SHE'Sは味方であり続ける バンドの音楽性を象徴した『Memories』ツアーの意義
「やっほー! はっちゃけるぜ!」と、ご機嫌な井上がちょっとシリアスに語り始めたのはこんな内容。「それぞれこれだけの数の人生があるわけやんか。よく『SHE'Sの音楽に救われました』と言われるけど、それは誰の力でもなくあなたの力だから。救う救われるじゃなくて、これだけ違う人生の俺たちが出会っている」と。その奇跡のような事実を受け止めること、それ以上でも以下でもないと、言いたかったんじゃないだろうか。本編ラストにアルバムのタイトルチューン「Memories」をセットしたことの意味が、4つのセクションから成る全体像を受けて、アルバム『Memories』のツアーであること以上の強度を持ち得たように感じた。〈選んだあなたの 僕は味方だ〉の最後をロングトーンで力強く歌い切ったことが、SHE'Sの音楽性を思い切り象徴していた。
日替わりのアンコールは「歓びの陽」と「Stand By Me」を選択したこの日。再来年の結成15周年、デビュー10周年に向け、2025年は助走期間になりそうだと広瀬が語り、井上は「まあ、のんびりやってますので、都合のいい時に会いにきてくれたら。俺はみんなの心にSHE'Sがあるだけでハッピーなんで」と、ファンへの感謝の意を込めて披露したのが「Stand By Me」だった。大袈裟なことはひとつも言わないバンドだが、リスナーの思い出に紐づいている自信がたしかに感じられる。SHE'Sのあり方をあらためて証明するツアーになったようだ。
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