櫻坂46 三期生、11人が咲かせた満開の桜 グループを支える存在になるまでの2年の歩み
7thシングル『承認欲求』、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』での選抜入りの経験を経て、9thシングル『自業自得』では、山下が初めて表題曲でセンターを務めた。ここから櫻坂46は大きく舵を切り、未来を見据えた三期生を中心とした土台づくりを徐々に始め、テレビ番組やバラエティ番組などでも、三期生が活躍する場が増えていく。三期生として活動していくことで、逆説的にスポットが当たったのが一期生と二期生でもあり、『櫻坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』や6thシングル表題曲「Start over!」で出場したこの年の『紅白』におけるパフォーマンスは、改めて先輩たちの偉大さを感じさせる1年でもあった。
そのひとつの集大成となったのが、『新参者 Live at THEATER MILANO-Za』以来となる2024年開催の単独公演『三期生ライブ』である。小田倉麗奈と向井は東京公演を欠席することになったが、大阪公演では向井が制限付きではあるものの復帰。小田倉の想いも背負い、心は11人でパフォーマンスを届けた。村井がセンターを務めた「Nobody's fault」を始め、石森、遠藤、小島、中嶋が歌唱したユニット曲「制服の人魚」、三期生楽曲「Anthem time」など、新旧織り交ぜたセットリストで魅了し、石森や村山のコンセプチュアルなソロダンスや和やかなトークも三期生の成長を感じさせる一幕だった。極めつけは「静寂の暴力」。山下は『B.L.T.』2025年2月号(東京ニュース通信社)のインタビューで「この曲は安定しているように見せると良くない」と話していたが、初披露となった『IDOL RUNWAY COLLECTION Supported by TGC』(2023年)から現在に至るまで、「静寂の暴力」のパフォーマンスはメンバーたちの成長とともに常に変わり続け、毎回ライブで見る度に驚きと発見があるように感じるのだ。これこそ、櫻坂46のパフォーマンスの根底にある精神であり、先輩たちが築き上げてきた櫻坂46の色でもある。
『blt graph.』vol.108(東京ニュース通信社)のインタビューの中で、中嶋は「今考えると『おもてなし会』や『新参者』の時はまだ個人戦だったのかもしれないと思うくらい、『私達が一番私達のことを分かり合えているし、一番好きだし大切だよね』っていう気持ちを全員で共有しながら取り組めたのが『三期生ライブ』だったと思います」と明かしていた。そうした期間を経て挑んだ『櫻坂46 4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』、そして昨年末の『紅白』での成熟した姿は、櫻坂46が正しい方向へと進んでいることを感じさせた。
加入3年目となる2025年は、三期生にとって初めての後輩となる四期生の加入も控えている。三期生曲の「マモリビト」には、〈若く 強い後人が次にやって来る日まで/誰一人ここを動かない〉という歌詞がある。今度は先輩たちから受け継いだ愛や思いを、後輩たちへと伝えていく番だ。櫻坂46の未来は三期生が担っていく――2025年も11人の活躍が見られるのが楽しみだ。
























