日向坂46が迎える転換期、勝負の一年へ グループが直面する課題、求められる次なる一手を探る
日向坂46が大きな転機を迎えようとしている。1月6日、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈が13thシングル『卒業写真だけが知ってる』の活動をもってグループを卒業することを発表した。1月25日には東村芽依も卒業セレモニーを開催。間もなく、グループからすべての一期生がいなくなることになる。
一期生といえば、日向坂46の前身となるけやき坂46(ひらがなけやき)時代を知るメンバーたちだ。2015年11月30日の結成から2019年2月11日に改名するまで、けやき坂46名義として活動してきた。そのグループ名が表すように欅坂46のアンダーグループとしてスタートし、約3年3カ月にわたり、自分たちのアイデンティティを模索。「けやき坂46らしさとはどういうものなのか」を探し求めていた。
かつて一期生としてグループを支えていた井口眞緒、柿崎芽実、影山優佳による雑誌『ENTAME』(徳間書店)2017年7月号での対談はとても象徴的だった。「過去のことも未来のこともよく考えられないので、今のことを考えようと思ってます」(井口)、「けやき坂46がどうなっていくのかまだ分からない部分もあって。今後の自分たちの頑張り次第だと思ってます」(柿崎)、「漢字さんと明確に別グループだと思われるくらい成長していきたいです」(影山)と語り、自分たちが何者であるか、この先どうなるのか、いずれも不透明であることを窺わせた。
2019年2月11日、長い“自分探し”を経て、ようやく自分たちの名前=日向坂46を手にしたことの喜びの大きさは計り知れなかった。そしてそれは、今なおグループ史上最高ともいえる、一期生たちを中心とした功績にほかならない。だからこそ“一期生全員卒業”という転機が訪れた2025年、グループとしてどのような方向性で進むのかが問われる場面が増えるのではないだろうか。
そもそも日向坂46がこれまで育んできた一番の魅力であり、また原点は何なのか。それはやはり“ハッピーオーラ”と称される、明るさだろう。グループ名やファンの呼称・おひさまが表すように、太陽のごとくいろいろなものを照らし出し、そしてパワーと幸せを与えるもの。2018年から放送された冠番組『ひらがな推し』(テレビ東京系)はそんなメンバーたちの燦々とした個性を見ることができた。
しかし近年、グループが直面している課題が語られることも。2023年末には『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への連続出場が途切れたことで、金村美玖が公式ブログで「誰かの指示を待つとか、与えられたことをやるだけじゃなくて、この厳しい状況に危機感を持たないとグループを変えられないと感じていました」(※1)とリアルな実感と厳しい言葉を綴った。