『ヒプノシスマイク』映画最速体験試写にキャストら参加 木村昴「イケブクロが勝ちそうな劇場を探して」

2017年に「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」として始動し、アニメにゲーム、コミックに舞台とさまざまなメディアミックスを展開してきた『ヒプノシスマイク』。武器の代わりに人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」で闘う世界を舞台に、個性的なキャラクターがラップバトルを繰り広げる――という奇想天外なストーリーの魅力はもちろん、国内HIPHOPシーンを牽引する多彩なアーティストが作品とキャラクターのために書き下ろした楽曲も話題を集めてきた。
常に挑戦的な『ヒプノシスマイク』初の映画化となれば、単なる映画で終わるはずがない。第3回にしてファイナルと銘打たれたディビジョン・ラップバトルが描かれる今作では、なんと映画館内の観客の投票により上映回ごとに展開や結末が変化。劇場映画としては日本“初”となる観客参加型インタラクティブ映画だという。一体どんな映画なのか。12月11日に開催された『映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」』完成報告会&インタラクティブ映画体験試写会で、一足先に体験してきた。
当日に解禁されたばかりの最新予告映像が流れ、司会者の案内でゲストが登壇。イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」の山田 一郎役・木村昴、シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」の飴村 乱数役・白井悠介、ナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」の波羅夷 空却役・葉山翔太、中王区「言の葉党」の東方天 乙統女役・小林ゆう、勘解由小路 無花果役・たかはし智秋、碧棺 合歓役・山本希望に続き、監督を務めた辻󠄀本貴則、アニメーションプロデューサーの中岡亮がステージに並んだ。
ナチュラルに挨拶した男性陣に対し、華やかな衣装を纏った女性陣はキャラクターボイスを交えてコメント。「野郎ども!」とお決まりのセリフで盛り上げるたかはしに「こっちも何かやっておけばよかった(笑)」と木村がぼやくなど、序盤からアットホームなムードが広がった。



そこから、お待ちかねのインタラクティブ映画体験へ。初めて体験するキャスト陣も、映画館の座席に座って備える。
事前準備としては、まず専用アプリ「Ctrl Movie」を各自のスマートフォンにインストールし、メールアドレスか電話番号で登録。上映前にスクリーンに表示されるQRコードをアプリで読み込んで「準備完了」の画面が表示されればOKだ。そのまま映画を観ていると、投票タイミングで勝手に投票画面に切り替わり(画面も自動で明るくなる)投票したいチームロゴをタップするだけ。想像していたよりもかなりスムーズかつ単純な操作に驚かされた。逆に言えば、投票のたびにカバンから取り出したり、画面オフ状態からロック解除したりする余裕はないため、基本的にアプリを起動したままスマホを手に持って鑑賞することになりそう。しかし、上映中はちゃんと画面が暗くなるうえに、映画の世界から離れることなくシームレスに投票ボタンを押せる没入感は未知の感覚だ。
体験会では、1回戦の3試合(イケブクロVSナゴヤ/ヨコハマVSオオサカ/シブヤVSシンジュク)と、それぞれの勝者が三つ巴でぶつかり合う2回戦の4試合を体験。パフォーマンスを観た直後に投票し、その結果が表示されるまで(10秒程度なのだが)のドキドキ感を経て、勝敗が決したあとのキャラクターたちのリアクションとともに新たな展開が繰り広げられていく。まさにライブ会場でバトルに参加しているような臨場感で、『ヒプノシスマイク』の世界に入り込んだ気持ちになれる。
同日にトーナメント表が公開されたとおり、分岐は48パターン、エンディングは7種となる。キャスト陣の座席からも、「楽しい!」「コレ、ヤバい」などの声が聞こえてきたが、関係者の体験会でこの感覚なのだから、実際にファンが集った映画館でどんな熱狂が生まれるか計り知れない。
あらためてゲストが壇上に戻ってのトークがスタート。「体験版とはいえ心臓バクバクしました! サウンド感も含めて、ぜひ劇場に足を運んで観てほしい」(木村)、「本編を全部観たらどうなっちゃうんだろうと思いました。みなさんの情緒が心配です(笑)」(白井)、「勝った瞬間に自分の推しの顔がバーンと出てきて喜びを表してくれるって、すごく貴重な体験だなと思いました」(葉山)と、映像や音楽の迫力、投票システムに大興奮の様子だ。



中岡プロデューサーによると、映画のプロジェクトは2020年の10月に始まり、キャスト陣の収録は2年ほど前に録ったという。辻本監督は「3Dアニメーションは先に声を収録して、その声に合ったお芝居を僕らがつけていくんです。だから、みなさんのお芝居が素晴らしすぎて、アニメーション担当の方に『声に負けてますよね、もっと頑張ってください』と言うこともありました。勝ったほうだけじゃなく、負けたチームにもちゃんとフォーカスして感情豊かに描いているので、そこも見届けてほしい」と熱意を語り、キャラクターの目の動き、髪の毛や衣装の揺れなど細かいところにこだわったと明かした。

プロデューサーと監督は実際に『ヒプノシスマイク』のライブを体験したとのことで、「この熱を知っているファンに負けないような音楽映画として頑張らなければとこだわりました。『ヒプノシスマイク』を知らない方に観ていただいても、音楽映画として楽しんでいただけるはずです」(中岡)と、自信を覗かせる。インタラクティブ体験に加えて、アニメーションそのもののクオリティも大きな見どころだ。
