あいみょん、キタニタツヤ、Aimer、緑黄色社会、MAZZEL、AKASAKI……注目新譜6作をレビュー
緑黄色社会「PLAYER 1」
メンバー4人の作曲スキル、演奏センスがこれまで以上に反映され、バンドとしての強みやポテンシャルを増大させたニューアルバム『Channel U』。本作の充実ぶりをダイレクトに示しているのが、リードトラックの「PLAYER 1」だ。「Mela!」「キャラクター」などの代表曲と同じく、作詞を長屋晴子(Vo/Gt)と小林壱誓(Gt)、作曲をpeppe(Key)、穴見真吾(Ba)が担当。エッジーかつポップなギターリフ、力強い4つ打ちビート、ファンクネスをたたえたベースライン、煌びやかな鍵盤のフレーズなどが絡み合うバンドサウンドも魅力的だが、この曲の軸になっているのはやはり長屋の歌。〈絶体絶命ってチャンスなんじゃないの?〉という歌詞を躍動させるボーカリゼーションは、聴く者の心と身体をナチュラルに引き上げてくれそうだ。(森)
MAZZEL「J.O.K.E.R.」
MAZZELの2025年第一弾楽曲「J.O.K.E.R.」は、日本とオーストラリアを中心に活動しているプロデューサー・Taka Perry、BE:FIRSTの楽曲を数多く手掛けるLOAR(INIMI)、SKY-HIの制作。心地よい深みと圧倒的な疾走感を同時に放つビート、エキゾチックな妖しさを醸し出すサウンドメイク、そして、メンバー全員のボーカル、ラップ、ハーモニーの良さが存分に発揮された、まさに切り札的なダンスチューンだ。配られた手札で勝負を仕掛けるシーンを描いたリリックも刺激的。〈最高じゃ物足んない/Safe zoneをはみ出しな〉に象徴される挑発的なフレーズは、与えられた出自や才能、境遇をもとに、自分たちの運命を切り開いてきたMAZZELの軌跡とも重なっている。日本を代表するダンスチーム Rht.のリーダーKAITAが振付を行ったコレオグラフを堪能できるMVも必見。(森)
AKASAKI「薔薇と散る」
2024年に発表した「Bunny Girl」がバイラルヒット。ストリーミングの累計再生回数が1億回再生を突破し、瞬く間に知名度を上げたシンガーソングライター AKASAKI。高校卒業直前にリリースされた新曲「薔薇と散る」は、ソングライティング、ボーカル、アレンジを含め、彼の新たな成長が実感できる楽曲だ。〈止まらない愛を歌って/華々しく散ったの〉という頭サビで聴く者をグッと掴み、心地よいグルーヴを備えたサウンドで身体を揺らす。なめらかで覚えやすいメロディライン、切なさと可愛さを共存させたボーカルなど、聴き手の記憶に刻まれるフックがいくつも用意されているのだ。歌詞の主人公は、恋を失ったばかりの〈私〉。痛々しくて愛らしい感情描写もまた、幅広い層のリスナーの共感を集めそうだ。(森)
※1:https://www.aimyong.net/news/detail/2481