moon drop、『Sweetest』で伝えたいメッセージとは? 「僕らのラブソング」「みよじ」誕生秘話を深掘り

moon drop、『Sweetest』で伝えたい想いとは?

「みよじ」、初のウエディングソングの誕生

ーー今回のアルバムの中で、もう1つの特に重要な曲が、moon dropにとって初のウエディングソング「みよじ」だと思っています。いろいろなラブソングがある中でも、ウエディングソングって、1つの究極なんだろうなと感じていて。この曲が生まれるに至るまでの経緯について聞かせてください。

浜口:やっぱり、ラブソングだけを歌い続けるバンドとして、ウエディングソングはいつか絶対に書きたいって思っていました。数年前からトライはしていて、実はこの曲の他に、2、3曲ぐらい、ウエディングソングとして書いていた曲もあったんです。ただ、今言ってもらったとおり、ウエディングソングって1つの到達点じゃないですけど、生半可な曲じゃ出せないなって気持ちがずっとあって。いい曲だけど、moon dropのウエディングソングとしてはどうなんだろうって思いながら、今までなかなか出せずにいたんですけど、この曲だけは歌詞とメロディの馴染みというか、最初に歌った時に「これだ」「この曲を絶対に形にしたい」って直感的に思えたんですよね。

清水:聴いてみて一番最初に思ったのが、2番で結婚相手のことじゃなくて、親のことも書いてるのがめちゃくちゃ飛雄也だなって。飛雄也って、家族のことが大好きで、地元にも結構帰ったりしているから。初めてのウエディングソングって、僕が作詞する側だったら相手のことをめっちゃ書きたいって考えてしまうと思うんですよ。でも、あえて親のことも歌ってるのがすごい、なんかもう、飛雄也の優しさ、人間性が滲み出た曲なんやなって。

浜口:ありがとうございます(笑)。

ーーちなみに、「みよじ」の「よ」が大きくなっているのは、意図的でしょうか。

浜口:ちゃんと、わざと「よ」を大きくしてあります。っていうのも、僕、田舎出身で、なまりじゃないですけど、ずっと「みよじ」って刷り込まれていて。大きくなった時に初めて「みょうじ」が正しいって知ってすごいびっくりしたんです。でも、あの頃の真っ直ぐな気持ちのまま、この曲は「みよじ」と呼びたいなと思って、このタイトルにしました。なので、間違いではございません。

ーーこの曲の制作過程についても教えていただけますか?

浜口:この曲は、弾き語りの段階ですでにフルコーラスぐらいあって。それと、アルバムの中で1曲アコースティックっぽい、他と雰囲気が違う曲にしようって思ってて。であれば、アレンジャーの松本ジュンさんに、弾き語りの段階で1回投げてみるのもありなんじゃないかっていう意見が出て、それで、松本さんといろいろ意見を交わしながらアレンジを作っていきました。

ーーストリングスが導入されていますが、浜口さんとしては、この編曲のアイデアをどう受け取りましたか?

浜口:松ジュンさんから送られてきたアレンジを聴いて、すぐに松ジュンさんにLINEしたぐらい、イメージどおりすぎてびっくりしたことを覚えてます。

原:レコーディングの時に、松ジュンさんがストリングスの皆さんを連れてきてくださって演奏するところを生で見せていただいたんですけど、生ってこんなに音がすごいんだと思って、鳥肌ぶわって。すごくいい経験ができたなって思いましたね。

清水:4人だけでも迫力がすごかった。あの時、オーケストラのコンサートを観に行きたいなってめっちゃ思ったけど、金髪って(コンサート会場に)入れんのかなって。

全員:(笑)。

ーー違う領域の方たちと一緒に音楽を作るのは貴重な経験ですよね。前回のアルバムでは、松本さんが編曲を手掛けた曲は1曲でしたが、今回は4曲に増えていますね。

浜口:そうですね。曲をいろいろと一緒にやっていくうちに、お互いの癖がわかってきて、うまく言えないんですけど、音の感じ方がすごい自分と似てるっていうか、マッチ具合がすごい。ライブに関してもそうなんですけど、僕らってやってる音楽と比べてライブは意外と元気だったりするんですけど、そういうところも松本さんのプレイスタイルがすごくマッチしてるなって。一緒にできるようになって、本当に運がよかったなと思います。今回のアルバムでは、SUNNYさんにも4曲の編曲を担当していただいているんですけど、同じことをSUNNYさんに対しても感じていて、だから、すごい恵まれてるなって嬉しく思います。

moon drop(撮影=山川哲矢)

ーー「みよじ」は初のウエディングソングとなりますが、きっとmoon dropのウエディングソングをずっと待ち望んでいたファンの方は多いのではないかと想像します。

浜口:たまたまなんですけど、この曲をレコーディングしてる時に、ちょうどファンの方から「近々結婚するんですけど、いつかmoon dropにウエディングソングを歌ってほしいです」っていうメッセージが届いて、これはもう運命なんじゃないかって。そういう期待に応えられる曲ができたのが嬉しいですし、聴いてもらえるのがすごく楽しみです。

ーー満を持してって感じですよね。今のエピソードを聞いて、moon dropはラブソングを歌い続けるバンドであるのと同時に、人生を歌っているバンドなんだなと改めて思いました。

浜口:ありがとうございます。たしかに、その比重は年々変わってきてるかもしれないですね。今までは視点が恋愛にグッて向いてたんですけど、最近は、恋愛ってイコール人生なんじゃないかっていう考え方の曲が増えてるんですよね。それが、最初に(清水)琢聖が言ってた“大人っぽい”に繋がってるんじゃないかと思います。

坂:あと、この曲はサウンド感を含め、今までのmoon dropの楽曲の中で一番J-POP色が強いんじゃないかなと思っていて。この曲では特に、バンドサウンドを全面に出すのではなく、歌がグッと前に出ていてメッセージが伝わりやすい曲になっていると思うので、ファンの方にどう届くのかがすごい楽しみですね。

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