チャーリーxcx、海外メディア年間ベストを総なめ 大統領選まで“緑”に染め上げた影響力
また、彼女自身が絶大な影響を受けた90年代のUKレイヴカルチャーの意匠が色濃く投影されているのも重要なポイントだ(今思えば、昨年2月に開催されたBoiler Roomとのコラボイベント『PARTYGIRL』は『BRAT』の本格的なプロモーションの幕開けでもあった)。『BRAT』を巡る大きなトピックといえば、10月にリリースされた豪華ゲスト(ビリー・アイリッシュ、アリアナ・グランデ、トロイ・シヴァンなど)を招いたリミックスアルバム『Brat and it’s completely different but also still brat』だが、まさに「brat」のムーブメントはチャーリーxcxが主催者を務め、その価値観に共鳴する人々が集まった、最高にクールなパーティでもあったように感じられる。全英チャート1位を記録した「Guess featuring billie eilish」を筆頭に、こうした動きは「brat」という言葉の持つクールなイメージや、人々からの憧れをさらに加速させていった。
『BRAT』は単純に優れたポップアルバムであり、各メディアの年間ベストアルバムリストを集計したAlbum of The Yearの「2024 Music Year End List Aggregate」では、2位のFontaines D.C.『Romance』(これも素晴らしい作品だ)に倍以上のスコア差を付けて堂々の1位(※1)を飾っている。間もなく授賞式が開催される『第67回グラミー賞』においても、チャーリーxcxは主要2部門(年間最優秀レコード「360」、年間最優秀アルバム『BRAT』)を含む全9部門にノミネートを果たしており、その評価は今後さらに確立されていくことだろう。
だが、最も重要なのは、2024年という近年でも稀に見るほどに混沌とした年において、私たちが『BRAT』という作品、あるいは言葉自体から大きなエネルギーを得ることで最後まで踊り続けることができたということだ。「brat」の反抗的で、傲慢で、大胆なエネルギーこそが、今の私たちには必要だったのである。そして、このパーティーはまだ終わりを迎えることなく、『Coachella Valley Music and Arts Festival 2025』を含むワールドツアーへと続いていく。
※1:https://www.albumoftheyear.org/list/summary/2024/
■リリース情報
チャーリーxcx『BRAT』Japan Edition
発売中
価格:¥2,940(税込)/WPCR-18722
<収録曲>
01. 360
02. Club classics
03. Sympathy is a knife
04. I might say something stupid
05. Talk talk
06. Von dutch
07. Everything is romantic
08. Rewind
09. So I
10. Girl, so confusing
11. Apple
12. B2B
13. Mean girls
14. I think about it all the time
15. 365
16. Talk talk featuring troye sivan*
*ボーナス・トラック
日本オフィシャルサイト:https://wmg.jp/charlixcx/
YouTube:https://www.youtube.com/@officialcharlixcx
X(旧Twitter):https://x.com/charli_xcx?lang=th