-真天地開闢集団-ジグザグ、横アリ公演で強固になった高みを目指す覚悟 「バンドをレベル100まで持っていかなきゃ」

ジグザグ、横アリで強めた高みを目指す覚悟

ジグザグメンバーの横アリ名場面は?

-真天地開闢集団-ジグザグ 命

ーーいいエピソードですね(笑)。そして、やはり印象的だったのがトロッコです。「最高だZ」で命様が1周して、「拙者忍者、猫忍者。~木天蓼三毛蔵と町娘おりん~」では3人とも1周しましたね。

命:乗りましたねえ。最初はアリーナならではのことをやりたいというところから始まったんですけど、みんなでダンスしながら1周回って、マジで最高でした。

ーーかなり盛り上がっていましたよね。あれができるロックバンドはかなり限られていると思うので、さすがジグザグだなあと。

命:ははは! 本当にジグザグで良かったです。昔を知ってる人からすると、「え、ジグザグがトロッコ!?」と思うところはあると思うんですけど……結果、大正解でしたね。あるとないでは、このライブの良さが変わってたんじゃないかなって思うくらい。というのも、トロッコでアリーナを1周回ることで、お客さんの表情が一番後ろの方まで本当に見えたんですよ。正直、ステージからだと距離があるから、後ろのほうで見ている人はどんな表情をしてるんだろうって思ってたんです。でも、実際にちゃんと一人ひとりの表情が見えると、どの場所でもみんなが嬉しそうにワーッて手を振ってくれていて。老若男女問わず、ちっちゃい子供から年配の方まで、すっごくいい表情で手を伸ばしてくれてたので、泣きそうになりました。こんなにたくさんの人たちが俺たちを求めてくれていて、俺なんかに喜んでくれて……本当に幸せをもらいました。メンバー全員で回れたのもよかった。

龍矢:もちろん今までもお客さんの表情が見えることはありましたけど、あれだけ近い距離で全員の表情が見えるのは初めてだったので、すごく嬉しかったです。意外と男性が多くて、僕自身はライブを観に行っても恥ずかしがってちょっと手を振る程度になりがちなんですけど、みんなまったく遠慮せず手を振ってくれていて(笑)。男性に限らず、そういう喜び方を肌で感じられたので、トロッコは大正解だったなと思います。

-真天地開闢集団-ジグザグ 龍矢
龍矢

ーー影丸さんは初めてドラムセットから離れて、アリーナの広さを体感したんじゃないですか。

影丸:はい! もう、最高に楽しかったです。そもそも、僕はドラム叩かなくて良くなった瞬間、プレッシャーから解放されてめっちゃ元気になるんですよ。それに加えて、トロッコで回っていいんすか!って。お客さんがうしろのほうまでいてくれてることが改めてわかってたし、ふたりが言ったように表情も見えて。トロッコから帰ってきてからの曲は、ちょっと違うマインドで演奏するようになったと思います。最初からちゃんとやっていましたけど、この人たちに届けたい、後ろの方まで届けようっていう気持ちがより強くなりました。

ーー「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」からの「猫忍者」という流れも良くて。「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」は新しいパーティーソングとしてしっかりパワーを発揮してましたね。

命:大盛り上がりでしたね! あそこまでトランス系の曲は初めてだったのもあって、ペンライトを導入したのがばっちりハマってました。「バリネギ -sexy green onion-」もそうですけど、新曲が大活躍してくれました。

ーー最新作『Gran ∞ Grace』で作った武器がまさに爆発したなと。

命:そうですね。戦力として、ちゃんと戦える新曲がほしいという気持ちが強かったのでよかったです。ずっと昔の曲に頼りっぱなしというかーー「きちゅねのよめいり」と「復讐は正義」をやっておけばいい、みたいになると、バンドとして未来がないなと思うし。

ーー「ネギ」のようなハードロックナンバーであれだけ盛り上がるのは新鮮でした。

命:「ネギ」も、ペンライトがあったからこそ、あれだけ気持ちがアガったんじゃないかな。

龍矢:命様が「おまえらもネギ持ってるぞー!」って言ってライトが緑になった瞬間、めちゃくちゃ盛り上がりましたもんね。ライトが緑になっただけでそんなに喜ぶ!?って(笑)。

命:テーマパークのアトラクションみたいな(笑)、みんなで参加している感じが良かったですよね。

ーー「JAPPARAPAN」と「猫忍者」で大盛り上がりしたあとに、バラードの「傷と嘘」が来るところがジグザグらしいなと思いました。「傷と嘘」は、「広い会場で演奏することを想像して書いた」という夢を武道館からずっと膨らませ続けてきた曲で。ついに横浜アリーナまで来ましたね。

命:いやあ、ほんまにそうですね。みんなの大合唱の声が大きくて、響き渡っていて……夢物語のようでした。現実味がないというか、夢心地でした。すごいことやってるなー、すごいとこに立ってるなーって。だって、広い会場を想像してたと言っても、1500人~2000人くらいのホールでできたらいいなあって気持ちでしたから。アリーナの規模は夢にも思っていなかった。

ーー命様の歌の響き方も素晴らしかったです。演奏面では、アリーナでやってみての難しさや楽しさはありましたか?

影丸:演奏面は特に変わらなかったですけど……やっぱり「きちゅね」ですよね。

命:はははは!

影丸:今回のツアーからワイヤレスになったので、「きちゅね」中盤のドラムを叩かないところで命様にチョケに行くというおふざけをやってたんですよ。ホールツアー中は全部成功してたんですけど、横アリで花道まで出て行ったら想像より距離が遠くて、ドラムに戻るタイミングが遅れてしまって。走って帰って「ちゃんと戻れたかも」と思ってドヤ顔で叩き始めたら、一拍ズレてたっていう(笑)。しかも、命様が言ってくれるまで全然気づかなくて、みんながズレてると思ってた。

龍矢:僕とサポートギターがどれだけ影丸さんに目配せしても、「僕に任せて!」みたいな顔してて(笑)。

影丸:むしろふたりが困ってると思って、「こっちだよ」ってリズムできっかけを作ってたつもりだったんですよ。そしたら、「影丸、ズレてる!」って命様に言われて、「あ、僕か!」って。

命:なんで自分を疑わへんねん!(笑)。

影丸:自信満々でやってました(笑)。

命:まあ、ドラマーはそれくらい肝が座ってないとダメですけどね。自分が間違ってるかなってビビってるようじゃ、プレッシャーにやられちゃうからね。

影丸:もう今後は何も怖くないです!

-真天地開闢集団-ジグザグ 影丸
影丸

ーーははは。チームワークで乗り切って、むしろ名場面になっていましたよね。改めて、WOWOWでの放送に向けて、注目してほしいシーンやポイントはありますか?

影丸:命様のオリジナルソングをもう一回聴けるのは嬉しいですよね!

ーー命様の弾き語りコーナーで歌ったクリスマスソングですね。名曲でした。

命:名曲ですよねえ。僕が中学2年生頃に作った曲で、当時一番気に入ってた曲だったんですよ。ホールツアーでは各地で縁のあるアーティストの曲をカバーしてたんですけど、ファイナルはせっかくクリスマスやからクリスマスソングをやろうということになって。「……ちょっと待てよ、そういえばクリスマスソングあったぞ!」と思い出して、誰も聴いたことがないクリスマスソングを初お披露目しました。まだ1回も世に出してない、中学の時に作った曲をまさか横浜アリーナで歌うとは……ライブハウスとかじゃなくて横アリでやったからこそ意味があったと思います。胸熱なシーンでしたね。

ーーしかも、その時と同じ弾き語りというシンプルなかたちで。

命:そうですよ。当時フォークデュオを組んでたんですけど、その時の相方が知ったら号泣するんちゃうかな。僕自身もめちゃめちゃ感慨深い気持ちになりました。

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