乃木坂46 池田瑛紗&一ノ瀬美空が語る5期生の絆、6期生を迎える新体制への想い 「引っ張るよりも繋いでいきたい」

先輩方から受け継いできた“乃木坂46の思いやり”を6期生へ
──ちょうどこの取材時(※2月後半に実施)は、毎日6期生がひとりずつ発表されているタイミングですが、お2人はもう6期生にお会いしたんですか?
池田:まだ個人でお話ししたことはないんですけど、一度顔を合わせて自己紹介してくれて。
一ノ瀬:なので、ファンの皆さんと同じように、「こんな表情をする子なんだ!」みたいに毎日11時に公開されている動画を楽しみにしているところです。
池田:私、夏組のティザー映像が発表される時、さっちゃん(菅原咲月)と2人で待機していて。
一ノ瀬:私もなぎ(井上和)と待機してた(笑)。
池田:11時に公開されると思ってたら17時だったので、2人でズコーってなりました(笑)。
一ノ瀬:私、前日からなぎのお家に泊まっていて、なぎがホットケーキを焼いてくれて。それを食べながら(6期生の映像を)観るっていうのを動画に撮ったりして、私たちもめちゃめちゃ楽しんでます。
──まだ一人ひとりの個性まではわからないと思いますが、6期生全体の雰囲気に対して5期生との違いを感じますか?
一ノ瀬:全体のバランスやまとまり方が、どちらかというと4期生さんっぽさを感じるねって私たちの間で話していて。
池田:うん、立ち姿とかね。
一ノ瀬:(この取材時点で全員の顔と名前が発表済みの)春組5人の集合写真が出た時に、儚さとか綺麗さみたいな感覚が4期生さんに似ているなと思って。どちらかというと、5期生は個々が強めだったので、雰囲気とか髪型とか顔の感じとかも……。
池田:ふわっとはしているんですけど、もうすでに乃木坂46らしさを感じるなと思いました。
──たしかに、春組5人が並んだ写真を見ただけで、僕も「乃木坂46らしいな」と思いました。
池田:オーディションがどんな感じだったかが、すごく気になります(笑)。
──皆さんも直近で経験してきたからこそ、6期生が待ち受けているここからの大変さは理解できると思います。あの頃先輩たちにしてもらったことを、今度は自分たちが後輩にしてあげる番になるわけですが。
一ノ瀬:加入して1年間ぐらいが、私は精神的にも身体的にも一番せわしなくて。その時期に先輩に連れて行ってもらったごはんとか、話を聞いてくださったこととかは今でも忘れられません。そうやって助けられたことを鮮明に覚えているので、今度は自分が“恩送り”をしないとなと思います。
池田:私は後輩として振る舞うのが上手じゃなかったなと思っているんですけど、それが自分の中で悔いでもあって。きっと6期生の中にもそういう振る舞いがあまり得意じゃない子がいるかもしれないので、私からこういう子を見つけて寂しい思いをさせないようにしたい。それが先輩方から受け継いできた“乃木坂46の思いやり”だと思うので、そういう先輩になりたいなと思っています。

──おそらくこの半年くらい、いろんな場面で「先輩になる準備はできていますか?」と聞かれてきたと思いますが、覚悟が決まっていることが今のお話からしっかり伝わりました。
一ノ瀬:でも、意外とまだまだ実感が全然なくて(笑)。
池田:うん、ないよね。
一ノ瀬:いまだに5期生は甘えたがりというか、「先輩大好き!」みたいな感じだし。
池田:なんなら、6期生の子を初めて見たときに「私たちより大人だ」って思ったし。
一ノ瀬:わかる! 私なんてファンの方から「6期生にお世話されないようにね」と心配されますから(笑)。もっとしっかりしなきゃと思うんですけど、意外とまだ後輩気分が抜けきれていないので、実際一緒に活動するようになってから……じゃ遅いかな?
池田:でも、4期生さんもそんな感じだったって聞いてるよ?
一ノ瀬:なので、準備万端かって言われると、実はまだ至らないところも多いんじゃないかと思います。
池田:私は学生時代、上下の関係性っていうのがすごく厳しかったんですけど、乃木坂46に入ってからは「こんなに優しい世界があるんだ!」っていう、思いやりや優しさにあふれた上下関係を初めて知って。今度は6期生にもそういう接し方をしてあげられるのかなと思うと、今からドキドキしています。

──4期生の皆さんも、5期生が入ってからだいぶ変わった印象があるので、きっとここから今まで見たことのなかった5期生の一面をたくさん目にすることになりそうですね。
一ノ瀬:(小川)彩も先輩風を吹かせるのかなあ(笑)?
池田:それ見てみたい(笑)!
一ノ瀬:(岡本)姫奈とか面倒見がよさそうだし。それこそ、ご卒業された与田(祐希)さんに懐いていたなぎとか(川﨑)桜とかは、めちゃめちゃいい先輩になるんじゃないかなと個人的に思っているので。
池田:先輩の背中を見てきたぶんだけね。
一ノ瀬:彩も最年少だったからみんなから可愛がられてきたけど、本人は先輩になることに対してすごくやる気が伝わってくるので、私たちもそういう同期の新しい一面を見られるのは楽しみです。
池田:彩は同い年の子も入ってきたから、嬉しいだろうしね。
井上&中西Wセンター 「この2人だからこそ出せものがあると思う」
──そんな6期生が加わった新体制での最初のシングル『ネーブルオレンジ』が、3月26日に発売されます。表題曲はノスタルジックさを感じさせる切ない曲調が、従来の乃木坂46らしくもあり、だけど今までになかったタイプの楽曲でもあるなという絶妙なバランス感の1曲です。お2人はこの曲を初めて聴いたとき、どういう印象を持ちましたか?
池田:私、タイトルに色が入っている曲が好きなので、最初に「ネーブルオレンジ」という曲名を聞いた段階で「これは好きかも」と思いました。しかも今回は初めてなぎと(中西)アルノという5期生Wセンターなので、その2人に対して秋元(康)先生はこういう印象を抱くんだな、と。3月末リリースということで春らしさもあるんだけど、確かにおっしゃるように今までの乃木坂46にはなかったタイプの楽曲だなと思いました。
一ノ瀬:爽やかな曲調なのに切なさを感じさせるところが、乃木坂46らしくて好きだなと感じました。春って出会いと別れの季節というイメージがありますけど、まさにそれを彷彿とさせる楽曲ですよね。あと、「ネーブルオレンジ」というタイトルからは爽やかさを感じるのに、歌詞には切なさがところどころに散りばめられているのがいいなと思いました 。
──新しい旅立ちでもあるんだけど、別れも随所に感じられて。きっと聴く人の状況によって捉え方が変わりそうなタイプの歌詞ですよね。
池田:そう思います。私、〈柑橘の青春はどこへ消えたのか?〉ってフレーズがすごく素敵だなと思っていて。
一ノ瀬:いいよね! 私も思った。
池田:青春って文字通り青いイメージがあるんですけど、オレンジ特有の甘酸っぱい感じは確かに青春にぴったりだなって。この2つを組み合わせることが今回のこの曲の根っこの部分になっていると思うと、すごく素敵だなと思います。
一ノ瀬:私は〈少し厚めの この皮のその中に/僕が大切にしてた君がいる〉ってフレーズが好きです。
池田:うんうん、わかる!
一ノ瀬:私、乃木坂46の曲の中でも、特にフルーツが歌詞に出てくるものがお気に入りで、聴いているだけで泣けてくるんです。それこそ「ひと夏の長さより…」(2017年8月発売の18thシングル『逃げ水』収録)も〈愛し合ったこの日々は/種の多いスイカみたいだった〉みたいに、フルーツに喩えて表現した歌詞にグッときてしまいました。今回の「ネーブルオレンジ」も、普通のみかんと違って皮が厚いから剥きづらいから、私はちょっと敬遠しがちなんですけど、厚めの皮だからこそこの表現が当てはまるわけで。秋元先生の歌詞って奥深いなと改めて思いました。

──3年前に5期生が初めて参加した乃木坂46のシングル『Actually...』(2022年3月発売)で、中西さんは表題曲「Actually...」のセンター、井上さんは5期生楽曲「絶望の一秒前」をそれぞれ務めましたが、その2人が今Wセンターとしてグループの先頭に立っていることに対して、お2人はどう感じますか?
一ノ瀬:5期生の中で最初に表題曲センターに立ったアルノと、夏に2年連続でセンターに立ったなぎは、そのポジションの重さを十分に知っているはずだし、この2人だからこそ出せものがあると思うんです。私たちにとっては未知の世界だから、2人の背中がすごく大きく見える時があるので、そういう意味では頼もしいなって思います。その一方で、2人とも堂々と立っているように見えて、時々壊れちゃいそうな弱さを感じさせる瞬間もあるので、そういう時こそみんなで支えてあげたいです。
池田:きっとなぎとアルノにしかわかり合えないことも多いと思うし、そういう関係性もこの楽曲の魅力に昇華されるんじゃないかなと思っています。これから歌番組だったりライブで披露するのがすごく楽しみです。


















