緑仙、ホームタウン仙台の地で届けたエモーショナルな歌声 新スタイルで未来も示唆した2ndツアー最終公演

緑仙、2ndツアー最終公演レポ

 「にじさんじ」所属のVTuber・緑仙が二度目のライブツアー『緑仙 2nd LIVE TOUR「緑一色」』を開催した。福岡、東京、仙台と全国3カ所をまわった本ツアー、本稿では2024年11月16日に宮城県・仙台PITで行われたツアーファイナル公演の模様をレポートする。

 本編開始前には緑仙本人によるアナウンスがあり、注意事項が告げられるたびにファンも元気良く返事を返すなど、開始前にしてすでに準備万端の様子。オープニングムービーに続き、黒の衣装に身を包んで登場した緑仙は、所縁の深い仙台の地にちなんで「この日のために残しておいた自己紹介、やっていいでしょうか? 新緑の緑にベガルタ仙台の仙と書いて緑仙です!」と自己紹介。客席に大きく手を振り笑顔を見せた。

 一曲目は、最新曲の「終着駅から」だ。電車の中からの映像をバックに、その巧みなボーカルで疾走感溢れる楽曲を歌い編み上げていく。続く「猫の手を貸すよ」も最新EPに収録された最新曲。時にアンニュイな表情を見せつつ複雑な感情を声に乗せ、緑仙の世界観へ引き込んでいった。

 「友達の歌、歌います!」と始まったのは、同じくにじさんじ所属の樋口楓「MARBLE」のカバー。これまでと打って変わって、激しさと力強さを前面に押し出していく。バンドサウンドとの相性も抜群だ。さらに声に妖艶さや激情を乗せ歌い上げられた「独善食」と続き、かわるがわる多彩な表情を見せていく。

 和気藹々としたバンドメンバー紹介やユーモラスな一面を覗かせたMCに続き、RADWIMPS「おしゃかしゃま」をカバー。大迫力のバンド演奏をバックに、難曲をクールな表情で熱く歌いこなした。さらにノンストップで、ツアーロゴ入りの拡声器を手に歌われた「なんでですか?」、眼鏡をかけ大空や鳥かごといったモチーフをバックに「いっぱい手を伸ばしてください!」とファンに呼びかけた「Reject it now!」、シャウトとウィスパーボイスを次々と繰り出し楽曲の持つ空気感をステージに再現した「天誅」と、怒涛のセットリストが続いた。

 初期衣装で再登場し、ステージ中央の椅子に腰かけラフなスタイルで歌われたのは「エンダー」。リラックスした中にも激情が混ざったような歌声は、楽曲のテイストも相俟ってオリジナリティに溢れている。イントロで歓声が起こった「藍ヨリ青ク」では、曲に詰め込まれたメッセージを丸ごとぶつけるような表現が印象深い。アカペラで始まった「ジョークス」は、ペンライトによってまさに“緑一色”となった客席のジャンプを煽り、その熱量を上げていく。ライブを全身で楽しんでいる様子が伝わってくるパフォーマンスだ。

 人気曲「タイト」は、シンプルにリリックが流れるスクリーンをバックに、丁寧に言葉を紡ぐように歌われた。自身をさらけ出すような、ストレートなステージングだ。パフォーマンスの後に緑仙は、「みんなにとっては呪いのような曲かもしれないんですけど(笑)、僕はとても大好きな曲。でもこれからは歌でみんなを幸せにしたいと思っていて、違う方法で呪いをかけていきたい」とユーモアたっぷりに語る。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる