@onefiveが問いかける“かわいい”の真の意味 無敵の強さに繋がる5年の道のり、4つの「あの日」を振り返る

@onefive、5年の歩みと“あの日”

 2025年の@onefiveは、今までの彼女たちとはまったく違う。

 今年一年を通して「more than kawaii」を掲げて活動していくと決めた@onefiveが、「らいあーらいあー」に続いて新曲「KAWAII KAIWAI」をリリースした「KAWAII KAIWAI」で歌われるのは、世のなかに溢れかえっている“かわいい”という言葉、その表現に対して“かわいい”だけには収まることのない真の価値、自分自身がかけがえのない存在であることを伝えるための宣言だ。今この瞬間にも飛び交い、自分たちも幾度となくかけられた“かわいい”という言葉。その本当の意味を問い、そして言葉の本質を@onefiveは今新たに提示している。

 なぜ今彼女たちは「more than kawaii」を背負うのか、自分たちが音楽に乗せて伝えたいメッセージとは何なのか――その“強さ”と“今”につながっていく5年の歩みと、その道のりのなかにある“あの日”を4人には話してもらった。長い挑戦の季節を経て、彼女たちが今日も笑顔で歌い踊ることができている理由は、きっとその日々とそこで巡らせた@onefiveへの想いにあるのだと思う。いつどんな場面を切り取っても@onefiveがハッピーであること、その無二の強さを感じてほしい。(編集部)

結成5周年と2024年締めくくりの台湾でのステージ

――皆さんは去年12月31日に台湾で開催された『2025台南好young跨年晚會』に日本のガールズグループ代表として出演し、10万人を超える観客の前でパフォーマンスされました。振り返るといかがですか?

SOYO:目の前が本当に人だらけで。「うわ、すごい!」と圧倒されたのがいちばんの記憶です。緊張するというよりもわくわくでした。

GUMI:最近はライブをする機会が増えて、ステージに立ってもあまり緊張しなくなっていたんですけど、私は始まる前はかなり緊張していて。いざステージに立ったら、本当に奥まで人がいっぱい。でも、初めて観てくださる方たちも一緒に盛り上がってくださったおかげで自分も緊張が解けて、とにかく最高に楽しかったです!

――会場に@onefiveのタオルを掲げている方もいましたね。

GUMI:ありがたかったよね!

MOMO:私たちが中学生の頃から応援してくださっているファンの方もいらっしゃったみたいで。目の前で応援してくれている姿を見て、海外から長年私たちに愛を送ってくれていたんだと感じました。

KANO:ずっと緊張していたんですけど、いざ皆さんの前に立ったら「私たちが見たかった景色ってこれだったんだ!」と肌で感じて。それこそ、客席で@onefiveのボードを持ってくださっている方を見て、海外にきてよかったなと思えたし、あらためて心に火がつきましたね。

15VLOG 📹 | 台湾VLOG 2024-2025 part 1

――もうひとつ大きなトピックで言うと、去年10月に結成5周年を迎えられました。

GUMI:いろんな方に祝ってもらえて嬉しかったですし、5周年のライブ(『@onefive LIVEHOUSE TOUR 2024 “Classy Crush”ーー5th Anniversary “5555”』)を開催させていただいて、ケーキも用意してくださって。「もう5年も経ったのか……」とあらためて感じましたね。

MOMO:5周年ライブは、私たち以上に@fifth(ファンの呼称)のみんなの熱意と強い想いが伝わってきて。みんなが私たちのことをどれだけ好きでいてくれているか、応援してくれているのかをより感じられました。ここから気を引き締めて、さらに頑張りたいですね。

SOYO:5周年ライブのアンコール1曲目に、私たちが初めてファンのみんなの前でお披露目した「Pinky Promise」を歌ったら、泣いている人もいたりして。その姿を見て、「この先もみんなの気持ちに応えられたらいいな」と思いました。

――これまで活動を見守ってきたファンの反応を見た時こそ、5年の重みをいちばんに感じますよね。

KANO:そうなんです! 自分たちでは5年も経った実感があまりなくて。数字としてはわかっているけれど、これまでの蓄積を実感することがなかったから、まさにみんなの反応を見て強く感じました。

――グループの結成は2019年ですが、皆さんの出会いはもっと前ですもんね。

SOYO:小6とかだったかな? それよりも前かもしれないです。

メンバー同士が感じる4人それぞれの変化

@onefive(撮影=加古伸弥)
GUMI

――@onefiveになってから「こんな一面があったんだ」とお互いに変化や気づきを得たことはありますか?

KANO:SOYOちゃんはすごく熱い女でして(笑)。

GUMI:「魂!」って感じだよね。

KANO:@onefiveになってから、その熱さを前に出してくれるようになって。みんなのやる気も引っ張ってくれています!

SOYO:恥ずかしい(笑)! でもたしかに、最近は「やるよ!」とか「やってやるよ!」と言うことが多いかも。

KANO:打ち合わせとか最終リハの前とかもですし、ライブの本番前にみんなが緊張していると「ほら、やるよ!」って。姉貴感を見せてくれることが増えました。

GUMI:KANOは、昔から4人のなかでもダンスが上手で。ただ、「自分は頑張るけれど、それを人には強要しません」「干渉はしません」というようなところもあったんです。でも、最近は「ここはこうしたらいいんじゃないかな?」と私たちにアドバイスをしてくれるようになって、まさにダンスリーダーだなって感じています。

――KANOさんは、そうしようと意識されたんですか?

KANO:そうですね。昔は自分のことで精一杯で、自分のことだけを見ていたんです。だけど、今は全体を見れるようになってきて。「この子はこういう癖があるんだな」とか、一人ひとりの癖がわかるようになりました。そこから私なりにアドバイスもするし、メンバーによって伝え方も変えるように意識してます。

――いつくらいからその意識に変わったのでしょう?

KANO:2ndシングル『Justice Day』(2023年8月リリース)からだと思います。そこからダンスがどんどん難しくなっていったんですよね。

SOYO:私たちもKANOちゃんに頼らざるを得ない感じになったね。

MOMO:今までやったことがないダンスに挑戦する機会が増えて。そこからいろいろとティーチャーになってもらっています。

@onefive(撮影=加古伸弥)
KANO

SOYO:MOMOちゃんは昔からしっかりしていて、トークでも毎回引っ張ってくれている存在。その一方で、@onefiveを結成してからは甘えてくれるようになった気がして(笑)。小中学生の頃は、ひとりでなんでもこなすイメージだったんですよ。

KANO:群れない感じだったよね。

SOYO:クールな雰囲気だったのが、最近は赤ちゃんみたいに甘えてくるし、はしゃいでいるし、奇行もすごくて(笑)。みんなと一緒にいる時間を楽しんでいるのが伝わって嬉しいです。

MOMO:嬉しいんだ! それはよかったです(笑)。

GUMI:MOMOちゃんは、人に対して心をあまり開かないイメージだったよね。それでも、当時から私たちの前では変なことを言ってみせたり、変な顔したりしてる時に、「ああ、私たちは仲良しだな」って思ってました。

MOMO:たしかに、昔のほうが大人っぽかったかも。今はどんどん若返ってる感じがする(笑)

SOYO:あはははは!

KANO:あと、MOMOちゃんは昔よりも喋ってくれるようになったよね。

MOMO:コミュニケーションが増えたよね。

KANO:もちろん小さい頃から仲は良かったけど、特別な仲だったわけではなかったんです。でも、@onefiveはこの4人だけだし、一人ひとりとの濃密な時間を過ごしているなかでMOMOちゃんの新しい一面を見ることが多くなったんだと思います。

MOMO:自分のなかで振る舞い方とか人との接し方が変わったのかなと思っていて。3人に限らず、ほかの人に自分をよりオープンにできるようになった気がしています。もともとかわいいものやさらにかわいくすることが好きなんですけど、それを前よりも実践するようになって。この歳になってツインテールにもハマちゃったり(笑)。昔と比べて、自分に正直になったのかもしれないです。

――GUMIさんに変化を感じる部分はありますか?

KANO:GUMIは昔と比べると、考え方が180度変わったなと思います。昔はまわりをすごく気にして、考え込みやすかった気がするんです。今はしっかりまわりのことは見ているけれど、ちゃんと自分の意見を貫く時は貫くし、芯がすごく太くなった気がします。「自分はこうあるべきだ」とか「自分はこう思う」と言ってくれる場面もあって、強い人間になっているなって。

MOMO:昔はどこから見られてもきれいだと思われるようにしているイメージがあったんですけど、最近はより自由になったよね。ギャルっぽくなったなって(笑)。

――見た目で言うと、昔のGUMIさんは清楚な雰囲気でしたよね。

MOMO:でも、急に豹柄の服を着てくるとか、今に繋がる片鱗はあったんです(笑)! 最近はそれが前面に出ていて、自由な感じで、自分の“好き”に全力なのがいいと思います。

SOYO:今が素なのかもしれないね。

GUMI:たしかにそうかも。

SOYO:今のGUMIちゃんのほうが生きやすそう!

GUMI:社会の荒波に揉まれて、ここまで成長できました(笑)。

5年間を振り返る、メンバーそれぞれの「いちばん○○だった日」

@onefive(撮影=加古伸弥)
SOYO

――この5年間を振り返って、いちばん心に残っている日、いちばん悔しかった日、いちばん笑った日……「いちばん○○だった日」はいつでしたか?

KANO:私は、EX THEATER ROPPONGIでのワンマンライブ(『@onefive LIVE 2023ーNO15E MAKER:Overgroundー』)をした日が印象深くて。フロアにいるみんながペンライトを上げてくださっている、あの景色はいまだに忘れられないです。それまではコロナ禍で無観客ライブをしたり、小さな会場でライブすることが多くて。でも、ワンマンの日はたくさんの方が観にきてくださって、「いちばん忘れられないステージになった日」と今でも言えるほど、幸せホルモンが出ていました。

GUMI:私はお客さんが初めて声出しをしてくれたライブが、いちばん記憶に残ってる日です。@onefiveになってしばらくは(コロナ禍で)、お客さんの声を直接聞くことができない環境が当たり前になっていました。声出しが解禁された初めてのライブは、ステージに上がる前からみんなの声が袖まで聞こえていて。ライブが終わるまで、感動してずっと泣きそうでした。私は忘れっぽい性格なんですけど、あのライブだけは今でもはっきりと思い出せるぐらい記憶に残っています。

SOYO:私は、いちばん愛を感じた日かなあ。前回のツアー(『@onefive LIVEHOUSE TOUR 2024 "Classy Crush"』)で大阪に行った時、小学校からずっと一緒だった地元の友達たちが初めてライブを観にきてくれたんです。ひとりずつソロを歌うパートがあって、私はその友達に向けて「いつも支えてくれてるのはあなたたちだよ」という気持ちを込めて歌いました。そうしたら泣いてくれてる姿が見えて。ライブが終わったあと、「SOYOに支えられてるのは私たちだよ!」「ずっと応援してるからね!」と言ってくれて。私はいろんな人に愛されてるんだなと感じたし、みんなを支えられるような存在になりたい、そう思った日でした。

MOMO:私は、いちばん焦った日がありまして(笑)。4人で出演させていただいた『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』の公開の際に、舞台挨拶に参加させていただいたんです。そこで出演者の皆さんや監督さんとトークをするなか、@onefiveの誰かが話を振られた時には必ず主題歌の「Chance」の宣伝をするという使命がありまして。どの質問で曲の話に繋げようか、登壇中ずっと考えていて。しかも、舞台挨拶だから一日にいくつも映画館をまわるんですけど、毎回質問も違うし、「主題歌を担当されていますよね?」という質問がされるとは限らないので、ずっと焦っていたのが印象に残っています(笑)。特に大阪は焦った!

全員:あはははは!

MOMO:大阪では台本にない質問をされて(笑)。最初から台本に書いてないことを聞かれて、「え、ヤバい!」と思って焦りました。でも、そこでどうやって「Chance」を宣伝するのかと考えましたし、戦略を立てる力が身につきました!

KANO:「Chance」に話を繋げて宣伝するのは私たち全員のミッションだったけど、結局は3人でMOMOちゃんを見てたよね(笑)。

MOMO:「ちなみに、私たちは……」って、すごい角度から曲の話に繋げました(笑)。

GUMI:その姿を見て頼もしかったです。

――4人とも「いちばん悔しかった日」とか「いちばん泣いた日」とか、悲壮感やネガティブな回答が出てこないのは、すごく@onefiveっぽいと思いました(笑)。

全員:あはははは!

KANO:私たちは基本ハッピーだもんね!

MOMO:マイナスな感情やそういう思い出にとらわれていると、やっていけないんですよ。なので、楽しい記憶を印象づけようとか、楽しいことを増やそうとしているのはあるかもしれないです。

GUMI:私たち4人がヘコんで超バッドな時でも、それが逆に笑い話になっていくから、ハッピーなグループだなと思います。

――楽曲もネガティブなことを吹っ切って堂々と歌う歌詞が多いので、4人の姿勢と@onefiveの音楽はすごくリンクしていますよね。

MOMO:本当にそう思います!

@onefive(撮影=加古伸弥)
MOMO

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