アプリゲーム『18TRIP』×カセットテープによる日々の彩り 音楽を持ち歩く“レトロ体験”の魅力とは?

『18TRIP』音楽を持ち歩く“レトロ体験”

 近年、カセットテープに対する人気が急上昇しているのはご存知の通り。その人気の理由は、音楽メディアツールとしての利便性+アイテム・グッズとしての魅力にあるが、そんな時代の流れを巧みに落とし込んだゲームタイトルを見つけた。スマートフォン向けアプリゲーム『18TRIP』(通称『エイトリ』)である。舞台は近未来の横浜「HAMA18区」、かつての栄光は見る影もなく観光人気が低迷している同地区の立て直しを図ろうとする幼なじみに誘われ、主人公は20人の観光区長(5人ずつでユニットを組み、4つのユニットに分かれて活動)と協力しながら観光客に向けてさまざまな“おもてなし”を実施、HAMA18区の人気を回復し、街を盛り上げていく……、という内容だ。

 制作はリベル・エンタテインメント&ポニーキャニオンが共同で手掛けており、耳聡い人はアニメ・舞台・ライブなどでファンを多角的に獲得している『A3!』を思い浮かべるだろう。『エイトリ』も近未来の世界観や作品背景に令和の時代性を上手く溶け込ませており、音楽やファッションをはじめとする文化、流行、ライフスタイルなどにアンテナを張っている人は男女問わず触ってみると感じるところはあるはずだ。舞台となる「HAMA18区」とは現在の横浜市をモチーフにしており、ゲーム内にも中華街やコスモクロック21などの実在する観光スポットが次から次へと登場するため、ゲームを進めていると観光気分を体験できるのは勿論、プレイヤーが実際に横浜を訪れた時は期せずして聖地巡礼できるのも魅力の一つだ。さらに、ゲーム内では現実世界同様にレトロブームが盛り上がっていることもポイントになっている。

18TRIP(エイティーントリップ) プロモーションムービー

様々なシーンを彩る“カセットテープ”の復権

 日本では昭和レトロブームに続く形で現在、“Y2K(=2000年)ファッション”の流行をはじめとする“平成レトロ”がZ世代(1990年代後半~2000年代生)を中心にブームになっている。だが、シティポップの逆輸入現象が発生していたことからわかるように、世界的にもレトロブームは熱い。そんなブームの中で台頭してきたのが、“カセットテープ”である。

 韓国ではBTSやSHINee、ITZY、欧米ではテイラー・スウィフトやアークティック・モンキーズ、そして日本でもスピッツや竹内まりや、あいみょんなどがカセットテープでのアルバムリリースを展開している。ひと足早く復権し始めているレコード同様、カセットテープならではの音質が好まれているところもあるが、コンパクトかつモノリスを思わせる直方体のキュートなフォルム、そのケースから排出されるのがメカニカルな形状のテープ、というガジェット感はポップであり、レトロブームの象徴の一つとして人気を集めている。

撮影=MASANORI FUJIKAWA
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撮影=MASANORI FUJIKAWA
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 それはアートとして扱われて部屋に飾られることも多いレコードジャケットとはまた違う形で所有欲をくすぐり、アイテムとしての地位を確立。スマートフォンとは異なる、音楽専用のポータブルプレイヤーとしての人気は急上昇中だ。1998年へとタイムトラベルする韓国のSFミステリードラマ『いつかの君に』でも、カセットテープとウォークマンが重要なアイテムとして登場しており、カセットテープが日常使いのツールとして愛されている背景がある。『エイトリ』内でも登場人物たちがテープに自分たちの声を吹き込み、報告や連絡を行うコミュニケーション手段として使用しており、テープレコーダーに声を吹き込む姿を想像するとやはり絵になるのだ。

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