Spotifyで2024年に“億超え”の再生数を達成した楽曲は? ヒット&定番ソングを知る新たな指標に

 楽曲のストリーミング再生回数が1億回を突破すること、いわゆる“億超え”が近年の新たなヒットの指標として定着しつつある。2024年も多くの作品が億超えを達成し、ヒットソングの仲間入りを果たした。

 Spotifyは、Spotify内で億超えした楽曲をXの公式アカウントで逐次発表している。また、億超えした楽曲をまとめたプレイリスト「100 MILLION+: 1億超えヒット」は2024年の年間チャート内「国内で最も再生された日本の公式プレイリスト」の5位にランクインするなど、その注目度は非常に高い。今も多くのリスナーがヒット曲を知りたいと感じている証拠だろう。

 そこで本稿では、Spotifyから2024年に報告された億超え楽曲をピックアップし、どんな楽曲が今聴かれているかをまとめたい。

 まず2024年に最初に億超え達成の発表があったのは、Da-iCE「CITRUS」。続いてAdo「逆光」だった。同月中旬にはKing Gnu「SPECIALZ」も続く。2月にはXG「LEFT RIGHT」、下旬になるとVaundy「napori」が達成。いずれも2020年〜2023年の間にリリースされた作品で、ストリーミング時代に特に強い存在感を示しているアーティストたちの楽曲が名を連ねている。

 3月には今年リリース楽曲では数少ない達成曲となったCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が1億回再生を突破。テレビアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』オープニングテーマとして書き下ろされた同曲は、1月7日に配信開始されると猛烈な勢いで再生数が上昇。同曲に合わせて踊る“BBBBダンス”は大人気となり、2024年を代表する一曲となった。

 ちなみにこの曲は4月30日に2億回を突破している。1億回再生突破からわずか約2カ月というスピードで“2億超え”となり、さらに9月には“3億超え”、10月にはBillboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数(Spotifyを含む日本の主要なストリーミングサービスでの実績)が5億回を突破(※1)。2024年は名実ともに「Bling-Bang-Bang-Born」の年だった。

 3月はそのほか、上旬にback number「高嶺の花子さん」、Ado「私は最強」、King Gnu「カメレオン」。下旬になってKing Gnu「逆夢」、椎名もた「少女A」が億超えを達成。新旧さまざまな人気楽曲が大台に乗り出した。

 4月は優里「かくれんぼ」のみだったが、5月は意外なところでYUI「again」が達成している。同曲は2009年に発売されたシングルだが、アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のオープニングテーマのため今も人気は根強く、緑黄色社会のギター担当・小林壱誓はこの曲がきっかけでギターを始めたと発言(※2)していたりと、現行のミュージシャンにも多大な影響を及ぼしている。5月はさらにAdo「唱」も達成。Adoはこの時点で今年すでに「逆光」「私は最強」「唱」の3曲が億超えとなった。

 6月にはMrs. GREEN APPLE「ロマンチシズム」のほか、ヨルシカ「だから僕は音楽を辞めた」、Novelbright「愛とか恋とか」、MAN WITH A MISSION x milet「絆ノ奇跡」といったロックバンド作品が続々と億超え。7月に入ると菅田将暉「さよならエレジー」、NiziU「Make you happy」も続き、さまざまなジャンルの楽曲が1億回に乗り出した。

 同月後半にMrs. GREEN APPLEの「Soranji」と、日本レコード大賞を受賞した「ケセラセラ」が2曲同時に億超えを達成。またアニメ『七つの大罪』オープニングテーマのいきものがかり「熱情のスペクトラム」も億超えし、8月にはSEKAI NO OWARIが日本レコード大賞を受賞した「Habit」、YouTubeでMVが1億回再生を超えるEve「ドラマツルギー」、あいみょんが作詞作曲したDISH//「猫 〜THE FIRST TAKE ver.〜」が達成。近年の話題曲が次々に大台を突破していく。

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