたくさんあるんですよね。親子三世代で来てくださる方もいらっしゃいますし、“ライブ=愛が膨らむ場所”とも思っていますね。
ーー倖田さんご自身は、ライブの場をどんなところだと感じられていますか?
倖田:仕事の中で一番好きなもの! もうすでに秋に始まるツアーの準備も始めています。次のツアーが「De-CODE(読み:ディコード)」というタイトルで、「倖田來未というコードを打ち壊して書き換えること」がテーマになっています。
ーーそう言えばInstagramで『LIVE IN METAVERSE ~THE BEST~』の投稿をされた時に、「出来上がっているものを分解して、CODEを書き換えました」という文がありましたね。
倖田:そうなの! チラ見せ! そういう伏線を結構張っているんです(笑)。ワクワクするテーマができたので、今からすごく楽しみです。
“カッコイイ倖田來未”という核 『No No Girls THE FINAL』出演秘話も
ーー今回の「De-CODE」然りですが、これまで倖田さんはライブでさまざまな姿を見せてきました。お客さんに見せたい倖田來未像は、これまでのキャリアの中で変化してきているのでしょうか。
倖田:変化で言ったら、好感度が高い姿を見せようと思ったこともあった、という部分かな。それでかわいい格好をしたこともありましたが、「やっぱり似合わへんな」と思ったし、倖田來未はかっこよくあるべきという部分はブレちゃいけないなと思って戻したことがありました。ただ、コアなファンの方はドレッシーな“プリンセス來未”で喜んでくれたりもするんですよね。それに応えるために、たまにお姫様っぽいファッションをすることもあります。
ーー時折見せてくださるドレッシーな衣装はそういう背景もあるのですね。
倖田:でも、私は“カッコイイ倖田來未”がお気に入りですね。2023年に行なった『KODA KUMI LIVE TOUR 2023 ~angeL&monsteR~』のオープニングで「Trigger」という曲をやったのですが、それが私自身めちゃくちゃ好きで。かっこいい倖田來未像がやっぱりいいなと思います。
ーー最近『No No Girls THE FINAL』に出演していましたが、時代が倖田さんに追いついた感じがしていて。今主流となりつつある「かっこいい女性像」、「強い女性像」をどう見ていらっしゃるのでしょうか。
倖田:『No No Girls THE FINAL』はSKY-HIから直接連絡をもらったのですが、コンセプトを聞いた時にすごく共感できたし、出演するからには「かましてやる」と思ってセットリストをめちゃくちゃ考えました。1曲目にやった「Bow Wow」は〈うるせーな〉とか〈見たこともないくせに 偉そうね〉という強い歌詞を歌っている楽曲なんです。そういったことを言葉で言ってしまうと角が立つのですが、音楽の上だったら言えちゃうんですよ。『No No Girls』のコンセプトのように、私も周りから色々言われてきて、コンプレックスがあった中で42歳までアーティストを続けてきたので、それを伝えられたらいいなと思ってセットリストを組みました。
ーー出るフェスに合わせて、セットリストを組む。
倖田:そう。どういう子たちが観に来てくれていて、何を求めるのかを分析することで、ピッタリのライブができて評価いただけた、という。環境を見てライブを作らなきゃいけないんだなと再認識した場でもありましたね。でも、本当に時代がついてきたやんな!?
ーーはい。ものすごくそう感じます!
倖田:私ね、先取りが多いんですよ。VRも「Dance In The Rain」(2014年)の時からやっていたんですよ。360度カメラでの撮影もそう。全部一番最初にやっているのですが、話題になるのはその後に出た別の人の作品からが多いんです(笑)! 私は何回も同じことをするのは擦っているように見えるからやらない派なのですが、繰り返すことも大事なんだなって(笑)。ショーン・ポールみたいなすごい方とコラボしたりもしているので、皆さん聴いてくださいね!
ーー仰るとおり倖田さんは新しいチャレンジを次々にされています。それはどんな瞬間にやりたいことを見つけているのでしょうか。
倖田:いろいろですが、例えば今回の『LIVE IN METAVERSE ~THE BEST~』は、家で旦那とご飯を食べながら喋っている時に思いつきました。「ベストアルバムってどう思う? 『パッケージがほしいから買う』にはしたくない。どういうものだったらほしいと思うんやろ」と話をしていて。最初、複数リリースでジャケ写を繋げたら1つの絵になるというようなことを考えたのですが、それもやっぱりパッケージの楽しみになっちゃうよね、と。そうやってああだこうだ話している中で、メタバースでのライブというアイデアがでてきましたね。
ーーKENJI03さんとの関係性が本当に素敵です。ちなみに、実現可能不可能は度外視すると、今チャレンジしてみたいことなどはあるのでしょうか。
倖田:ライブでいうと、お客さんの上を飛んでみたい。でも法律の関係で観客の上は飛べないんです。なので、東京ドームでライブをやった時はエンドステージから花道の上しか飛べませんでした。難しい部分もありますが、いつか自由にお客さんの上を飛び回ってみたいですね。
作品面でいうと、毎月楽曲をリリースしたい! すでにデモテープのストックがたくさんありますし、歌詞もスピーディーに書くことができるし、自宅のスタジオで旦那に制作してもらえるので、どんどん新曲を出したいです。それと、6thアルバム『Kingdom』では全曲MVを作っていたんですね。倖田來未って、CDよりもMVを観ながら聴いたほうが曲が入ってくると言われるアーティストだったんです。なので、また全曲MVを撮る作品を作ってみたいです。今年25周年ですが、それは30周年に向けての一歩だと思っています。30周年に向けてさらにギアを入れていけたらいいなと思っています。
■リリース情報
BEST ALBUM『LIVE IN METAVERSE ~THE BEST~』
発売中
楽曲視聴:https://kodakumi.lnk.to/LIM_THEBEST
購入:https://kodakumi.lnk.to/LIVEINMETAVERSE
商品詳細:https://rhythmzone.net/koda/discography/
■ライブ情報
『KODA KUMI 25th ANNIVERSARY TOUR 2025 ~De-CODE~』
〈東京〉
2025年10月18日(土)
武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
16:00開場/17:00開演
〈東京〉
2025年10月19日(日)
武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
15:00開場/16:00開演
〈大阪〉
2025年12月13日(土)
大阪城ホール
16:00開場/17:00開演
〈大阪〉
2025年12月14日(日)
大阪城ホール
15:00開場/16:00開演
※開場・開演時間は変更になる可能性があります
※ツアー詳細:https://rhythmzone.net/koda/live/tour.php?id=1002715&fdate=2025-10-18&ldate=2025-12-14
■イベント出演情報
『2025年北京スーパーストロベリー・ミュージック・フェスティバル』
5月4日(日)アーティストライブ出演決定
『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』
6月7日(土)アーティストライブ出演決定
■関連リンク
オフィシャルHP:https://rhythmzone.net/koda/
X:https://twitter.com/KODAKUMINET
Instagram:https://www.instagram.com/kodakumi_official
YouTube:https://www.youtube.com/user/KODAKUMINET
TikTok:https://vt.tiktok.com/hxmPd8/
オフィシャルファンクラブ【倖田組】:https://koda.fc.avex.jp/lp/
オフィシャルファンコミュニティアプリ【KK App】:https://www.koda-kumi-app.com/
LitLink:https://lit.link/kodakumi






















