2025.02.01 12:00

A.B.C-Z、再発見＆再評価されるアイドルとしての魅力　メジャーデビュー13周年に加速する第2章の歩み

　これまでバラエティ路線を河合と塚田僚一が担ってきたA.B.C-Zだが、4月から開設した公式YouTubeチャンネルでバラエティ枠の筆頭に躍り出たのが五関晃一だ。口数少なく振付もこなす“職人”のイメージのある彼が、「緊急で動画を回しています」や「～がてら」などのゆるいソロ動画で注目を集めたのだ。ファン的には「世の中に、ついに五関さんの面白さがみつかってしまった」という感覚だろう。しかしA.B.C-Zにはまだ、戸塚祥太という“奇行子”が控えているのも末恐ろしい。作りこまれた企画動画ではなく、企画よりもキャラを重視した内容に、ワンカメ撮影、テロップなしという手作り感あふれた動画もA.B.C-Zらしさを引き立てる要素となったのは間違いない。

緊急で動画回してます

爪切りがてら

　順調に新体制にシフトしたように見えるA.B.C-Zにも、大きな危機があった。センターを務める橋本が『君じゃなきゃだめなんだ』リリース直後から、体調不良のため一時活動を休止することを発表。夏に主演が決まっていた舞台『SLEUTH / スルース』も降板することになり、代役をメンバーの戸塚が急遽務めた。橋本はアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』リリース翌日の8月22日に行われた『めざましライブ』でライブ復帰を果たし、ツアーに無事に参加することができた。しかしそのツアー『A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R』は、スタートとなる8月31日と9月1日の大阪公演が台風10号の影響で延期されるという予期せぬ事態が発生。ツアー中盤には塚田が腰を負傷し、パフォーマンスを制限せざるを得ない事態に陥った。それらを乗り越えた11月4日の大阪・オリックス劇場でのツアー千秋楽……、延期となっていた初日の振り替え公演では、客席のファンが彼らの持ち歌である応援歌「サポーターズ！」を歌うというサプライズが行われたが、A.B.C-Zがいつもライブでファンと一緒に叫ぶ「俺たちとみんなで、A.B.C-Z！」という言葉が形として見えた瞬間だったのではないだろうか。

A.B.C-Z / I-MI-JI (from A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R)

　個人では、毎年各人が舞台を中心に活躍。しかし2024年は、個人での音楽活動も活発化。塚田は、自身がプロデュースするアイドル・塚☆リカを4月から本格稼働させ、ライブハウスツアーの開催や世界最大のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』出演などで爪痕を残した。そして音楽的に大きな挑戦をしたのが、バンダナを外し、髪を切ってその美しさがひと際目を引いた戸塚だ。戸塚は『戸塚祥太 Solo Tour 2024 guerrilla love』を開催。ロック好きな彼だけに生バンドを率いたツアーで、その音楽愛と世界観を昇華させた。

　グループとしても個人としても成長し、新しい魅力や可能性を開花させた2024年。ときに試練に直面したが、彼らは常にポジティブなエネルギーと飽くなき挑戦心で前進し続ける姿を見せてくれた。また2024年は、アイドルとしてのA.B.C-Zが再発見され、再評価された年でもある。この一年で培った経験と絆は、今後の活動において大きな武器となるだろう。

　2025年2月1日にメジャーデビュー13周年を迎えたA.B.C-Z。この日より、過去アルバムがサブスクで解禁される。また3月19日には、4人体制初となるツアー『A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R』がパッケージにてリリース、さらには同ライブ音源の配信も発表されている。2025年のA.B.C-Zの動きも楽しみだ。

※1：https://realsound.jp/2024/06/post-1673463.html