堂本剛、三浦大知、SKY-HI、原因は自分にある。ら勢揃い .ENDRECHERI.主催フェスに溢れたファンクと愛

.ENDRECHERI.主催フェスレポ

 一人で歌い出した「能動」に始まり、ハイカロリーなセットリストで息をつく暇も与えない三浦大知は、「一瞬しかないこの時間を最後まで一緒に楽しんでいきましょう!」とボルテージそのままに「(RE)PLAY」へ。胴体も手足の指先も、宙を飛ぶマイクや躍動するフロアまでも、彼の手にかかれば全てコントロールの範疇だ。MCで「とても愛に溢れた会場だなと、心が温かく熱くなっております」と話していたように、今日初めて見るアーティストがいても瞬時に反応して音に乗って盛り上がるのが、音楽を愛し音楽に愛されたこの日の参加アーティストのファン層を感じさせたように思う。代表曲「EXCITE」では、「持っている方はタオル。持っていない方は拳、またはホットケーキ(.ENDRECHERI.のペンライト)。それいいですよね、ライブ行った時に僕も買いました」と、笑顔でファン心を覗かせていた。

 三浦が何度も「しっかりと盛り上げてあの方に繋ぎたい」と呼びかけたステージの後、満を持して登場した“あの方”こと、主催者の.ENDRECHERI.。手始めに「まだまだ最後まで盛り上がってファンクするぞ!」と、ここからが本当のファンクだとばかりに宣言した。前半は、SKY-HIが1コーラスほどフリースタイルでバースを蹴った「410cake(バレンタインver)」や、三浦が変幻自在のフリースタイルダンスで彩った「.ENDRECHERI. Brother(バレンタインver)」、C&K CLIEVYが「ごめんなさい」+ファンクの「ごめんなfunk」という造語を生み出して盛り上げた「super funk market(バレンタインver)」など、豪華コラボステージが連続。そしてここからソロショータイムへ移った.ENDRECHERI.は、愛を歌う「FUNK TRON(バレンタインver)」、「Rain of Rainbow」、「勃」、「MYND」とノンストップでファンクしていく。

 .ENDRECHERI.が尊敬し、2023年には『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023』で共演を果たしたファンク界の最高峰、ジョージ・クリントンとの念願のコラボ曲「雑味」では、原因は自分にある。が再登場し、バックダンスでサポート。再びソロで「super special love」を聴かせると、次は「Session」をBREIMENとにセッション。ファンクを奏でるアーティスト同士の音の掛け合いに、会場からは自ずと歓声や拍手が贈られた。さらに、.ENDRECHERI.のサウンドを支えるバンドメンバーやコーラスのテクニカルなスキルが楽しめるパートも含め、ステージ上の全員で音楽を作り上げる光景が観客の心を動かした。

 群を抜いた歌唱力と、彼にしか表現し得ないパフォーマンスが証明する、圧倒的な音楽的感度の高さ。.ENDRECHERI.のエンターテインメントは、日本でほかに誰も到達していない境地で進化を続けている。この国で、これほど良質かつ時代の最先端を行くファンクが楽しめる場所は、そう多くないだろう。

 MCも挟まず迎えたエンディングは、オールキャストでの「Wedding funk」。出演者も観客も、その場にいた全員が思い思いに体を揺らして自由に音楽に乗るさまは、エンターテインメントの理想郷のようにも感じられた。この日、日本で一番“エンターテインメント” をしていたのは間違いなく彼らだと思う。もしも、まだ人生でファンクミュージックに触れたことのない人がいたら、入口となるアーティストにはぜひ.ENDRECHERI.を選んでほしい。きっと、想像を超えた最高の音楽体験があなたを待ち受けている。

 「本日はここで待ち合わせをしてくださってありがとうございます」――感謝を述べた.ENDRECHERI.は、最後にこう伝えた。「ファンクとは、命の匂い、命の香りです」「参加してくださった皆さんにアーティストでいてくれることを感謝して、今日皆さんがここに来てくれたことに感謝して、生きていることに感謝と愛を込めて、一緒にファンクと叫びましょう」。

 「Everybody say, FUNK!」の掛け声で幕を閉じた『ENDRECHERI MIX AND YOU FES』は、きっとこの先も多くのアーティストをファンクと愛で繋ぐ、かけがえのない場所になっていくことだろう。.ENDRECHERI.としても全国ツアー『REBORN』開催や、「super special love」がABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』の主題歌に起用決定したことが発表された。.ENDRECHERI.から伝播していく、“誰もが自分自身のままに生きる、自分を愛する”というファンクの精神こそ、今の時代を生きる私たちに必要な心の栄養なのかもしれない。

※1:https://x.com/SkyHidaka/status/1894001570200653887
参考:https://realsound.jp/2023/09/post-1424880.html

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