『No No Girls』が心を惹きつけた理由はちゃんみなの手腕にあり? 参加者への母性とプロデューサー観
「中指立てちゃダメ、自分の過去に」
ちゃんみなが参加者たちに接する姿からは、常に愛が滲み出ていた。それは他者へと向ける愛ではなく、参加者たちの人生を自分ごとのようにとらえて、まるで母のようなあたたかい空気感で話すようなものだ(実際、Hulu完全版でも妊娠していることを参加者に明かした際に「みんなのママも務めさせてもらうので」と話していた)。そんななか、4次審査の結果発表時にCHIKAに対して述べたのは、「いい加減にしろ。自信のない感じはもうここまでだよ」「過去のCHIKAを讃えてほしい」という言葉。「中指立てちゃダメ、自分の過去に」――そう伝えた場面は、本オーディション中、「No HATE」を最も体現していたと言えるだろう。
@hulujp オーディション番組『No No Girls』 ❤️🔥 完全版❝最新話まで全話❞Huluで独占配信中! 完全版を一気見できるのはHuluだけ💎 動画の続きは完全版#4へ🎬 《Hulu》 🗓️毎週日曜12:00配信 《BMSG YouTube Ch》 🗓️毎週金曜20:00全世界配信 #NoNoGirls #NNG #ノノガ #BMSG #SKYHI #ちゃんみな #Hulu ♬ オリジナル楽曲 - Hulu Japan
“お金をもらっている”という事実には責任が伴い、一度観客の前に出たならば、ステージの上ではプロであり続けなければならない厳しい世界。ガツンと食らうような言葉でも、世に出る前にこうして気づかせることが、アーティストになった時の参加者たちを守ることにも繋がる。『No No Girls』というオーディションは、弱い自分を自らの力で乗り越えてこそプロへの道は拓かれること、そしてステージ上でどれだけ輝いていて無敵に見えても、実は見えないところでアーティストは人生をかけて努力し続けているのだということを、視聴者としても目の当たりにし、新たな気づきをもたらすきっかけとなったのではないだろうか。
「大丈夫だよ、泣きな」
5次審査のレコーディング中、一方でちゃんみなは、新しい歌い方を学んだことで自分らしい歌声が出せずに思い悩んでいたJISOOの様子が気になっていた。真面目で完璧主義な彼女に対して、ちゃんみなは「JISOOがこの曲でどんな自分を表現するのかがいちばん重要だから」「違う声を作らなきゃって考えたら絶対にダメ」とJISOOの母国語である韓国語でアドバイスし、「泣くのを我慢したら体によくないよ」「大丈夫だよ、泣きな」「お疲れさま」と寄り添った(ちゃんみな自身が日本人の父と韓国人の母を持ち、日本語・韓国語・英語を話すトリリンガルである)。「ちょっと安心しました。いっぱい我慢していたんだろうなって」と、日本にきてから一度も泣いたことがなかったというJISOOの様子を気にしていたように、言語の異なる国にひとりでやってきて不安や心細さも感じていたであろうJISOOには、他の参加者とは別の角度から気を配っていたのではないだろうか。不安そうな顔を見せたJISSOに対して、「歌い直す?」と本人から発するのは難しかったであろう言葉を投げかける姿は、まさに母としての姿だった。こういった場面で、母国語で気持ちを吐露できたことは、JISOOにとって非常に心強く、安心した瞬間だっただろう。
このほかにも、審査前日にピサパーティーを開催したり、参加者からちゃんみなへサプライズでベビーシューズをプレゼントしたりと、互いに愛とリスペクトを持って関係性を築き上げてきたちゃんみなと参加者たち。1月11日にKアリーナ横浜で行われた最終審査『No No Girls THE FINAL』では、ついにデビューメンバーが発表され、CHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7名が新ガールズグループ「HANA」に決定した。
長い時間をかけてゆっくりじっくりと自分を知り、驚くべき成長を遂げてきた参加者たちは、日本、そして世界の人々に希望と勇気を与え、これまでにないムーブメントを巻き起こしていく存在になること間違いないだろう。ちゃんみなという誰よりも強い母のもとに生まれたHANAをステージで見られる日が、今から待ちきれない。

























